即撃③
私は、両親が好きだった。
私を育て、私を叱って、私を守ってくれる両親が。
いつか、両親に楽をさせたいと誓った。
母は私に愛をくれた。
母は優しい声で、そのまま抱きしめてくれる。
いつも「大丈夫?」と心配してくれた。
父は私に愛をくれた。
父も優しく私を抱きしめてくれた。
たまに、色んな友達を連れてきて、遊んでくれた。
内容は覚えて無いが、いつも頭がフワフワした。
そしてまた母に慰められるのだ。
私は幸せだった。
家にはいつも笑う両親がいた。
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なんで?
なんで襲われてる?
僕の掛け布団の中に、彼女はいる。
そして、何故か僕は服を着ていなかった。
,,,そういった行為自体は分かる。
だが、理由だけが分からなかった。
急いで引き剥がす。
獣の様な目が僕を睨んだ、抱きしめる力が強くなる。
引き剥がそうとする。
しっかり僕の体に引っ付いて離れない。
「何,,,,してるんですか?」
説得を試みる。
抱きしめる力によって、返事が成された。
結局根負けしたが、最低限の貞操は守った。
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「で。」
「ハイ」
「昨日のは一体?」
「スイマセン」
「そういう性癖?」
「イイエ」
朝からうるさい。
昨日来た新入りと、「即撃」が口論になっている。
,,昨日、大人の◯◯◯◯ごっこしてなかったか?
「いやぁ、誤解しないでほしい」
「何を」
「君に対して、そういった気はないよぉ」
信じれんて。
「また顔に出てるw」
「(#^ω^)」
手を叩く音が聞こえた。
その後、強い音が聞こえた。
壁にミーヤをくっつけた。まるで十字架のようだ。
「ごめんてぇぇ」
「(#^ω^)」
「ごめんなさい」
少しこのやり取りが続いた。
徐々に彼女が反省していったので、降ろしてあげた。
「それが、能力?」
「,,,そうらしいです。」
ふ~ん、と彼女は考えるように座った。
,,,なんかまだ反省してなさそう、もう一回やるか。
僕は手を叩いた。
その瞬間、彼女が急接近してきて、手を抑えられた。
「発動条件を、あまり人に見せないほうがいい」
「それは、弱点になる」
,,,いきなり雰囲気変わったな。
「昨日の話の続きをしようか」
能力には、絶対に発動条件がある。
それが分かりやすい人もいれば、
一生分からない人もいる。
つまり、発動条件に気づきさえすれば、誰だって能力が使えるというわけだ。
「,,,って事」
「ほえ~」
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「私はね、手を開いて、その方向に振ると発動するんだけどね。」
生きるの大変そうだなぁ。
「でもね、私は分かりやすい方だよ、能力判明のために人生を棒に振る人も多い。」
,,,,違和感を覚えた。
「しゃべり方、変わりましたね」
「,,,,バレた?」
彼女は、落ち着いた様子でこちらを見る。
いつからだろう、いつから変わっていたのだろう。
彼女はみるみる内に姿を変え、あの日の、僕を襲った死神に変わっていた。
「お風呂の時からかな、ずっと別人だったよ?」
「えぇ,,,」
彼女はベッドに腰掛けた。
「昨日はごめんね、君みたいなタイプは
ああでもしないと能力使わなそうだったから。」
僕は彼女を見つめる。
「君はそうやって、人を観察するように見るね。」
図星を突かれた。
「それは、どうしてかな?」
「ここには、防犯カメラはないよ。」




