正義を纏う男①
一言で表すなら、サイバーパンクだった。
でも、どこか気持ち悪い雰囲気が漂っていた。
伝わらないかもだけど、AKIRAみたいな。
この町は、たぶん犯罪が起きている。
そんな気がした。
〈レーナ〉
「着いたよ~」
〈ミーヤ〉
「運転お疲れ~」
荷物を下ろして、僕らは歩き始めた。
〈ミーヤ〉
「あれ、こっからどこに行くの?」
〈レーナ〉
「この先に、警備たちの集合場所があるから、そこまで行くよ~」
路肩には、ゴミが散らばっている。
ふと上を見上げると、ネオンのまぶしい光が、隣のビルの窓に反射していた。
しかし、隣には寂れたマンションが建っている。
ふと疑問に思った。
ここって、何でこんなに発展してるんだろう?
道中の町は、ここまで発展してなかったのに。
〈シャル〉
「やっぱ不思議だよねぇ、ここだけすごく発展してるし」
〈ミドリ〉
「そうですよね、ここってなんでこんなに発展してるんです?」
〈???〉
「私から説明してあげよう!!!!」
…はい?
誰? この男誰?
シャルさんは?
あ、あっちに逃げてる。
〈???〉
「ここ、ソルド地区はな! 政府の協力によって作られた「実験都市」だ!!!」
〈ミドリ〉
「あの、あなたはだr」
〈???〉
「機械との共存を目指したが、大☆失☆敗!!!」
「今では、犯罪が蔓延る奇怪な都市となってしまったぁ!!」
気付けば、男は僕の肩に手を置き、涙を流していた。
他の人に助けを求めたが、みーんなそっぽ向いてた。
ちくしょう。
〈???〉
「だぁがぁ!!」
「君たちはこうやって、我々警備共を助けに来てくれた!」
「この世も、まだまだ捨てたもんじゃあないな!!」
男はグショグショになった顔をこちらに向けた。
うわ、めっちゃ抱きついてきた。
痛い痛い、むさ苦しい、臭くはない。
こんな図体で、自分の匂い気にしとんのかこいつ。
抱擁は、しばらく続いた。
〈レーナ〉
「…終わりましたか?」
〈???〉
「お!!! ノーミリーくんじゃないか!!」
男がレーナさんのほうに走っていった。
そのまま抱きつこうとしてたが、レーナさん躱した。
ドサぁぁ〜
ちょっと笑った。
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「…ん」
「入ってきたね。」
「…いちだい」
「キャンピングカーか、5人ぐらいかな?」
「…うん」
「私、ボスに報告してくるね」
「…ん」
彼女が部屋を後にする。
私は一人、ため息をついた。
正直、こんな事になるとは思わなかった。
最初はただの、歴史オタクサークルだったのに。
「禁忌」になんて触れるから、私たちはお尋ね者に
なってしまった。
今でも、皆が後悔している。
ボスは違うけど。
後ろの扉が開く。
「ミント、順調か?」
「…ボチボチですよ、ボス」
「そのボスってやめてくれよ、クロダでいいって」
「…は~い」
ボスもため息をついた。
最近ボスをからかうと、楽しい。
「さてと、行きますか」
「…面倒くさいな〜」
「俺もだよ」
二人で部屋を出た。
最近、ボスと一緒にいると心が跳ねるのはんなんでだろう。
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〈クロダ〉
「皆、揃ったかな?」
一同、頷いた。
「じゃあ、行動開始だ」
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大柄の男のズッコケから少し経ち、警備の集合場所に到着した。
もちろんあの大柄男も。
レーナさんに話を聞くと、
今、現地の警備に集合がかかっているらしい。
前の方には、マイクが置いてあった。
〈ミドリ〉
「あの、あれ誰なんです?」
〈レーナ〉
「…私の師匠だよ、ちょっと変わってるけど」
〈ミドリ〉
「大分でしょ」
〈レーナ〉
「名前…というか、この世界の皆はこう呼んでる」
気付けば、あの大柄の男が、マイクの前に立っていた。
「正義を纏う男、ゴー・ジャスティスってね」




