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4日目 13時から14時 宝箱

 最後に残ったオークを薙いだ剣が真っ二つにする。


「流石アキラ様。オーク程度ではもう問題ないようですね」

「みたいだな」


 セーデガーのダンジョンに入って1時間余りが経過した。草原地帯から進み、木々の乱立する林を抜けているところにに4度目の襲撃があった。

 スキルからすれば剣も魔法も使えるけども、あまり適当にやっていたらどっちつかずの器用貧乏になってしまいそうだと思い剣術一本に絞っている。絞っているのだが、敵があまりにも物足りない。


「もっと強い敵はいないのか? キメラとかギガートンというのもいるって話だったよな」

「キメラは岩石地帯にいると思うので南西の方でしょうか……ギガートンに関してはすみません。存じ上げておりません」

「いや、知らないならいい。オークよりキメラの方が強いんだよな」

「そうですね。推奨されているオークの討伐レベルが20に対して、キメラは30なのでかなり強敵だと思います」

「ギガートンは?」

「推奨レベルで言うと40くらいですけど、ギガートンは大型の魔物ですので基本的にアキラ様お一人では厳しいかと。キメラもレベルだけ見ればアキラ様より格上になりますのでまずは岩石地帯を目指されてはどうでしょうか」

「そもそも、どこにいるかもわからないんじゃ探しようがないか。よし、それなら岩石地帯を目指そうか」

「はい」


 左手に進行方向を変えて歩き出す。

 それにしても不思議な場所だと思う。王都の近くで潜ったダンジョンは、明確に違う場所だったけどもセーデガーでは地続きの草原が、ある場所を境にダンジョンになっているのだ。その割にコンパスは使えているし、太陽の動きも変わらない。ただし、魔物を倒せば、その体は砂のように消えてしまうのが唯一ダンジョンらしさを演出していた。


「あれ?」

「宝箱みたいですね」


 進行方向を変えて10分ほど歩いたころ、草花の陰に宝箱が落ちているのが目に入った。学生時代に嵌ったゲームでもダンジョンといえば宝箱だった。王都のダンジョンでは一度も目にしなかったし、ちょっとばかりテンションが上がってきた。


「開けてみるか」

「ちょ、ちょっと、待ってくださいアキラ様」


 宝箱に手を伸ばそうとしていた俺をエリノスが必死に止める。


「いつものアキラ様らしくありませんね。ダンジョンで見つかる宝箱には毒煙やニードル、爆発、宝箱自体が魔物であったりと様々なトラップが仕掛けられていることが多々あります。ですので、罠感知のスキル持ちに確認してもらう必要がありますが、私はあいにく持っていません」

「俺は持ってないが、あきらめろと」

「ダンジョンの攻略には必ず一人はスキル持ちを連れてくるのが鉄則なのですが……」

「ん? もしかしてほかの人が持っていたってことか」

「最初のパーティではボーグさんが、それからセシルさんも持っているそうです」

「どうする? セシルと合流した後にもう一度来るか?」

「えっと、そこまで宝箱にこだわる必要はないのでは?」

「何言ってるんだ。宝箱だぞ」


 宝箱が目の前にあるんだ。開けたくなるのが人間というものじゃないだろうか。毒耐性や麻痺耐性はある。ニードルが飛び出てくるとしても思考加速を発動させていれば躱せないとも思えない。爆発も然り。宝石とか出てくれば、奏にいいお土産ができるかもしれない。

 俺は思考加速を発動させ宝箱に手を伸ばした。


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