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死神界探訪記  作者: ミドリ
フィルド・ノーズ市役所〜即撃〜NIGHT飛行と夢

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NIGHT飛行と夢④

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私が捨て子と言われたのは、19のころだった。



皆に冷たくあしらわれたのも、

私だけ、皆と違う食事をしていたのも、

私の宝物が消えたのも、


家を出てから、あの事件が起きた。

私の過ごした街が、襲撃されたらしい。


興味本位で街があった所に戻ると、一人、子供が立っていた。


「あの、何してるんですか?」

「弔っているんです、友達を失ってしまって」


落ち着いた様子で話しだした、内心びっくりした。


後から分かったのだが、

子供の名前はチャット・クロノワールというらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私は、信じられない物を見た。


血まみれの女。

身体の斬り傷は、向こうの景色まで見える。

なのに、彼女は立ち上がる。


「いや、今頃立ち上がっても、何ができる?」

「…」

「そのまま、寝てたほうが幸せだったのに」


「…分からない事があったの」


 こいつ何言ってんだ?


「「私は何故生きているんだろう」って」


それよりも、傷が、塞がっていってないか?


「思えば、私の人生は、上手く行き過ぎだ」


彼女のきれいなおへそが見える。


「ようやく、分かった、私の能力」


私は斬撃を出そうとした、斬撃は出なかった。

もう一度やった、また斬撃は出なかった。


「ね、出ないでしょ?」


瞬間、私は蹴りを入れられた。

腹の辺りに衝撃が走り、地面にうずくまる。


私は、彼女を見上げる事しか出来なくなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


特別収容所(があった所)に戻った僕らは、変な光景を目にした。


…メチャメチャ談笑してる!?


気まずいって、何が起こってんの?

てか、セレちゃんの傷治ってね?


「あ、きたきた、ミドリくん!」

「シャルもこっち来て座りなよぉ〜」


「…これは、どういう状況?」

シャルさんも、状況理解に苦しんでいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この騒動は、一区切りが付いた。

警備署は半壊、恐らくは移転という形になる。

幸い、脱走捕縛システムは動いてくれた。

システムによって、脱走犯の9割ほどはすでに捕縛。

残り脱走者の居場所も探知済みだ。


私は、他の警備に脱走犯を任せ、

この施設に残った資料の確認をしていた。


「特別収容所収監者」のファイルを手に取る。


 ミーヤ・ヒロエンド


罪状 キトッパ村の襲撃 バルダ町の襲撃

   上記の二つの首謀者と断定。

刑罰 特別収容所へ収監、無期懲役。

刑罰責任  テラコスタッテ・タル



…やっぱりか。

テラコスタッテの捜査は、非常に煩雑だ。

しかし、裏工作が上手く、立件に至るケースが多い。


要するに、でっち上げのプロだ。


彼女の刑も、もう一度考え直すように働きかけよう。


私はそんな事を考えながら、ページをめくった。


 グラス・キャルロット


罪状 なし

刑罰 特別収容所にて「保管」

刑罰責任 ネモ・タイ


…保管って何?

そんな疑問を抱えたが、すぐに無駄と気付いた。

この刑罰責任者は、すでに死んでいる。


死人に口無し。理由なんて聞けないだろう。


私はファイルの確認を終え、カゴに入れた。

移転先に持っていくのはこれで全部だ。


その時、管理室に忘れ物をしたので取りに行った。


……この笑い声は何だろう?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


満天の星空。

僕たちが雑談を始めてから、結構な時間が流れた。

虫の鳴き声や、ホタルの光も見える。


「何…やってんの?」


後ろから、レーナさんの声が聞こえた。


「あ、レーナちゃんだぁ~、お疲れ様〜」

「誰のせいだと思ってんだコラァ」

「いてて、頭グリグリしないでよぉ〜」


警備の人と囚人達の雑談になった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いつの間にか寝ていたらしい。

外はまだ星空が広がっていて、ほかの皆は寝ている。


僕は瓦礫をどかし、埋もれていた日記を取り出した。

もちろんペンも。


せっかくだ、手を叩いて、どかした瓦礫に力を込めた。

僕はそれに乗る、瓦礫はゆっくりと浮き出した。


そして気がつけば、結構な高さまで来ていた。

遠くには、街の様な所が見える。

真正面には、満月が輝いていた。


夜の景色は好きだ。

夜の全ての事象が静かだからだ。

子供の時も、夜の景色を見てから寝ていた。


…知らぬ間に、涙が出ていた。

でも、安心できる。

不安も、期待も、僕の運命も、夜の帳は包み込む。

これまでも、これからもきっとずっとそうだ。


この夜の飛行は、きっと、いつまでも忘れない。


日記に書いた。







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