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6日目 0時から1時 魔王襲来(4)

「いまだ!!」

「なにっ!?」


 俺の掛け声に合わせてエリノスが防御結界を展開する。魔王と接近戦に興じているものは一人もいないので、わざわざ魔王とほかの兵たちを分断する必要はなかった。

 魔王の顔に驚愕が彩られる。


 それもそのはず、結界魔法は通常仲間を守るために展開するものであり自分を中心として半球状に展開するのがセオリーだ。それゆえ魔王もエリノスの神聖術に対して警戒をしていなかったこともある。突然自分の周囲に生まれた結界に、俺たちサイドから放たれた攻撃が命中して爆散する。

 一見すれば魔王を守ったように見えるそれは、魔王の動きを封じ込めるに至る。

 

 ようやく状況を理解した魔王がニヤニヤと笑みを浮かべた。


「で、どうするのだ?」


 挑発するようなものいいを無視して俺は魔力を練り上げていく。

 一番得意な火魔法で最大限まで火力を上げる。今の俺なら燃やすことなく焼き切れるほどに火力を上げられるのだ。数千度にまで達する火魔法なら魔王と言えどもただでは済まないだろう。


「全員、最大限の力で一気に片を付けるぞ」

「くかかか、なるほど、なるほど。好きにすればいい。それらが通用しなかったときの貴様らの絶望に沈む顔を見るのも一興というものよ」


 魔王は余裕の表情でエリノスの結界の破壊をしようとはしていなかった。


「その余裕を砕いてやるさ」


 イーナを筆頭に魔法使いはそれぞれの最高位の魔法の詠唱をはじめ、騎士や兵士たちも遠距離攻撃できるスキルに力を込め始めた。セシルの10日に一度しか使えない弓術スキルはインターバル期間なのが惜しいが、それでも多様なスキルを持っている彼女なら何か必殺の一手を使ってくれるだろうと期待が持てる。


 エリノスは隙を見せないように防御結界の維持に全力を注いでいる。

 俺は魔力を集中させながら、並列思考と思考加速を発動させた。全力の攻撃でも外れてしまえば意味がない。並列思考にすることで魔法を使う頭と、体を動かす頭の二つに分ける。思考加速で魔王の一挙手一投足を見逃さないようにして、必殺の一撃を叩きこめるようにする。


 皆の魔力がうねりを上げて、まるで可視化しているように空気にゆがみが見えてきた。

 

 時は満ちた。


「いくぞ!!」

 

 俺の声をきっかけに魔法が放たれ、エリノスが防御結界を解呪する。その瞬間、魔王もまた動き出したのが加速した脳が捉える。

 最初に届いたのはセシルの『驟雨』。一度上空に向かって放たれた矢は無数に分裂すると弧を描きつつ、魔王を全方位から覆いつくし強襲した。

 どこに逃げようとも矢のいくつかは刺さるであろう必殺の一撃。

 一つ一つは致命傷にならずとも無視できない攻撃である。 


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