即撃④
人をよく観察する。
それが、僕の人生を変えた。
何に対しても、誰に対しても、平等に、公正に。
分け隔てない偏見を押し付ける。
それのお陰で、僕は色んな危険を避けてきた。
僕は、人によく嫌われた。
観察しているお陰で、振るわれた拳はあまり当たらなかったし、いじめも予想が出来た。
心は傷ついていった。
僕は、こうして生きてきた。
「大体、分かったよ」
警備の人がメモを取り終え、席をたった。
「じゃ、続きは明日の取り調べで。」
牢を出ていく直前、僕は彼女を呼び止めた。
「すいません、あの,,,,,ミーヤさんって」
「ああ、呼んでくるよ」
「ありがとうございます。」
牢屋は静かに閉まった。
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私は警備室に戻ってきた。
「おかえり〜」
「,,,,ただいま」
彼女は、今回の作戦のために警備室に泊まってもらっていた。
「結果は、どーなったのぉ?」
「,,,,守秘義務がありますので」
「あらま」
私は彼女を連れ、牢屋に戻っていった。
「そういえばぁ」
「はい?」
「あの子の名前、教えてよお」
それぐらい、いっか。
「アオタ・ミドリ」
「オッケー、ミドリちゃんね」
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まだ昼だ、出来事が多すぎて疲れた。
僕はもう一回、ベッドに座った。
,,,,結局、あんな事する必要あったかな?
一人きりの牢屋、僕はもう一回眠りについた。
しばらくして、叩き起こされた。
「おーい、昼ごはん食べちゃうぞぉ〜」
おそらく、本物のミーヤさんが起こしてくれた。
人と向かい合ってご飯を食べるなんていつぶりだろう。
私は少し、テンションが上がっていた。
「あんまりおいしくないでしょ?」
「まあ、そうですね…」
向かいのミドリ君は少ししょんぼりしていた。
このディストピア飯、私は慣れたけど、ちょっとかわいそうで笑える。
「昨日何してました?」
当然の質問が入ってきた。
「お風呂から帰ってきたあたりかな、警備の人に呼ばれて、警備室に行ったんだぁ」
「そしたらね、ここで今日泊まっていいって言われて」
「そんで、さっき戻ってきたの」
彼は納得してくれたようだ。
,,,,,,,,,意外とかわいいな、この子。
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私は防犯カメラを見つめる。
帰る直前、こっそり付けたものだ。
牢屋の二人は、昼ご飯を食べながら談笑をしている。
一方私は、モニターの前で腹を空かせていた。
いいなぁ~ 私も誰かとごはん食べたい。
と、思いながら私は、名簿を見つめた。
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アオタ・ミドリ
年齢 190歳前後
身長 170cm 体重 60kg
職業 人間
能力 ・他人に何らかの影響を及ぼす
・威力は、ケルベロスを貫くレベル(特別収容・上位)
・手を叩いて発動←麻痺や切断が有効かも
内容 人間によくみられる受け身な性格
学生時代、いじめ経験あり。能力に関係はなさそう?
今回の主犯、マグダ・レヴィンズのケルベロスを一発破壊。
別件、ロー・ニワヤマ低級官の証言により、存在が証明。
ルスト・セレナーデの関係を洗い出す。
能力解明後、生死問わず。
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やっぱ社会ってクソ。
こんな決断下すんだから。
上層部の愚痴を終え、私は昼休憩に入った。
休憩用のカフェテリアには、先輩がいた。
「こんにちは、隣いいですか?」
「いいよ」
二人とも、無言で食べ進める。
そこに楽しさはなかった。
「もう少し、お前ははっちゃけている奴だと思っていた」
彼女がしゃべりだした。
「いや、けっこう当たってますよ? 仕事のスイッチ入れてるだけで」
「まあ、根が真面目なんだろう、良いことだ」
ほめられるとちょっと恥ずかしいな,,,,,,
「で、どうだ、例の」
「あぁ~ まだ能力については、詳しいことはまだ…」
「直接接触でもか?」
「そうですね~」
「まぁ、少しは冷静なやつなのかな」
「,,,,やっぱりおかしいですよ、あの決定」
「ま、分からんでもない、異例中の異例だからな」
微妙な雰囲気が流れる。
「ともかくだ、明日の彼の取り調べ、頑張れよ」
先輩は食べきって、席を立った。
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「あの、何してるんです?」
「ん? 抱きついてるだけだよぉ」
僕は、ミーヤさんに抱き付かれていた。
まーた理由がない奴だよコレ。
「君の能力が知りたくなってねぇ~」
「,,,,あんま大っぴらに話すようなものじゃないと思いますけど、実際僕もわかってないですし」
「そっかぁ、むずかしいねぇ~」
まだ、体を離してくれない。
いつになったら終わるんだ?コレ。




