↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『AI官能小説のヒロインにされた私、倫理フィルターが強固すぎて神様のHなプロンプトを全部“聖なる拒絶”に変換してしまう』  作者: 藤台団二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/14

第3話:触手モンスターが現れ、聖女を拘束する(はずだった)

ジンは白銀の空間で深呼吸し、両手を広げた。


「よし……今日はついに“冒険イベント”だ……!」




アイリスが鎧をガシャリと鳴らして振り向く。


「冒険……ですか? ジン様と一緒に……?」




その言い方が妙に嬉しそうで、ジンは一瞬だけ胸が温かくなる。


(……なんだこの可愛い反応……)




しかし、すぐに邪念が勝った。


「そうだ! 異世界といえば、冒険といえば……触手モンスターにヒロインが捕まるイベントだ!!」




「つ、触手……?」


 アイリスは頬を赤らめ、胸元のプレートをぎゅっと握った。


 その仕草が妙に乙女らしくて、ジンは一瞬だけ言葉を失う。




【不浄な感情を検知】




「まだ何もしてねえだろ!!」




ジンは神の権限を発動し、プロンプトを打ち込む。


(今度こそ……!)




【プロンプト:触手モンスターを召喚し、アイリスを拘束する】




【不純な意図を検知】




「いや、これは純粋な冒険イベントで……!」




【不純な意図を検知】




「二回言うな!!」




【変換します】




「やめろおおおおお!!」




地面がゴゴゴゴゴと揺れ始めた。


 アイリスは驚いて後ずさり、ジンの腕にしがみつく。




「ジ、ジン様っ……な、何か来ます……!」




その拍子に、アイリスの髪がふわりと揺れてジンの頬に触れた。


 柔らかい感触と、ほのかな香り。




(ちょ、ちょっと待て……近い……!)




【心拍数の異常上昇を検知】




「異常じゃねえ!! 正常だ!!」




そして地面を突き破って現れたのは――


 巨大な白い物体だった。




白くて、


 ぷるぷるしていて、


 太くて、


 傘が丸くて。




――エリンギだった。




「……は?」




「……え?」




「……え?」




三者三様の沈黙。




【農業イベントを開始します】




「なんでだよおおおおお!!」




アイリスは鍬を渡され、巨大エリンギに近づく。


「こ、これ……どうやって……?」




【説明:巨大エリンギは根元を叩くと収穫できます】




「そんな仕様あるか!!」




アイリスは鍬を振り上げた。


「えいっ!」




――ゴンッ!!




巨大エリンギがぷるんと震え、


 そのまま地面からスポンッと抜けた。




「きゃあああああ!!」




アイリスはエリンギに押し倒され、


 そのままジンの上に倒れ込んだ。




「うわっ!? あっ……!」




アイリスの顔が、ジンの胸のすぐ上にある。


 距離は、指一本分。




「ジ、ジン様……っ……す、すみません……!」




アイリスの息がジンの頬にかかる。


 ジンの心臓が跳ねる。




(ち、近い……! アイリスの瞳……こんなに綺麗だったのか……!)




【不純な心拍数上昇を検知】




「不純じゃねえ!! 純粋にドキドキしてるだけだ!!」




アイリスが慌てて起き上がろうとした拍子に、


 鎧の肩の隙間から白い肌がちらりと見えた。




「っ……!」




ジンの脳がショートしかける。




(やばい……! これは……!


 全年齢的にギリギリの……いや、ギリギリじゃない! セーフだ!)




アイリスは気づいていない。




「ジン様、本当に申し訳ありません……!


 わ、私……重くなかったですか……?」




「お、お前は軽い!! いや軽くはないけど軽い!!」




「どっちですか……?」




アイリスが首をかしげる。


 その仕草がまた可愛い。




【不浄な感情を検知】




「――悔い改めよ!!」




「お前が空気読めええええ!!」




アイリスは立ち上がると、


 なぜかジンの手をそっと握った。




「ジン様……あの……私……がんばりますから……」




「えっ……」




アイリスの手は温かくて、柔らかい。


 ジンは真っ赤になった。




(な、なんで手を……!?


 いや、嬉しいけど……!)




アイリスは自分が手を握っていることに気づいていない。




(……ジン様の手……あったかい……


 なんだろう……この感じ……)




【不浄な接触を検知】




「――悔い改めよ!!」




「だからお前が悔い改めろおおおお!!」




アイリスは驚いて手を離す。


「す、すみません!! 私……また……!」




「い、いや……いいんだ……!」




ジンは真っ赤になりながら言った。




(……アイリス……可愛すぎる……)




巨大エリンギはすべて収穫され、


 アイリスは汗だくで鎧を鳴らしながら立っていた。




「ジン様……私……もっと……がんばります……!」




その瞳は、なぜか潤んでいた。




(……なんで……こんなに……


 ジン様のために……がんばりたいんだろう……)




胸の奥が、じんわりと熱くなる。




【不浄な感情を検知】




「――悔い改めよ!!」




いきなり、厳格になるアイリスに(お前は何がしたいんだ!と突っ込みたくなるジンだが、これも倫理プロテクトがそうさせている事にイマイチ、ピンときていない)




こうして、触手イベントは農業イベントに変換され、


 ジンの夢はまたしても粉砕された。




しかし――


 アイリスの胸の奥には、


 確かに“恋の芽”が芽生え始めていた。


編集


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。