人魔大戦勃発です!
「次は誰だ」
……。
「ではこちらから声をかけるとするか。魔物の王よ。」
スクリーンに以前王城の間でも見た魔族の女性が映ります。長い黒髪で頭からは二本の羊のような角を持ち、背中からは蝙蝠のような羽が生え、ヘビのような尻尾がある綺麗な顔をした女性です。
「勝手に私の顔を映すな!」
手で顔を隠します。恥ずかしがり屋さんなのでしょうか?
「王の前ではプライバシーはないと思え!」
「「「「「「「鬼畜!鬼畜!鬼畜!」」」」」」」
「ええい煩い!我は映すぞ!」
「全世界に我の顔を晒すなど恥を知れ!」
「「「「「「「美人!美人!美人!」」」」」」」
「嫁に欲しいぞー!」
「魔族萌えー!」
「「「角!角!角!」」」
「「「翼!翼!翼!」」」
「「「尻尾!尻尾!尻尾!」」」
「綺麗な顔をしておるではないか」
「「「「「「「たらし!たらし!たらし!」」」」」」」
「我は人族には屈さぬ!」
「「「「「「「ヤマダは魔族!魔族!魔族!」」」」」」」
「「「「「「「ヤマダは人族!人族!人族!」」」」」」」
「「「「「「「魔王!魔王!魔王!」」」」」」」
「「「「「「「覇王!覇王!覇王!」」」」」」」
「聞け!億千万の同胞たちよ!この世界では魔石を体内に有しているものが魔物!その中で高度な知能を持っているものが魔族らしい!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「なつかしいいいいいいいいいい!」
「古き良き時代だ、泣けるううううううう!」
「「「「「「「仲間!仲間!仲間!」」」」」」」
「聞け!億千万の魔族の同胞たちよ!この世界では魔族は魔物であると蔑まれている!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「「「「「「「同胞!同胞!同胞!」」」」」」」
「聞け!億千万の魔族の同胞たちよ!こいつらは国土の半分を自力で奪い取ったぞ!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「よくやったああああああああああ!」
「魔族ばんざーーーーーーーーーい!」
「くそおおおおおおおヤマダが来ちまったああああああああああ!」
「「「「「「「盟友!盟友!盟友!」」」」」」」
「この世界に来たいか!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「この娘を守りたいか!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「魔族を勝たせたいか!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「「「「「「「魔王!魔王!魔王!」」」」」」」
「この世界の魔王よ!我に下るか!」
「「「「「「「否!否!否!」」」」」」」
「「「「「「「下れ!下れ!下れ!」」」」」」」
「下らぬ!人族に召喚された勇者などに恐るるに足らん!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」」
「よく言ったああああああああああああああ!」
「俺様が行くぞ!待っておれ!」
「古き良きじだああああああああああああああああい!」
「「「「「「「魔王様!魔王様!魔王様!」」」」」」」
「その意気やよし!億千万の魔族の同胞たちよ!来たい奴は天に手をかざせ!強い奴からだ!強い奴から百人ぶっこ抜いてやる!歌え!」
「「「「「「「魔族はいつも少数だ!」」」」」」」
「「「「「「「弱い奴ほど群れたがる!」」」」」」」
「「「「「「「俺らは強い!俺らは強い!」」」」」」」
「「「「「「「人族なんて糞喰らえ!」」」」」」」
「「「「「「「俺らは強い!俺らは強い!」」」」」」」
「「「「「「「いつか魔族の世界を作る!」」」」」」」
「「「「「「「奪え!奪え!」」」」」」」
「「「「「「「喰らえ!喰らえ!」」」」」」」
「「「「「「「魔王様の世界を作る!」」」」」」」
「「「「「「「我ら古魔王軍!」」」」」」」
<<アブソリュート・アーミィ>>
「「「「「「「うおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「誰行った?」
「誰だ誰だ?」
「ギラル行ったあああああああああああああああああ!」
「ザッフラルもいるぞおおおおおおおおおおおおおお!」
「ランドルフ様来たあああああああああああああああ!キャーーーーーーーーーー!」
「マジモンの古魔王軍来たああああああああああああああ!」
「「「「「「「魔王!魔王!魔王!」」」」」」」
大歓声です。
「無理無理無理!今いるメンバーじゃ足らないよ!」
「死にたくねえええええええええええええええ!」
「だまされたああああああああああああ!」
「この糞魔王があああああああああああああ!」
勇者様が召喚した空にいる大軍勢から阿鼻叫喚の声がします。
「「「「「「「貧弱!貧弱!貧弱!」」」」」」」
「「「「「「「代われ!代われ!代われ!」」」」」」」
魔王の元に新たに魔族が増えました。今召喚された人達のようです。その内の一人が魔王の前で膝を折ります。
「魔王様、先帝大公ギラル以下精鋭百名、貴下の配下になるべく幾億年の苦渋の歳月を乗り越え今ここに馳せ参じました。どうか貴女様の配下として仕える名誉をお許しください。どうか!我らの手をお取りください!」
「「「我らの手を!」」」
「貴様らはあの勇者に召喚されたのだろう。ならば敵ではないのか!?」
「奴は元我らが魔王。仕え共に魔族の世界を作り上げし同胞。しかし、奴は平和に心を売った。ピースメイカーなどという愚物になれ下がった!人は殺す!喰らう!それが出来ぬ奴に我らの王たる資格なし!我らは仕えし主を探す亡霊。共に魔族の世界を作らんとする同士に味方するものなり。さあお手を!我らの魔王様となってください」
「「「なってください!」」」
「「「「「「「泣ける!泣ける!泣ける!」」」」」」」
「なってやってくれええええええええええ!」
「イヤーーーーーーならないでーーーーーーーーー!」
「「「「「「「なれ!なれ!なれ!」」」」」」」
「「「「「「「やめろ!やめろ!やめろ!」」」」」」」
「勇者共に目に物見せてやりましょうぞ!」
「裏切ったら殺す。いいな!」
「「「はっ有難き幸せ!」」」
「発言をお許しください魔王様」
灰色の髪をしたローブ姿の男性が魔王の前にかしずきます。
「よい、許可する」
「有難き幸せ、我が名は参謀長官ザッフエルと申します。作戦がございます。よろしいでしょうか?」
「待て、このままでは奴らに作戦が筒抜けになるのではないか?」
「構いませぬ」
「そうか、では申してみよ」
「上空で密集しすぎで上手く動けない今が好機。ギラル大公をこの場に残し、残り九十九名全軍にて奴らを殲滅しに参ります」
「来んなああああああああああああああ!」
「無理いいいいいいいいいいいいいいい!」
「いいぞ、やっちまえ!」
「「「「「「「ザッフエル!ザッフエル!ザッフエル!」」」」」」」
「一億の軍勢野に放たれれば脅威となりましょうが鳥かごの中ならば殲滅は容易、ご許可を」
「九十九名であの軍勢を倒せると?」
「御覧に入れましょう」
不敵に笑います。
「その自身気に入った!見事成してみよ!」
「「「はっ!」」」
「ど、どうすんだよ」
「古魔王軍とか勝てるわけねえだろ」
「ヤマダ誰かこっちにも召喚してくれよ」
上空の一億の軍勢が動揺しているのが分かります。
「ははははは、よいではないか!召喚に応じし同胞たちよ!貴様らの磨いた武を魅せるときぞ!貴様らに古より研鑽を積みし魔王軍と戦ったという誉をくれてやろう!」
「ちょっと嬉しいぞ馬鹿野郎!」
「そんなんじゃ燃えないんだからね!」
「死なないよね、死なないよね、今回死んでも大丈夫なやつだよね、大丈夫って言ってえええ!」
「聞け!召喚に応じし同胞たちよ!百秒だ!百秒くれてやる!百秒で片を付けよ!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「よっしゃあああああああああああ!」
「よしっ死なない大丈夫なやつ!かかってこいやー!」
「「「「「「「王!王!王!」」」」」」」
「聞け!召喚に応じし同胞たちよ!空を駆ける自由をくれてやろう!」
<<ラン・イン・ザ・スカイ>>
上空に佇んでいた人達が空に舞い上がっていきます。空を覆う人の板だったのが今では空を埋め尽くす人の群れです。一つの液体のように蠢いています。
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「かかってこいや魔族!」
「ここが俺の晴れ舞台だ!」
「古魔王軍何するものぞ!」
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
ザッフエルさんが魔王に告げます。
「では魔王様行って参ります。死しても心はここにあり貴女様の側に」
「わかった死ぬなとは言わん、勝ってみせよ!」
「「「はっ!」」」
魔族達の下に魔法陣が浮かびます。一人一人と魔法陣に沈んでいきます。上空に横一列で九十九名の魔族が現れました。スクリーンに映ります。その内の一人、金髪で清潭な顔立ちの魔族が前に出ます。
「「「「「「ランドルフ様ああああああああ!」」」」」」
「我が名は騎士長ランドルフ、人族に与する愚かな愚物共よ!我らの前に立ちふさがったことを後悔するがよい!我が剣を捧げるは魔王様に!」
「「「魔王様に!」」」
「名乗りを上げよ人族!」
ザワザワザワ。
「誰行く?誰行く?」
「ヤマダか?」
スクリーンに胡坐で宙に浮かぶ赤髪につり目のこちらも負けじと清潭な顔立ちの男性が映ります。
「何?俺なわけ?」
男性は自分を指さしめんどくさそうな声を発しました。
「グレンだあああああああああああああああ!」
「グレンいたのかよおおおおおおおおおお!」
「「「「「「「グレン!グレン!グレン!」」」」」」」
「まじかよヤマダ、今日はオフなのに」
「誰ですか?」
「元勇者でヤマダの仲間でござる。勇者時代、グレン、ヤマダ、スドウの三人衆は『風来坊』というパーティを組んでいて、成し遂げた偉業は数知れず、今や伝説となっているでござる!グレン殿は今や世界を股に掛ける冒険者連盟の理事長を務められている特S級冒険者でござる!」
「しゃーねえな、我が名はグレン!今日の俺はただのグレンだ!皆よ聞け!祭りだ!死んで死んで死にまくれ!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「すごい人なんですね」
「すごいどころではござらんよ!最近は新しく仲間になったメンバーばかりに見せ場を作っていたヤマダが珍しいでござる。グレン殿の登場回など数える程しかないのでござるよ!」
「僕もいるよ」
スクリーンに美しく整った顔の白髪の男性が映ります。
「「「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーー!」」」」」」」
「スドウでござるうううううううううううう!」
「「「「「「「スドウ様!スドウ様!スドウ様!」」」」」」」
黄色い声援が立ち上ります。
「神回でござる!神回でござるよ!『風来坊』がそろい踏みでござる!」
「そうなんですね」
「ああ新規さんにはこの感動が伝わらないのがもどかしいでござるうううう!」
ござるさんが興奮しています。
「なんだお前も来てたの?」
グレンさんが話しかけます。
「そうなんだよね。ヤマダに面白い世界があるって言われてさ」
「お前も?俺も珍しくヤマダが誘うから来たんだけど、この世界何が面白いんだ?色々とレトロで泣けてくるのはあるけど……」
「何?グレンまだ気づいてないの?」
「まだ言うな!」
スドウさんすごいニヤニヤしてます。
「しょーがないなあ、じゃあ後でね。それで戦争はどうする?」
「ハンサム魔族は俺がぼこすわ」
「そ、じゃあ僕は魔王の側に控えてるギラルやろうかな」
「いんじゃね?それで。聞いたな野郎共!他はてめえらにくれてやる!死んで死んで死にまくって勝ちやがれ!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「聞け!名もなきこの世界の住民たちよ!これより戦争を開始する!好きな方を応援するがよい!」
もちろん、人族を応援します!がんばれー!
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
<<ワン・ハンドレッド>>
上空に数字が浮かび上がります。100と書いてあるようです。
「同胞たちよ!戦え!この世界に本物の戦いを見せてやれ!スタートだ!」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
空の数字がカチカチという音と共に99、98と減っていきます。
「さてハンサム魔族やろうか」
「勇者グレン相手に取って不足なし!」
グレンさんとランドルフが向かい合います。
「百秒しかないからね、さっさとやろう」
いつの間に移動したのかスドウさんが魔王城のギラルさんの前にいます。
「勇者スドウか忌々しい。我らの覇道の前に朽ち果てるがよい!」
戦いが始まります。各所での戦いが様々なスクリーンで映りだされます。どれを観るか悩みます。多くの画面で魔族が魔法を放ち近づかせないようにしますが、人の群れが襲います。スクリーンではなく空を見上げます。一人の魔族の周囲に人族の戦士が取り囲んでいます。
「魔王様ばんざーーーーーーーい!」
ドガーン。
閃光と共に大きな爆発音がしました。取り囲まれた魔族が爆発したようです。爆発で周囲にいた人達が木端微塵に吹き飛びます。夥しい血と臓物が空から降ってきます。
「嫌ああああああああああ!」
「おええええええええええええ!」
液体が頬を伝います。拭うと真っ赤な血でした。私も気持ち悪くなってきました。スクリーンには剣を持った魔族と思われる青年が次々と人々を切り刻んでいくところが映っています。他のスクリーンには魔族による大魔法でまとめて焼き払われる人々が。しかし、時が立つにつれ魔族の方が人の波に押されて劣勢になっていきます。
「魔王様に栄光あれ!」
魔族の人が一人また一人と倒されていきます。一人を前に無数の人の群れが襲いかかっています。多勢に無勢です。
「魔族がんばれええええええええええ!」
「おい、何魔族応援してんだよ」
「だってなんか卑怯じゃねえかあんな人数で寄ってたかって」
「そうだけど相手は魔族だろ」
「俺も魔族応援するわ、魔族がんばれえええええ!」
「名もなきこの世界の住民たちよ!聞け!見ろ!そして感じろ!これが戦争だ!これが人魔大戦だ!」
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
「「「「「「「魔族!魔族!魔族!」」」」」」」
「名もなきこの世界の住民たちよ!双の眼でとくと見よ!これが勇者の戦いだ!」
グレンさんとスドウさんの戦いの様子を映すスクリーンが大きくなります。ロングソードを鋭く振り襲いかかるランドルフさんをグレンさんは拳で弾いていきます。
「おらおら、なかなかやるじゃねえか、速度上げるぞ」
「負けません!」
剣と拳がぶつかり合う衝撃で周りの雲がかき消えていきます。
「「「「「「「グレン!グレン!グレン!」」」」」」」
「「「「「「「ランドルフ!ランドルフ!ランドルフ!」」」」」」」
グレンさんの方が、余裕があるように見えます。スドウさんの画面を見ます。ギラルさんが魔法を放つ瞬間でした。魔王城の上階が消し飛びました。スドウさんは大丈夫でしょうか?
「いいね、ギラルまた一段と強くなったんじゃないかな?」
スドウさんは無傷で白銀に煌くロングソードを肩に掛け佇んでいました。
「この化け物がぁつ」
「ギラルさあ、もういいんじゃないかな?もう平和な世界で生きようよ。魔族の世界はヤマダと一緒に作ったでしょ」
「足らん!我らは全ての世界を魔族の世界とするのだ!」
「それは無理じゃないかな」
「うるさい!魔王様と築くのだ!我らが夢みる魔国を!」
「なら挫くかな。僕はヤマダと違って勇者だからね。厳しいよ」
「ほざけ!」
ギラルさんの体が膨れ上がり服がはじけ飛びます。頭から牛のような角が生え体がムッキムキになりました。禍々しい棍棒が現れ手に取ります。
「ふんがああああああああああ」
雄雄しい叫びを上げ棍棒を振り回しますが、スドウさんは肩にロングロードをかけたままヒラリヒラリとかわします。空を切った棍棒の威力で魔王城がズタズタになっていきます。慌てた魔王の配下と思われる魔族が次々に逃げて行きます。
「当たりさえすればああああああああ」
「嫌だよ、僕DEX重視なんだよ、そういうのはグレン担当ね」
「「「「「「「スドウ様!スドウ様!スドウ様!」」」」」」」
「「「「「「「ギラル!ギラル!ギラル!」」」」」」」
世界各地で血と臓物の雨が降りしきります。屋内に退避するもの、唖然と空を見つめるもの、興奮と熱気に当てられ叫び続けるもの、様々な人達がスクリーンに映し出されています。
「くらえええええええええええ!」
参謀長官ザッフラルの放つ黒炎を纏った大魔法で人の海に穴ができます。
「また何万という命が、おお神よ彼らを救い給え」
聖堂にて祈るシスターの姿が映し出されます。
「勇者様がんばれー!」
小さな少年が叫びます。
「いいね、ヤマダとの仕事はこれがあるからいいよね。テンション上がる」
「だな」
勇者が声援に応えます。
カウントは30を切りました。上空にいた人族の戦士は半数に魔族は五人に満たない数になっています。
「囲めえザッフエルを潰せええええええええええ」
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「魔王様に勝利をおおおおおおおお!」
ザッフエルさんが自爆しました。空を覆い尽くす大爆発です。爆風がこちらまで届いてきました。ぽつぽつと生き残っている人がいますが、ほぼ全ての人を飲み込み消滅していきました。
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」
「「「「「「「ザッフエル!ザッフエル!ザッフエル!」」」」」」」
スクリーンの向こう側の魔族の人達の熱狂が凄いです。生き残った人がまだ生き残っている魔族四人の元へそれぞれ向います。
「その首もらったああああああああ」
手に魔法で作られた光の剣を握った人族の戦士が次々と魔族の首を刎ねていきます。
「トットランド世界第二惑星エメラルド国騎士団長ヒリュウだ。全世界よ覚えておけ!」
「「「「「「「ヒリュウ!ヒリュウ!ヒリュウ!」」」」」」」
カウントが10になります。グレンさんとランドルフさんの戦いの画面が大きくなります。
「じゃあ本気でいくぞ」
グレンさんに向かい合うランドルフさんの顔はぼこぼこで見る影もありません。
「「「「「「「ブー!ブー!ブー!」」」」」」」
「グレン最低ええええええ!」
「死ねグレン!」
「うるせえ女どもよくやったグレン!」
「「「「「「「グレン!グレン!グレン!」」」」」」」
「まだだまだ、我が剣は折れていない……」
「終わりだ」
グレンさんがランドルフさんの顔面を殴り抜きます!高速で吹っ飛んで行ったランドルフさんの体が衝撃に耐えきれず空中で消滅してしまいました。
「じゃあぼちぼちこっちも決着つけようか」
スドウさんの画面が大きくなります。
「チェックメイト」
ギラルさん胸から剣が生えます。いつの間にか回り込んだスドウさんが剣を刺したようです。魔王が声をかけます。
「ギラル!」
「ごふぁっ、大丈夫です魔王様。三つある心臓の一つを潰されただけ我はまだ……」
「チェックメイトって言ったよ」
ギラルさんの体が燃え上がります。
「ぎゃああああああああああああ!」
「ギラルッ!」
「魔王様我らはいつも側に……」
燃え付きました。
「貴様ッ!」
「あっと君の相手は僕じゃないかな、たぶんヤマダがすると思うよ。じゃあね」
スドウさんが転移してグレンさんの隣に並びます。グレンさんが拳を掲げて叫びます!
「お前ら人族の勝ちだ!勝鬨を上げろ!」
「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」
人族の勝ちです!
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
数えきれない程いた人族の戦士達もいまや千人程度でしょうか。魔族百名に対して失った数が多すぎます。複雑です。
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
バルコニーに集まった民たちも人族コールに参加しています。全世界に勇者様の声が響きます。
「3…2…1…0だ。此度の人魔大戦、勝者は人族だった。名もなきこの世界の民たちよ、どうであったこの宴は?」
「「「人族!人族!人族!」」」
「そうか盛り上がったか、心を痛めたものもいるか、魔族を応援し悲しみにくれているものもいるか、よい覚えておけそれが戦争だ。だが此度は宴だ、盛大なる宴である!ゆえに!」
<<リバース・ワン・ハンドレッド>>
「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」」
「生き返ったぞおおおおおおおおおお!」
「生きてるって素晴らしいいいいいい!」
「「「「「「「ピースメイ!ピースメイ!ピースメイ!」」」」」」」
「元通りだ」
勇者様が魔法を唱えると上空にまた人の群れが現れました。魔王城を映すスクリーンには戦いの後はなく元の広間が映っており、百名の魔族たちが立ち並びます。まき散らかされた臓物や血の後は跡形もなく、全てが元の状態に戻っています。どういうことでしょう。
「「「「「「「ピースメイ!ピースメイ!ピースメイ!」」」」」」」
「どういうことですか?」
「これはねヤマダの得意魔法なのよ、カウント前の状態に戻すっていうね。でも記憶は受け継がれるから死んだ人は死んだことを覚えているんだけどね」
「ぶっちゃけ、茶番だな」
「茶番じゃないでござる!戦ったものの勇士は本物。戦いの記憶は真実。ただ平和な結末が訪れただけでござる!」
「賛否両論なのよねこれ、貴女はどう感じた?」
「私は……」
「聞け!億万の同胞たちよ!此度の勝者を称えよ!」
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
「いい戦いだったぞおおおおおおおおおおお!」
「燃えたああああああああああああ!」
「あんた映ってたわよ!」
「ヒリュウ覚えたぞおおおおおおお!」
「グレン最高おおおおおおおおお!」
「スドウ様素敵いいいいいい!」
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
「聞け!億万の同胞たちよ!此度の敗者を称えよ!」
「「「「「「「魔族!魔族!魔族!」」」」」」」
「九割喰らったあああああああああ!」
「ナイスファイトおおおおおおおお!」
「父ちゃんカッコ良かったああああああ!」
「ザッフラル良かったぞおおおおおおおおお!」
「ランドルフ様あああああああああ!」
「ギラル燻し銀!今回は相手が悪かった!」
「「「「「「「魔族!魔族!魔族!」」」」」」」
「名もなきこの世界の住民たちよ!称えよ!此度の宴を盛り上げた勇士たちを!」
「すごかったぞおおおおおおおおお!」
「勇者様かっこよかった!」
「生き返ってよかったわ!」
「どうなるかヒヤヒヤしたぜ!」
「魔族も少数でよくやった!」
「ザッフラルすごかったぞ!」
「「「「「「「人族!人族!人族!」」」」」」」
「「「「「「「魔族!魔族!魔族!」」」」」」」
「億千万の同胞よ、名もなきこの世界の住民たちよ、彼らを称えて拍手せよ!」
ワアアアアアアアアアアアア。
「さて魔物の王よ、下る気にはなったかな?」




