十一
廃屋から出て少し歩くと人影が見えた。うん、思った通りかなりの人が居る
…あの人、精鋭って言ってた。精鋭って選りすぐりの人達の事だよね?
…………これが?これが精鋭なの?
全く個々の強さを感じない。力を隠しているのかな?それならもう少し近付けばその強さを感じれるかな?
「あ」
……不用意に近付いたら魔法を撃たれた。油断し過ぎた、顔に綺麗に貰っちゃった
…でも、最初に思った通りだ。威嚇の為に撃ったにしても、僕を殺す気で撃ったにしても威力が無さ過ぎる。こんなんじゃ僕は絶対に遣られないよ、やっぱりこの人達は弱い
『…生きている…!?上位魔法を諸に受けたんだぞ…!?』
「ねえ、帰って」
『…何を言っている…!?貴様はエネミデアとホロコストを庇うのか!!』
「エネミデア今お腹に赤ちゃんいるんだって。動くの辛そうだし、動かさないであげようよ」
『…!!そうか…ならば尚更そこを通らせて貰う!!エルフと魔族の混血なぞ生まれさせるものかっ!!』
何でこの人達はこんなに怒ってるんだろう。僕がエネミデアの様子を話した途端いきり立ってしまった
ぞろぞろと雪を乱雑に踏んで足音荒く向かって来る。どうしようかな、この勢いだともう僕が何を話しても止まってくれなそう
それなら無理矢理止めてしまおう。その方が簡単だ
『!!!!』
向かって来る人達の足元へと魔法を放つ。地面が抉れ、雪が吹き飛んでばらばらと飛散する
うん、思った通りに止まってくれた。後は…
地面へと向けていた掌をそのまま上げて狼狽え立ち止まる人達へと向ける。それを見るや全員が後退って……
……ほんとにこの人達精鋭なの?あの男の人が間違ってるんじゃないのかな
「帰って」
『…ッ…!!!』
「帰って」
『…覚えていろっ!!混血の存在など私達は認めん!!』
「帰って」
『生まれた所で疎まれるだけだ!!居場所など有りはしない!!』
「ねえ、早く帰って」
ずっと帰ってって言ってるのに全然帰ってくれない。僕いつまでこれを聴かなきゃいけないの?直ぐに戻るって言ったのに…もう良いや、止めさせよう
もう一度同じように足元に魔法を放つと叫ぶ事を止めて背中を向けて全員が慌てながら逃げて行った。やっと帰った、しつこかったな
……居場所など有りはしない……か
僕の居場所って何処なんだろう、僕は此処に居るのが正解なのかな、此処に僕の居場所って有るのかな




