↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者召喚で来てくれたのは、ピースメイカーさんでした!  作者: 夕暮れの家


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/23

えっ!?契約書ですか??

 椅子が運ばれて来ました。勇者様がスルスルと空中から降りて座られました。手でジェスチャーをしています。下へ降りろと。はい。


「お父様、下へ降りますよ」


「わしは玉座に……」


「ダメです」


 お父様が玉座を持ちあげて段差を下ります。玉座取り外しが出来たんですね。謁見の間の赤いカーペットの上にお父様が玉座を置き座りました。私たちはお父様の隣に立ちます。向いで勇者様が持ってきた椅子に座っています。


「では話の続きに戻りましょうか。私にやって貰いたいこととはなんでしょう?」


 私とか俺とか一人称がコロコロ変わる人ですね。


「うむ、そなたには魔王を討伐して貰いたい」


「魔王討伐ですね。魔王はどんな悪さをしたのですか?」


「魔物を率いて人間の国々を滅ぼしておるのじゃ」


「なぜ人間の国を滅ぼしているのでしょう?」


「それはわからぬ。魔王が納める魔国とは五百年以上前から対立しておる。奴ら魔族は魔物を使役するのじゃ。そして人間を喰らいよる」


「弱ければ死に強ければ生きる。当たり前では?」


「お主!魔族の肩を持つと言うのか!」


「いえ当たり前のことを。魔族が攻めて来るのに事情があるのでは?対話はされましたか?」


「奴らは魔物じゃ!人の言葉を返さぬわ!」


「言語が違うだけでは?さっき調べたところただの人間でしたよ?まあいいでしょう。魔族が攻めて来て大変だから魔王を倒したいということでいいですか?」


「そうだ」


「わかりました。じゃあ、目的は世界平和でいいですかね?」


「うむ、世界に平和をもたらしてくれ!」


「わかりました。次に報酬はいかほどいただけるのでしょう?」


「望むものを望むだけ与えよう!金、地位、名誉、女好きなものを述べよ!」


「ではまず報酬とは違いますが約束して欲しいこととして、こちらに滞在している間の食事と寝る場所を。食事は出来るだけ美味しいものでお願いします。ベットはふかふかでお願いします。後、毎晩お風呂に入りたいです。お風呂あります?」


「もちろんじゃ。王城に一室設ける上そこで生活するとよいじゃろう」


「では報酬ですがこの世界にしかないものが欲しいです」


「この世界にしかないものじゃと?」


「そうです。他の世界にはなくこの世界にだけあるものです。なんでもいいですよ。珍しければ珍しいほどいいです。ただし生き物はダメです。物でお願いします。お土産にしたいので」


 なにがあるでしょうか?アダマンタイトとかでしょうか?


「うむ、手配しよう」


「後、仕事が終わったら少し観光してから帰りたいので、この世界で一番綺麗な景色が見えるとこを教えてください。どんな秘境でもいいですよ。写真が趣味なんですよ」


「写真?」


「絵みたいなものです」


 悩みます。妖精の谷がいいでしょうか。世界で一番というのが難しいです。


「次に、この世界で一番美味しいもの一番マズイものを食べさせてください。気にいったらお土産に包んで帰りたいので」


 また世界で一番シリーズです。難しいです。


「マズイものもか?」


「そうです。それはそれで盛り上がるので」


「よいじゃろう。それくらい容易いわい」


 またお父様は適当なことを。


「それだけでよいのか?金や地位や名誉などはいらんのか?」


「いらないです。そうですね後、この世界で一番可愛い生き物の写真も撮りたいですね。紹介してください。猫が好きなのですがモフモフであればいいです。あっ、無理やり捕獲したりしないでくださいね。名前を教えていただければ自分で探しますので」


「うむ、娘じゃな!」


 恥ずかしいお父様ったら。


「モフモフ限定です。獣人族もダメです」


「わかった、調べておこう。他にあるか?」


「もう大丈夫です。この世界にしかない物は他の世界を知らないため分からないでしょうから、これだと思うものをいくつか持ってきてください。確認します。世界で一番っていうのは候補を絞り込めなかったら全部教えてください。自分でなんとかします。以上ですかね」


 それならなんとかなりそうです。よかった。


「あっ、忘れてました。前金をいただきたいのですがよろしいですか?」


「前金じゃと?」


「はい、仕事に入る前に頂く報酬です」


「言ってみよ」


「そんな凄いものじゃないですよ。この国の硬貨を一枚だけください。一番この国で流通しているものがいいです。召喚された国の硬化コレクションしてるんですよ」


「うむ、では銅貨じゃな。本当にそれだけでよいのか?」


「ええ構いません。ただし、目的達成の方法は私に任せて貰います」


「よいじゃろう」


「では契約書をご確認の上サインと押印を。不明な点等ありましたら質問受け付けます。罰則や免責事項がございます。よーく確認してくださいね」


 お父様の前に一枚の紙がヒラリと舞い降りました。


 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 世界間召喚業務委託契約書


 ファングレス王国(以下、「甲」という。)とピースメイカー(以下、「乙」という。)との間で、世界間召喚における業務委託に関して、以下の通り契約を締結した。


(目的)

 甲は乙に対し下記の報酬(以下、「目的物」という。)を譲渡し、乙は、これを世界平和をもたらすことで貰い受ける。

 譲渡における期限は本契約締結後から対象世界にて一年(三百六十五日)以内とする。

 但し、下記の前金は本契約締結後、七日間の内に譲渡するものとする。前金が期限内に支払われなかった場合は本契約を破棄する。前金受領後、乙は世界平和の実現の為に活動を本格的に開始することとする。また、世界平和をもたらす手段は乙に一任するものとする。

 目的物の譲渡とは別に下記の約束事を甲は守ることとする。


(前金)

 ファングレス王国の銅貨一枚。


(目的物)

 下記(一)から(四)を目的物とする。以下、甲が存在する世界を「対象世界」という。下記(一)と(四)に関しては、甲が選出した候補に対して乙が確認の上受領するものとする。

(一)対象世界にしかない物一つ(生き物不可)。

(二)対象世界で一番綺麗な景色の情報(複数可、甲の主観で決めて良い)。

(三) 対象世界で一番美味なるものと一番不味なるもの(複数可、甲の主観で決めて良い)。

(四)対象世界で一番可愛い生き物の情報(複数可、モフモフであること、人類不可)。


(約束事)

 乙の活動期間中、乙が希望した場合、甲は乙に対して寝床の提供と食事の提供と風呂の提供を行う。寝床と食事の質は甲の出来うる限りの最上を目指すものとする。


(罰則)

 甲が本契約締結後の一年(三百六十五日)までに、上記目的物を乙に譲渡出来なかった場合、または、上記約束事を甲が守らなかった場合は、以降対象世界において未来永劫ピースメイカーとの契約を行えないものとする。


(免責事項)

 本契約期間中の乙の活動は、対象世界以外でも観測され公開される。観測及び公開により甲及び対象世界に損害が発生した場合、乙の責に帰することのできるものを除き、甲及び対象世界はその損害に関して一切の責を問えないものとする。


 以上、本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各一通を保管する。


 対象世界人類歴 一億二千五百五十八年 四月十日

 甲 対象世界

 ファングレス王国国王


 乙 ピースメイカー

 ヤマダ

 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------


「注意事項としては報酬の受け取り期限が世界平和をもたらした後からではなく、本契約の締結後から数えて一年ということです。そのため報酬の選定は契約開始時から進めていただけますと幸いです」


「うむ、サインしよう」


「お父様!ちゃんと皆と相談の上サインなさいませ」


「そ、そうだな。これはいつまでにサインすればよい?」


「三日以内でお願いします。その間の衣食住は保障いただけますか?」


「もちろんじゃ」


「ではご確認をお願い致します」


 なんかイメージと違います。もっと勇者ってこう違いませんか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。