安心安全アパート①
数日後、僕達はアパートの前にいた。
あの師弟の感動の再開の後、僕はすぐに病院に担ぎ込まれ、変な機械や食べ物を食わされた。
そのおかげもあるのだろうか、肋骨はわずか一週間ほどで治った。怖かった。
その後、ジャスティスから正式に刑が免除され、公式には恩赦という形で釈放となった。
鉄格子越しに見る太陽よりも、よっぽどまぶしかったのを覚えている。
そして、ジャスティスはもう一つの恩赦をくれた。それがこれだ。
目の前には、コンクリートで構成された立派なアパートが立っていた。
ジャスティスの権力はものすごいと実感するとともに、少しばかり不安があった。
(このままじゃ、元の世界に帰れなくなるんじゃ?)
今、荷物を自分の部屋に入れ終えて、ふと、そんなことを思った。
実際、ここでの生活も。もう一か月ほどになるのだろうか。
ここまでばらけているものの、しっかりと日記を書いていたおかげか、日付感覚はあった。
〈ミドリ〉
「…いつ、帰れるんだろう?」
…ここでの生活は危険だ。
街を歩いているおじいちゃんやおばあちゃんでさえ、僕の肉体を粉々にする力があるとセレちゃんから教わった。
窓の外を見ると、すでに夕焼けが差し込み始めそうで涙が出てきた。
ここは、怖いところなのだ、いろんなことがあって忘れていた感情を取り戻し、また涙が出た。
〈ミーヤ〉
「…なんで泣いてるの?」
それを、窓の外、しかも上の階から身を乗り出してミーヤが見ていた。
残念ながら、彼女の問いかけも気づかないほどに、ミドリの精神状態は乱れていた。
彼女は、自分の部屋に戻っていった。寂し気な表情を顔に残しながら。
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気付けば、窓の外は夜になっていた。
目は腫れていたが、気持ちは先ほどよりも落ち着いていた。
しばらく立ちながら、窓の外を眺めていた。
…そういえば、今度花火大会に行く予定があった。
今現在は、行くことはかなわなそうなのだが、あっちの友達は、今頃何をしているのだろうか。
そう思うと、寂しさでまた涙が出てきそうだった。
ぐうぅ~
すっかり泣きつかれた僕の身体から音が鳴った。
少しずつ足を動かすことを意識しながら、ここに来る前に見たコンビニでも行こうか、という時だった。
部屋のインターホンが鳴った。




