空想質量④
暗闇を歩く。
道には街灯だけが立っている。
まだ暗闇を歩く。
遠くで人が倒れる。
まだまだ暗闇を歩く。
ケルベロスが襲い掛かってくる。
腕を食いちぎられた。
まだまだまだ歩く。
先には、光が見えた。
いつもここで、目が覚める。
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目を開けると、黄色い天井があった。
ここはどこ? なんでこんなところに?
疑問を立てながら、体を動かそうとする。
瞬間、腹の当たりから激痛が走り、思わず声が出そうになった。
そこで、初めて周りを見た。
足に包帯を巻いてる人、手に包帯を巻いてる人、点滴につながれている人。
遠くには、バタバタしている医者のような人が大勢いた。
〈シャル〉
「お、起きた」
シャルさんが、こっちに歩いてくる。
そういえば、他の人はどこに行ったんだろう?
〈シャル〉
「留守番してろって言われてさ、僕以外は戦いに行ったよ」
〈ミドリ〉
「え? 大丈夫なんですか?」
〈シャル〉
「ま、あの人達、強いし」
ずいぶん適当だな。
でも、裏を返せばそれほど信用できるって事か。
〈シャル〉
「で、ちょっといいかな?」
〈ミドリ〉
「はい?」
〈シャル〉
「いま、動けたりする?」
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結界内は、まるで何事もなかったかのように静かだった。
そこらへんにネズミがいて、下水道に戻っていく。
水に浸されたアスファルトが、月の明かりを反射していて、綺麗だった。
〈ミーヤ〉
「ねぇぇ~ 別に私たちがいなくても何とかなるってぇ~」
…それと、文句を言うおチビさんが一人。
〈セレ〉
「聞いたことない? 戦いは「数」だよ?」ドヤッ
〈ミーヤ〉
「やめて、笑っちゃうからww」
はたから聞いていたら、FPS女子の会話に聞こえる。
〈ミーヤ〉
「そろそろ君も、話に混ざりなよ?」
〈セレ〉
「そうそう、見てるだけじゃつまんないでしょ?」
やーば、監視ばれてるじゃん。
モニターにはノイズが走る、おそらくカメラは破壊された。
「時間の問題かな?」
「……ねぇ、ここってさ、あの通りだよね?」
「うん、ちょっとアイツを当ててみるか?」
後ろにいた彼女はうなずいた、僕はマイクに手を伸ばす。
「ドールマー、そこの交差点を左、交戦して」
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〈ミドリ〉
「………」
〈シャル〉
「大丈夫か? 顔がすごい事になってるけど」
〈ミドリ〉
「……だいじょぶ。」
僕の状態は、ホントによくなかった。
片手は杖を突いて、もう片方はシャルさんが肩を貸してくれていた。
それで歩くのが精いっぱいだった。
〈ミドリ〉
「これ…どこ行ってるんですか?」
………沈黙?
〈ミドリ〉
「え?」
〈シャル〉
「着いたよ、そこにイスがあるから」
僕とシャルさんは、扉を開けて中に入る。
目の前には先ほど撃たれた男、ジャスティスが座っていた。
〈ジャスティス〉
「来たか、君に伝えなきゃいけないことがある」
「君の、能力についてだ」




