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絶望の仮想世界  作者: ぷらずま
エピローグ
22/22

夏休み

----

「『そうして、』んっ……『里菜は莉奈の後を』あっ……『追うように自殺してしま』んんっ……『いました。』」

「…………」

「あっ、ヤバいヤバい、んんっ!」

「ねぇ」

「ああああっイっちゃうイっちゃう!ああああああああ!!」

「ねぇ!」

「ふぁ!?…………どうしたの莉奈」

「いやどうしたのじゃないでしょ……何してんの里菜ちゃん」

「何してんの、って……え、言わせる気?やだ……恥ずかしい……でも、莉奈がどうしても聞きたいっていうなら……」

「いや言わなくていいよ」

「聞いてよ!」

「……私まだ宿題終わってないんだから、手伝ってよ……」

「えーー。聞いてくれなきゃ手伝ってあげたくなくなってきたなぁー?」

イラッ。

と、いうわけで一区切りついたところで……。

私、黒川莉奈は夏休みの宿題に追われ、恐らく多分きっと親友である朱口里菜ちゃんを自宅に招き、宿題を手伝ってもらうはずだったんだけど……。

何故か彼女は謎の原稿を持ってきて。

「私の部屋に入るなり、その自分で書いた小説?を自分で音読し始めたんでしょ」

「……そうだね。他に言うことは?」

「無いけど。事が済んだなら教えて?教えてくれる気がないなら帰って?」

「分かったって。どこが分かんないの?」

「ここらへん」

「ここ?今日ずっとここやってない?数時間考えてるのに先進まないの?」

「誰かさんがずっと音読してずっと教えてって言ってるのに教えてくれないから進めなかったんだけど」

「自分で考えるってことを覚えようね、莉奈ちゃん」

「今すぐ追い出してあげてもいいんだよ」

「ごめんって」

……里菜ちゃんはとても頭が良いんだけど、かなりヤバめの性癖を持っているらしくて。

私も今日、彼女の音読を聞いてそれを痛感をしたんだけど……。

元々やばいと思ってたけどここまでだとは知らなかった。

「さっきの小説、いつ書いたの?」

「昨日1日で書いたよ」

「……ふーん」

「莉奈の事考えてたらなんか興奮してきちゃってさ……莉奈いないからどうしようかと考えてたら書き物しようと思いついてさ、いざ書いたら止まらなくなっちゃって」

「聞かなきゃよかったなぁ……」


「……で、こうすれば解けるでしょ」

「ほんとだ、ありがとう!」

「あたしにお礼のチューしてもいいんだよ」

「次はここなんだけど……」

「うっ……ふぅ…………」

「……そういえばさ」

「ん?」

「里菜ちゃんは、私のこと殺したいの?」

「いやいや、まさか……莉奈いなくなったらあたしが死ぬよ」

「じゃあ、なんであんな、私を殺しまくってたの?」

「フィクションだから……真に受けないで、莉奈」

「私のこと、腹パンとかしたいの?」

「……ちょっとはね」

「…………ふーん」

「あっそんな冷めた目で見ないで。あたしは莉奈が好きなだけなの。可愛い莉奈もみたいし、笑顔の莉奈もみたいし、泣き顔の莉奈もみたい。それだけだよ。腹パンすれば別の一面の莉奈も見れるかな……なんて」

「…………」

「そういう妄想してたらなんか発展しちゃって……めっちゃ殺してたけど、正直我ながら正気じゃないとは思ってた。書いてる時深夜テンションだったから許して」

「暴力振るったら許さないからね」

「分かってるよー、実際にしたいわけじゃないから。そういう妄想してると捗るってだけ」

「ふーん…………」

「さ、早く宿題終わらせちゃお。そして早く一緒にお風呂入ろう?んっふふふ」

「え?お風呂入るの?」

「え?入らないの?」

「いや、入るけど……里菜ちゃんとは一緒に入らないよ」

「なんで?」

「なんでって……逆になんで一緒に入る前提なの……」

「誰が家まで赴いて、宿題手伝ってあげてると思ってるのかな?んー?それ相応の対価は必要だと思うなー?」

「うっ……」

「はい交渉成立!ふふーんっふふへへ」

「気持ち悪い笑い方止めて……」

「さ!早く終わらせちゃおう!宿題を早く終わらせるに越したことはないからね!」

「そうだね…………まぁいいや」


-----------

と、いうわけでこれにてこの話は終わりになります。

ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

そして、最初から読んでくれていた方々、散々引き伸ばした挙句終わりを早め、満足のいく作品にできなかったものにしてしまい、本当に申し訳ありません……。


設定とか、よく分からないこととかありましたら、コメントにて。頭の中にあるものであればお教えします。


次の作品は書きたいと思っていますが、まだ設定を色々思いつくだけで形にはしていないので、投稿できそうであれば活動報告にて。上げない可能性のが高いです。

でも書きたい気持ちはあるので、かければいいなとは思っています。


この作品は僕の創作物として初めてのものなので、こういう形で完結となりましたけど、思い出のあるものとなりました。

これも少なからず読者の方がいてくれたからこそ、書き続けられたのだと思います。

繰り返しになりますが、読んでくださった方々、本当にありがとうございました…!

次はちゃんとしたものを上げられるように頑張りたいです。

本当にありがとうございました。

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