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勇者召喚で来てくれたのは、ピースメイカーさんでした!  作者: 夕暮れの家


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調印式が行われます。そしてお披露目です。

 謁見の間から玉座を排して、一つのテーブルと二対の椅子を置き、勇者様とお父様がそれぞれ座り調印式が行われます。入場や着座順など勇者様を上位に執り行われました。勇者様には事前に手順を説明し同意をいただいております。


「ではまずファングレス国王よ。サインと押印を」


「うむ」


 お父様が契約書にサインをします。


「続きまして勇者様、サインと押印を」


「はい」


 勇者様がサインをします。


「双方交換の上確認を」


 両者の紙が従者を介して交換されます。


「「問題ありません(ない)」」


 両者の同意が成されました。


「これにて契約の締結はなされた。双方契約に基づき、ごほん、ファングレス王国は契約に基づき行動するように。神は見ておられます」


 ピースメイカーは契約に縛られないということを考慮して台詞を変更して貰っています。見届け人のアーガレスト教会教皇様進行の元、調印式は恙無く終わりました。お披露目パレードのため来日していた教皇様に急なお願いをしてしまいました。


「契約が締結されましたので、これより正式にこちらの様子が全世界に公開されますのでご注意の程よろしくお願いします」


 勇者様が宣言されます。お父様が決め顔になっています。


「では続きまして契約に基づき前金の授与を執り行いたいと思います」


 グッド宰相の司会の元始まりました。玉座から褒美を取らす形式でやるとお父様は言いましたが皆で止めました。勇者様の不評を買うわけにはいきません。


 先ほどの会議形式の状態のまま進行を勧めます。お父様のところへ従者が銅貨を運びます。お父様がそれを掴み、空に掲げます。磨きに磨いた銅貨がキラリと光ります。音楽隊の演奏が始まりました。厳かな演奏の中お父様が勇者様に語りかけます。


「今、我が国ファングレスは、魔族の国、魔国による侵攻を受けている。非道な魔族の毒牙にかかり大陸北部の国々は滅び去った。この大陸に多くの民の血が流れている。我は悲しい。我らは願ったこの混沌なる戦乱の世を終えられる勇者が現れんことを!我が国の叡智をもって、勇者召喚の儀は見事執り行われた!我らの前に勇者が舞い降りた!混迷を極める混沌の時代は今終わる!民が悲しむ世界はもう終わる!」


 両手を広げ高々と宣言していたお父様が一歩踏み出し、勇者様の目を見ます。


「勇者よ!世界を頼んだぞ!」


 銅貨がお父様の手より勇者様へ直接手渡されます。勇者様は直立のまま、その銅貨を受け取ります。


「確かに前金の銅貨一枚受け取りました」


 勇者様の爽やかな声が響きます。拍手が会場を包みます。勇者様が銅貨を天に掲げました。銅貨が勇者様の手を離れ天に昇っていきます。銅貨は徐々に金の粒になって消えてしまいました。


「「「うおおおおおおおっ!」」」


 綺麗です。


「ではこれより本格的に業務に取りかかります」


 音楽隊が奏でる音楽が戦歌に切り替わります。


「まずは皆さんバルコニーにお越しください。就任挨拶を行います」


 バルコニーで行うということは聞いていましたので、国民へ周知しバルコニー前へ集まるようにいっています。ですが、これから何が起こるのかは、私たちは何も聞かされていません。


 バルコニーへ出ると大歓声が待ち受けていました。事前に就任パレードについて告知していたので国内外合わせて十万人を超える大群衆です。


「「「勇者様あああああああ!」」」


 勇者様はバルコニーの柵の前へと赴き眼下の我が国の民たちに笑顔で手を振ります。歓声がより一層大きくなります。


 ワアアアアアアアアアアアア。


「皆さん集まりましたね。では準備を始めましょうか。まずは声です。あっあっあー。これで、私の声は全ての言語に自動翻訳されて皆に伝わるようになりました」


 どういうことでしょう?


「次は目です」


 勇者様は手元の銀の板をいじっています。上空に巨大な四角い輪が表示され、私たちが映し出されました。群衆がざわつきます。


「おい空を見ろ!」


「なんだあれは!?」


「このスクリーンは世界各地で表示され、全世界の生物が閲覧できるようになっています」


 お父様が画面一杯に表示されています。なぜお父様を写したのでしょうか。


「お父様恥ずかしいから手を振らないでください!」


「よいではないか」


「私たちを写しているカメラの位置は今は前方の上空と真上ですよ」


「うむこっちか」


 お父様が手を振るとスクリーンの中のお父様も手を振っています。本当に私たちが映っているようです。いつのまにか巨大スクリーンが空中に二つ浮かんでいて両方とも私たちがいるバルコニーを映しています。


「あーあー聞こえていますか、名もなきこの世界に生きる全てのものたちよ」


 いつの間にかスクリーンが増え、色んな場所の色んな種族たちの様子が映し出されています。新たに表示されたスクリーンから声が聞こえてきます。


「なんだ!?声が聞こえてきたぞ!?」


「何この声!?」


「大丈夫そうですね。外に出て空に浮かぶスクリーンを見てください。空を見上げてください。空が見上げられない生物には特別に個別にスクリーンを設置しますね。ポチっとな。どうでしょう。皆さん我が見えていますかー」


 我(ワレ)?勇者様が手を振っている姿がスクリーンに映ります。


「何なんだ?この声」


「おい空を見ろ!何か映ってるぞ!」


「あのスクリーンだ、あのスクリーンから声が聞こえてくるんだ!」


「陛下大変です!空にでっかい動く絵が!」


 各スクリーンから世界各地の人々の声が聞こえてきます。


「リンクは上々。概ね大丈夫そうですね。これで準備は整いました。では始めましょう」


 さてこれから何が起こるのでしょうか?楽しみです。



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