休憩時間②
コンコンコンと、扉をノックする音が聞こえる。
扉を開けて、先生が中に入ってきた。
「調子はどう?」
「まぁ、結構元気です」
「それは良かった」
手にはフルーツのかごを持っている。
しっかりお見舞いをしに来たな。
「あとどれぐらいで退院?」
「あと三日ぐらいです」
言い忘れていたが僕は、新型コロナの重症化によって、入院をしていた。
「まぁ、お大事にね。
そういえばあの本、読んでくれた?」
そうだ、先生があの本をくれたんだった。
「あの、何であの本を僕に?」
「あぁ、あの本、私の夫が制作に関わったらしいの」
目の前の先生、青田ユイは少し笑った。
「あぁ、今単身赴任中なんでしたっけ?」
「そうなのよ~、ずっと家一人だよ?」
その後、しばらく話した。
今の学校の事、成績の事、とにかくいろんな事だ。
日が落ちてきたあたりに、先生は帰っていった。
僕はあの小説に手を伸ばす。
先生の話によれば、コレは、先生の旦那さんと、この小説の著者が共同で書いたものらしい。
…やることもないので、僕は小説の続きを読む。
一人だと、普段の不満も出る。
その分、一人ぼっちはさみしいのだ。
でも絶対感想文は書かない。めんどいから。
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7月29日
今日はもういろいろとあって疲れた。
結局、脱走は失敗なのかな。
話を聞いたら、明日には、また別の警備署に収監されるらしい。
ここにきて、少し時間がたったが、今日が一番怖かった。
脳みそは、まだ理解が追いついてない。
セレちゃんは、確かに目の前で斬られた。
なのに、今では傷がなく、可愛いいびきをかいて寝ている。
ミーヤさんも、普段と変わらないテンションで話しかけてきた。
これが、死神たちの日常なのだろうか。
正直、まだ生きている事さえ不思議だと思い始めてきた。
とにかく、今日で目標が決まった。
「無事に、この死神界から逃げ出す」
ここで今日は終わり。
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