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魔術師の閉鎖試験  作者: あしべ
1章
12/35

始まりの街ーアカプルコー【7】

サブタイ変更しないとなぁー


すみません遅くなりました。

投稿です。



 置いていかれている事に気がついたジソウは即座に復活し、先を行く二人に慌てて追いついた。容赦が無い二人である。

 相良先導の元、商店通りから一本外れた通りをゆったりな速度で進む一行はお目当ての場所があった。その詳しい場所は相良がβテストをしていたという友人経由で教えてもらったという。


「まあ、行けば分かるさ。」


 そう言ってハハハと笑う相良は絶対にネタ晴らしはしないと経験上分かっていたジソウは「おーけい。期待しておくわ。」とだけ言うと追求をしなかったが、リミカはそんなことは知らないので見事に食いついていた。

 相良は相良で久しぶりに食いついてくれる人がいたことが嬉しかったようで、ジソウの考えと裏腹にヒントを出している。

 その様子を見てなんじゃいそらと苦笑しつつも、気を取り直したジソウは歩いている最中、投擲の熟練度上げに何かいい方法はないかと考える事にした。

 

「投擲、かー。」


 うーむ。と少し悩んだが、やはり投擲という事なので、初めは、適当に落ちている石を拾っては投げていた。しかし、何個か石を投げていると隣を歩く二人からの視線が痛いことに気がいた。

 「ですよねー。」と愛想笑いを返して、流石にその迷惑行為を止めることにした。

 さて、振り出しに戻った挙句、今度は人の迷惑にならないやり方にしなくてはいけないという条件も付いてしまったジソウは考える。


 そういえばと、熟練度がどうなったのかを確認してみようと気がついたのでしてみたが、投擲のレベル表示の隣にある熟練度バーが石を投げた回数の割りにほとんど溜まっていなかった。

 なのでやめて結果オーライとした。彼の切り替えのよさは人一倍でいいのである。

 それからは、ではどうしようかとそこら辺に落ちている石を拾っては転がしたり、足で蹴ったり、相良にぶつけてみたり(ぶつけた瞬間、ジソウはアイアンクローで体を持ち上げられるという稀有な経験を果たした)と、迷惑にならないように熟練度を上げる方法を探すべく試行錯誤をしてみた。

 その結果気がついたことが『ただ考えずに準じた行為をするのではなく、意志を持って石を投げることで熟練度は入る』ということだった。


 そう気がついてから、そういえばコリンクもそんなことを言っていたなと思い出し、やっぱりRPGとかゲームはと色んな人と話してこそだよなーと一人納得していたりした。

 そして、ジソウは熟練度と経験地レベル制の違いを理解すると同時に思った事は、技かスキルがあればもっと分かりやすいのにということだった。


 この世界ゲームには固有名詞を持った技といったものが現在魔法以外では確認されていない。アーツを採っても、よく他のゲームであるような何とか切りや何とかスラッシュのようなものは確認されていない。

 だがしかし、それに近い現象(剣を振ったら軌道に赤い線が出たなど)が起きているのを確認出来たという事例があるため、どうしても探す事を諦められない者たちが居るのだ。

 やはり、光耀くエフェクトを撒き散らして高速の剣戟を繰り出したり、攻撃を当てて爆発させたり、掌から衝撃波を飛ばしたりしてみたいと考える人は多い。


 公式からはその点について完全黙秘なので、裏を返せばあるはずだと希望を持つものは探求を続ける。

 ジソウもそういった技に憧れる一人ではあったが背に腹は変えられない。とりあえず現行見つからないものに不満を募るのも無駄だと割り切り、精神的に疲れるが有効な手段が見つかったので、ならばと一見すればただの下手くそなお手玉遊びだが、本人からしたら真剣な熟練度上げに勤しむことにした。

 

「……相良さん。アレ、いい加減注目集めてしまっていて恥ずかしいんで止めてくださいよー。」

「……しかし、さっきまでの石投げはともかく、今のは迷惑かからないからな。それよりも気になるのは、お手玉もといジャグリングはあいつ得意だったと思うんだがなぜあんなに下手になっているのか。」

「……あ、落としましたね。本当にあれで上手いんですか?」

「……そのはずなんだが。あいつなりに何か試しているのか?」

「そうですか。うー、でも私たちが恥ずかしいですね。」

「集中すると気がつかないんだアイツは。」

「なるほど。」


 相良とリミカがジソウのお手玉を見てそう話していると、急にジソウは「おっ。」と声を上げお手玉を止めた。

 そして、ウインドウを開いて操作をし始めたかと思うとなにやら頷いた。


「やーやー君達。また称号ゲットしましたぞ。」

「「はい?」」


 一瞬何を言っているか分からない二人だったが、何の事かを理解すると身を乗り出して彼のウインドウを覗き込む。


「待て待て待て。開示してないから見えねーって。」


 二人の勢いに圧されたジソウだが体を反りつつメニューを操作する。


「はい、おっけ。」


 操作をしたジソウがそういうと、リミカと相良の目にもステータス画面が見えるようになった。覗き込むと称号の枠がオープンされており、【星の探索者】【死線を越えし者】の下にもう一つ増えていた。


【駆け出しジャグラー】

『あなたは皆の人気者。身近なものを使ってレッツジャグリング! まだまだ駆け出しだけど未来のあなたはどんなあなた? 規定回数のジャグリング行為により獲得。』

効果・筋力微上昇、器用さ微上昇


「……駆け出しですか。」

「駆け出しだってね。」

「……次、ありますよね。」

「次、あるねぇ。」


 リミカとジソウはお互い見つめあって微笑みながら言う。


「何だ、そのやり取りは。ところで、称号が死線と並列しているが、これも一緒に効果が出ているのか?」

「確認済み。まさに、そのとーりだよ。」


 相良にジソウは笑顔でサムズアップを返す。

 ちなみに称号は自由に付け外しが出来て、称号をダブルタップして付け外しの是非に答えればよかった。また、一度に付けられる最大数は三つまでであるようだ。


「どんどん器用貧乏になっていきますねー。」

「だーれが貧乏じゃ。誰が。」

「リミカ、意味間違っているぞ?」

「わ、分かってて言ったんですよっ!」


 もー、と頬を膨らませる彼女にけらけら笑うジソウとニヤリとする相良。

 リミカのボケを潰しにいく年上の男二人というなんとも大人気ない構図である。

 それに一矢報いようと、「お二人とも、真逆みたいで実はすっごく似てますよね!」といってみるが、二人は顔を見合わせては「じゃなきゃ友人やってないよな。」「やれないよな。」と冷静に返されてしまうのであった。


 その後も、ジャグリングを再開するジソウがいたり、あーだこーだと話しながら歩く三人。

 しかし、相良となんでもないように振舞って雑談に興じるリミカは内心、嬉しさでいっぱいだった。 次々新しいことをしでかしてくれるジソウという人に期待し、どっしりと構える相良に安心感を得られた。

 初めに出会えたのがこの二人でよかった。これから何が起こるのだろうかとわくわくしっぱなしである。





宗二「おばあちゃんに仕込まれたお手玉。最大7個で出来ます。」

相良「あの手の動きはもはやお手玉じゃない。気持ち悪い。」

宗二「おい、おばあちゃんに謝れ!」

相良「そういや、お前の祖母、清美さん、あの人も八個とかでやってたよう      な……。」


清美「一体いつからお手玉を教わっているなどと錯覚していた?」


相良・宗二「なん……だと?」



りみか「ジソウさん、おばあちゃんっこだったんですねぇー。」

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