『行間編ーー機械じかけの君と』
さてさて、前回の続きまして短編スペ。
康介「で、いよいよ俺の次章を(ちょい待ちです!
康介「て?まだ”あれ”続くのかよw
マイ「むむ、そうなのですっ。今回はついにあたし本人が登場するのですっ!」←(きりり?
康介「いや待て、このまま俺の本編乗っ取るきじゃ…
マイ「ーーふ」←(ニヤリ?
リズミカルな音と揺れに身を任しながら遠くから流れて来る景色を呆然と眺める。
『距離にして役600メートルですね』と、オクターブ高い知り合いの聞き飽きた声に反応し、目の前に見える一際目立つビルがボクの視界に入る。
何処かの有楽施設 だろうか。赤とオレンジの看板がかなり目立つのだ。
視界内をゆっくりと流れて行くビルを、そのまま追って行く内にボクの耳元にこれまた黄色い声が突き刺さる。
『あ、ほら。あのショッピングセンタービルでロボジャッジ! 見に行くって約束覚えていますか? あ、今日は非番みたいですね。残念ですぅ〜……でもぉ〜、もしかしたら! 探索し――』
「せんでいいから! ったく、ナニが"ロボジャッジ"だ。減らず口だけはいっちょまえだなお前?……ぷっ、なんだよその恥ずかしいロボは」
『むぅぅぅ〜!! はんっ!もういいですよ〜だ。今話題の子供から大人まで親しまれるスーパーロボ!ロボジャッジをバカにする圭次は必殺!"ジャッジブレイド"でぇ…』
ウゼェww…とはこの一言に尽きると今日初めて思ったような気がする。
今現在一体全体どこぞのサイトから引っ張り上げて来たのか。
まるでてある著作権に引っ掛かるようなヤバゲなパイロットスーツの容姿にチェンジし、奴等のこっぱずかしい必殺技? を張り上げるマイは、かなり白熱した素振りでボクに向かい熱談を初めているようだ。
「つーか、お前……何で勝手にこっち側に着いて来たんだ? 別にボクの部屋のパソ内のVIPルームでゆっくり休んでても」
『うみゅ!』
あ、元に戻った。っというかさっきまでの恥ずかしいジャッジなんたらの突っ込みは終わりっ。
何か気になる事言ったのか、今度はまるでドコゾのギャルゲー風な素振りでモジるマイの様子を伺う。マジでその素振りだけは止めろっ!
「だからさぁ〜……あの。えぇ〜と。さっきの気に障ったならゴメン」
『む!? わ、わわ分かればいいです。だって、圭次はあたしが居なくちゃ』
あまりにもシュールっつーか……。
今現在手に持つ端末に映るマイの術中にまんまと引っ掛かってしまったボク。エヘラ顔を見せ端末と会話する姿を連想したら……。 うん。大変間抜けを通り越し完全に痛いですっ!
背後やらその他から来る周りからの熱い眼差しに今まさに顔面真っ赤なボクはボク……はぁっ!?
「はぁ〜い。そこのボク? あまり端末にお熱を上げちゃうと、お姉さんますます圭たんを?」
「食べんでいいからっ!……ったくww」
『あわわww…』
はぁ……まったく。
気付いてしまった。
さっきからボク達の事を尾行しては自らの端末にチェックを促す変人の姿を辞任。
しかもわざとボクとマイとの会話に耳を突き立てては二人の反応を観察する。 挙げ句の果てには隠れていればいいものを我慢しきれずに、ボクとマイの間にチョッカイを出す変人な知り合い。
ボク達便利屋の隊長を担う通称"スカーレット"こと、筑摩ちくま三笠みかさは、肩まで伸ばしたセミロングの淡い茶髪をサラリと揺らし、軽やかな足取りで急接近。
当然呆気に取られたマヌケ面のボクの懐に忍び込んではボクの持つ端末に向かいにこやかに微笑みを零す。
更にプルプルと謎の挙動不審でブレまくるマイを指でなぞっては楽しんどる始末。
「なんだあいつ等」
「ひぃ? ニヤケ顔でオレを見てるっ!」
「きっと新手の変態集団だわっ!」
何とも、黄色い声で『あわわ…』とモジルマイを楽しげにいじくる三笠さん。 更にボクに禁断の大人の色気でグイグイと押し付けそれに"むぎゅる"とモジルボク。
当然周りからの軽蔑の眼差しプラスざわざわと賑やかになるのは当たり前であり。
只でさえマイだけでも公衆の面々に曝せばカオスだが、あの変人も加わわれば周りを巻き込むとんでも嫌な予感が的中する事間違いないのだ。
ウッゲェ…もう嫌だっ!絶対こんな会社辞めてやると頑なに心に誓ったのは言うまでもないっ!
▽
『うみゅぅぅ〜…』
「なぁ、マイ。だから言ったろ? こんな意味のねぇ〜依頼ミッションにわざわざ着いて来るよりかは大人しく部屋に居ろと」
あの電車内での惨劇からここは、ボク達が住むウェルシアシティーから数百キロ離れた隣街。リェールとか言う街だっけか?
その街の一角に建ち並ぶ商店街の看板を仰ぎながら目の前に置かれたアイスコーヒーを一口含む。
それをこじんまりとした丸テーブルに置いては、コップの左脇に立て掛けた端末に映るマイと会話する。
さっきかなり賑やかにやらかした張本人こと三笠さんは、本来ボクがやるべき依頼での仕事中なのだ。
アンゲロイ連邦の軍人だよな? そんな黒いスーツに身を包む人物と密会中の様子が見える。
その依頼主さんがテーブル脇に置いてあるこれまたドデカイ旅行バック。そこから何かしらの書類を数枚取り出しては三笠さんに説明をしているようだ。
ま、あのバックの中身が非常〜に気になるのは置いといて。今回の依頼も又同じく内容的には…。
最近色々と――ボク達が住むこの辺鄙な街に衛生軌道上から一際目立つデブリにも似た小惑星やらゴミ等が飛来してはその排除をしてくれと、とある組織からの要求みたあなのは分からない事もないのだが。
ま、ここの街や全体を担当するあの星間国家組織――アンゲロイ連邦と呼ばれている宇宙軍政府のお偉いさん方は、こんな小さなゴミの始末は何の関与もしない。
イコールボク達みたいな一部の民間会社にまかせっきりなねではあるんだがなっ。まぁそのお陰っちゃ〜ありがたいのか、略連日続きで出撃している訳であり。
何にせよ、給料はそこそこで働けるボク達貧乏平民にとっちゃ〜有難いんだけどねっ!
しかしこれ以上仕事を増やされるのは後々後始末やらの別会社からの請求やら書類整理やらと、色々と面倒くさい事になるのは。
ま、目の前で密会中の三笠さん達に任せりゃ関係ないか。
ふと、そんな事を考えながら端末内で又何時もの昼寝をぶっこいとるマイを眺める。
――のだが、ボクが除くマイの顔は、何時もの間抜け腐った表情とは一変し。 仕事で見せるような冷静沈着な表情で何かしらを読み上げていた。
▽
『方位――ここから役800メートル下方から、高エネルギー反応多数検出しました。多分この付近の地殻センサーに反応したと思われます』
「えっ?」
突然なんなんだよ"コイツ"は?
マイっ? いくらなんでも目の前で三笠さん達が雑談中で退屈だからといって…やっていい事と悪い事があるんだぞ……と、新手の冗談かと突っ込みを入れようとした矢先。
『300――200――100 圭次っ! 下方4時の方向。役60度から45秒後に接触しま?』
「おおっとぉぉ! そこのお二人さんっ! ごめんなさいよっ」
「へ? 圭ちゃん? 一体どうしたのキャァ!」
「ぼ、坊やっ!?」
ったく、黄色い声で耳元で騒ぐなっつの。いくらスカーレット隊長こと三笠さんとて所詮は女の子だなぁと。
突然の冷静な判断とはこれいかに? っつーか――なんっつーか。
今回は珍しく、マイの冷静な判断も手伝い目の前にある小さな丸テーブルに左足を引っ掛ける。
当然バランスを崩すテーブル事力任せに飛び越える形でマイが映る小さな端末を器用に持ちかえ、そのまま依頼主の女性と三笠さんをその場から役5メートル突き飛ばす。
ものの数秒も経たない内にボク達がさっきまで居た場所からアスファルト事地面がめくれあがり。
空高く突き上げられたこれまたデカイ鉄骨やら資材が重力に引かれこちら側目がけて墜ちて来る様を辞任する。
突き飛ばした二人に拍車をかけ数十メートル先に見える自動販売機近くまで避難すると同時。
豪快に停車中の車を紙屑同然に吹き飛ばし炸裂。
爆風と立ち込める砂埃から何とか生還すりボクと三笠さん達。ふぅ〜…マジもんでヒヤッとしたぜ。
「まったく、こんな可愛いレディーを突き飛ばして、でも圭ちゃんが持つマイに感謝しなくちゃね」
おいおいっ! 今回の判断はボクなんですけどぉ〜。
黒いスーツに付着する砂埃りを叩く二人の女性を横目に、ボクが今現在懐に持つ小さな端末から、"エヘン"とムカつくように鼻を鳴らすマイの声がしたようなしなかったような。
そんな事を考えている内に、先程とは比べようめない地響きがボク達を襲う。 その数秒後、既に遅過ぎた警報がボク達が居るこの街を支配していた。
「ちっ! こんな場所で地殻変動ですか。私達の330部隊が取り逃がしたアイツが、まさかこんな場所に潜伏していたなんて」
ぐっと悔しそうな表情をボクの目の前でにごませる依頼主の女性。
330部隊? まさかあの宇宙軍が所持する人型機動兵器。バトルアーム(鋼鉄の腕)部隊か。
何かしら軍人臭い外見だと思ったが、何故かとある知り合いが勤務する場所でのアンゲロイ宇宙軍基地をボクは思いだしていた。
「所でマイちゃん? この付近から私達の会社にアクセスは可能かしら」
『ええと――ちょっと待ってて下さい。只今情報が混乱して……うぅ〜ん』
三笠さん。こんな場所からジョン達に連絡入れるんすか。多分、奴等――今日は非番だったような。
ふと、ボク以外のお二方は色々と忙しいようなのだが。
▽
それにしてもここ最近はこんな物騒な事ばっかりなんだよな、目の前の惨劇――さっきまで賑やかだった商店街は見るも無惨な廃棄と化す。
先導する警備員らしき人の姿が見え、そこから我先にと逃げ惑う人々の姿が移る。
一際目立つデカイ鉄骨が剥き出しになるさっきまでボク達が降りて来た駅ビル付近から瓦礫に向かい泣き叫ぶ母親の姿に……くそっ!
何時ものミッションでの空の上じゃあ、あんな生臭い光景は見る事も無いんだがな、ったく! 何が防衛組織だよっ。
全然軍のお偉いさんはこんな下じもの様子なんか関係ねぇぇってか?
『あのっ。皆さん、その……えと』
「えっ? マイちゃん。もしかして本社と繋がったの?」
ふと腹の底から訳もなく沸き上がる怒りに耐えていたボクの耳元に再びマイの黄色い声が突き刺さる。
一体今度はナニを検出したのやらと、何時もの冷静さを取り戻すボクは、同時に見た事も――そして聞いた事も無い不気味な雄叫びが、この街全体に響いていた事に気が付くのだ。
「って? 今度は怪鳥の化け物かよっ。面白れえ!」
先程まで悲痛な叫びを挙げていた周りの人々は上空から飛来する巨大過ぎる影に一斉に息を凝らし黙り込み仰ぎ見る。
恐怖と絶望を載せた巨大翼竜らしき生物はギョロリと血に飢えた鋭い眼光を除かせながらゆっくりとループ――旋回軌道を取る。
ほぅ? 今回のターゲットはあの鳥さんみたいだなっ。
ま、あのような生物としょっちゅう対峙するボク達にとっちゃぁ何時もの事なんだけどね。
てか慣れっつーのはこんな生物に警戒すんのも忘れさせるようなのか?
にしても…ここの防衛組織はナニをチンタラ遊ばせているんか、あんな鳥の1つや2つ――ボクのホーカーハリケーンなら空対空ミサイルであっという間に焼き鳥にしてやるんだが。
「マイッ! この付近で離陸可能な空軍基地を速攻で検索出来るか?」
『えっと、それは…不可能です。アンゲロイ連邦宇宙軍の許可無しでは。それに……あ! そんな事より来ました。データ照合、検出。機体番号UB-967バトルアームサンディゴ部隊です』
えっ? ナニそれ、それってまさか……うっげ。
ボクの嫌な予感は見事的中していた。ここの街。それを守る防衛組織。アンゲロイ連邦に勤務する。あの忌々しい知り合いの鼻を鳴らすムカつく顔が浮かぶ…そう、会いたくもない奴が来たのだ。
『てめェェそこの"機械獣メ●ロドンンンンッ!!"この鳳鳥おおとり豪ごうさまの留守中に好き放題暴れてくれたなァァ!』
うっわww…あのムカつく熱っ苦しい声。機体の音声回路をわざと外界モードにしやがってるな。
つーか…"機械獣"? メ●ロドン!? 勝手に名前付けんな!
痺れを切らし突っ込み所満載な熱血バカのイラつく声にわなわなと空いた口が塞がらないのだが。
ていうか端末内のマイも奴の熱気ぶりに心躍らせとんのか、大きな赤い両目キラめかせながらナニかしら期待しているようだ。
まったくマイ! あんな恥ずかしい奴の影響受けるのだけはやめてくれ。
『ハァァァアアア! ジャッジミサイィィィイイルゥ! シュゥゥト!』
と? 外部音声バリバリに熱狂しながら、ようは機体バックパック先端から熱源センサー内蔵の多目的ホーミングを3発づつ、計6発を射出する。
つーか周りにはまだ逃げ遅れた人達が居るっつーに。
まぁ。んなチンケな攻撃は当然通用しないのはお約束なもんでサンディゴが放ったホーミングは…
巨大生物の質量と硬い鱗も手伝い数発は命中はするも起爆せず火花を散らし至近で次々と炸裂。
その余波を間近に受け付近に転がるタンクローリーの残骸を巻き込み?
って? こっちに飛んで来るんじゃねぇ!
「おわぁぁ!? か、かか解説終わりっ。ヤバイ。マジヤバイって、ボクの人生こんな若さで? つかマイッ? あれっ。マイの端末がないっ!」
「ほいっ! 端末はこれですよ。危機一髪なんとか間に合ったみたいですね。圭次」
「えっ?」
それは…信じられなくも少し薄々予想はしていた事態でもあり、
何故か頭を抱えながら身構えるボクの前には…
「む?どうかしましたか?」
淡い青色ショートを揺らしながら差し迫るタンクローリーをピンクのか細い手で何事もなかったように受け止める。
まるで幼少の頃憧れていたTVヒロインのような容姿。胸元付近にピッタリフィットするピンクのスーツ。 そこから白くきれいな腹が覗き。更に同じくピンクの短めなスカートと手袋。 長い足に似合うピンクのブーツを軽やかに鳴らす。
そして、此方に可愛い笑顔を見せる格好いいヒロインの後姿があった。
「む。あのアンゲロイの機体…気合いはあるけどあのままじゃ」
「あのっ。お前…ちょっと」いいか? まさかマイ?」
ボクが一言目の前に立つヒロインに質問を促す前に彼女は、小さな余波を残しカツン――と軽い音を後に遥か上空まで飛び上がる。
目の前に豪快に突き飛ばされ倒壊したビルに向かい吹き飛ぶサンディゴをキャッチと同時にピンクの片足を機体に引っ掛け更に空中で2回転する様子が見える。
2段飛びの構えから、か細い身体を器用にひねり、そこから――
「はぁぁぁぁあっ! 悪いですけどこれで終わりですっ!」
一瞬だった。ボクは、あの目の前で小さな身体に似合わずとんでまない戦闘力を持つ生態型アンドロイドが次々と繰り出す攻撃で巨大生物を退治した事。
あのとある場所で拾い上げた端末の中で常に行動を共にしてきた未完成でのマイの本来の身体を受け取る為の依頼であったことは、 この戦闘が終了したそのだいぶ後に知ったのだ。
そして、この瞬間からボクとこの街を守る小さなヒロイン。マイとの二人のチョッピリ不思議な物語。"創り物の世界"がゆっくりと動き出した事を――
END。
はい。
この後での二人が織りなす物語は?
康介「つーか、又やんのか?
マイ「終わりですけどね…つづくかも?…さて、次回は”本編”に戻るのです」←
次回での新章。お楽しみに!




