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死神界探訪記 「偽」  作者: 土田 緑
見えない壁~大将戦~安心安全アパート~真夜中ポップ

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大将戦⑤


………


〈ミドリ〉

「…どっちも動かないんだけど」


〈シャル〉

「どうでもいいだろ、手伝って」


横たわる二人、息をしている。

あの時、市役所でやったことの応用で、二人を物体と認識して浮(・)か(・)せ(・)た(・)


〈シャル〉

「…まぁ、骨はいかれてるかもだけど、死神はこれぐらいすーぐ治る」


しかし、完全に成功というわけではない。

落下のエネルギーは、最後まで消えることはなく、彼らの体に残され続けた。

そこを無理やり浮かせたのだ、おそらくほとんどの骨がガラケーのようになっている。


〈シャル〉

「…ミドリの能力で運べば楽じゃない?」


シャルさんがあまりにうるさいので、僕はそうした。





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子供のころから、私は体が小さくて弱かった。

当然、同級生や先輩からはいじめの対象にされた。

そのようなことで私の才能は、そこで開花することになった。


ひたすら、ひたむきに努力、努力、努力。

私の身体はそれに比例して大きく大きくなっていった。

すっかりクラスのリーダーになった私だった。

その分、横暴も許されると当時は思っていた。今でも浅ましさに反吐が出る。


…あぁ、そうだ、彼女だ。

私の初恋の相手にして、私の生涯のライバル。

天武の才を持つ彼女には、努力をいくら積み重ねても勝てなかった。

…別に一位になりたいわけじゃない。彼女はそう言った。


私は、そこで彼女に救われた。

力を付けた結果、見失っていた方向を彼女はまばゆいほどの光を以て導いてくれた。

クラスのリーダーとして、あるべき道に手を引いてくれた。



「私より、ずっと強くなったらいいよ」


私の告白の返事を、彼女は今も覚えてくれているだろうか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〈ジャスティス〉

「…む?」


目を開ける。

ここは、天使の世界だろうか?


確か、死神はその生涯を終わらせると晴れて天使となり、素晴らしい生活が待っているといわれているらしいが。


それにしては天井の色に既視感がある。



〈ジャスティス〉

「ここは、天使の世界ではないのか?」


〈レーナ〉

「違います、死神界です、あなたは生きたんです」


横を見る。

学園を卒業して警備となって、初めて私を慕ってくれた弟子がそこにいた。

しかも何やら、眼から涙がこぼれているじゃないか。


〈ジャスティス〉

「大丈夫か? なんで泣いている? どこか怪我でも……」


〈レーナ〉

「…バカすぎじゃ…」


ーーー死地を乗り越えた再会は、主役が鈍感すぎたので失敗になった。













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