世界会議で決まったことが実現していきます
世界会議は無事終わり、翌朝、勇者様と朝食をご一緒します。
「今日のご予定はどうでしょう?」
そう聞くと勇者様はパンをかじりながら答えます。
「そうですね。予定通り世界会議で決まったことをいい感じに叶えていきますよ」
七日以内に解決したので全ての願いをいい感じに叶えていただけます。勇者様はご飯を食べ終わるとバルコニーへと出ていきました。
「では私が世界会議での決定事項を叶えていくとしましょう」
「「「「「私!私!私!」」」」」
複数のモニターで本日も異世界の皆さんが映し出されます。勿論、アーガレスト世界の皆さんもモニターに映ります。
「まず決定事項を確認しましょう」
そういうと新たなモニターが立ち上がります。
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世界会議決定事項一覧
・世界の名はアーガレストと決定
・エルフ国の樹立
・邪神エビフトが治める新世界をこのアーガレスト世界を元に同じように創る
・新世界へはアーガレスト世界から自由に行き来できるようにする
・新世界からアーガレスト世界へは悪意を持つものは移動できないようにする
・アーガレスト世界に住む動物たちで今の生活を望むものは新世界へ、安全な生活を望むものや人や魔族との共存を望むものは引き続きこちらの世界に住めるように移動させる
・五十の部族がライメイレンの土地にて一つの国家を築く
・エジプシャンに雨を降らす魔道具を与える
・すべての奴隷を解放する
・すべての奴隷はその国が買い上げ、教会がその後の奴隷だった人たちの世話をする
・亡国の復活と戦死者の死者蘇生、戦争で傷ついたものの回復
・ライメイレン帝国の戦争の賠償は領土の割譲と賠償金
・この世界では二度と戦争を起こしてはならない
・魔王とその配下は戦争ができる世界へ送り届ける
・異世界交易と異世界旅行の実現
・異世界を含めた全ての生物の奴隷化を禁止
・世界の平和は全種別において対話でなされていく
・エビフトの完全復活
【会議日数】
二日(責任を持っていい感じに全て叶える)
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「内容をご確認ください。問題ないですね?」
特に問題は見つかりません。皆さんも問題ないと回答していきます。
「それでは順番に全て叶えていきましょう。まずは世界の名がアーガレストと決定したことに関して、これは自称するだけでなく登録するための書類仕事が存在します。神よ、ご自身でやられますか?私がやりましょうか?」
そういうと空を見上げます。
『武神よ。創造神様のお言葉を伝えるわ。せっかくだから自分でやりたいということよ』
「かしこまりました。念のためマニュアルを転送します。もし、わからない点があればお聞きください」
『助かるわ。何かあれば連絡するわね』
「承知しました」
もう何か神様とお話されることに慣れてきましたね。
「次は、エルフ国の樹立ですが、こちらは各国家の承認を持って達成しているのでやることはないでしょう。エルフ国サンジェルネのルーエフィー王よ。何かサポートが必要なことがありますか?」
モニターにルーエフィー王が映ります。
「特にないわ」
ルーエフィー王は片手にお酒を持って気分良さそうです。建国を祝ってお祭りでもしていたのでしょうか?
「では、次に行かせてもらいます。『邪神エビフトが治める新世界をこのアーガレスト世界を元に同じように創る』ですね。創造神様と少し会議をしに行ってきます」
そういうと勇者様の姿が消えます。世界とはそんな簡単に作れるものなのでしょうか?半刻ほどすると勇者様が返ってきました。
「はい、話がつきました。これより作成作業に入ります」
勇者様はバルコニーの中央へと進むと空に向かって手を広げます。
<<クリエイト・ザ・ワールド>>
巨大な複雑な模様の魔方陣が空に浮かびます。その魔方陣が回転し眩い光を放ちました。眩しさから目をつむり、目を開くと空に美しい青い惑星が浮かんでいます。
「創造神様のご要望があり、近所に惑星を作る形で世界を創造しました。大きな惑星が出来てしまうことによる影響はないように調整しております」
青い空に浮かんでいるあの綺麗な青い星が新しい世界なんですね。皆、空を見上げております。
「サクッと作っていくーーー!」
「相変わらずどんな魔法だよ」
「詠唱どんだけ少ないんだよ」
「どんな魔力量してんだ」
「「「「「賢王!賢王!賢王!」」」」」
「「「「「職人!職人!職人!」」」」」
思ったことを聞いてみます。
「やっぱり凄いことなんですよね?」
「凄いどころじゃないでござるよ」
「神様でもこんなにサクッとは作らないわよ」
「非常識極まりないからこれ」
なんか、凄いことらしいですが実感が湧きません。
「次は『新世界へはアーガレスト世界から自由に行き来できるようにする』と『新世界からアーガレスト世界へは悪意を持つものは移動できないようにする』を叶えていきます。これも創造神様と相談してきました。各国に一ゲート、後はランダムに野生動物たちが利用しやすい位置に設けることにします」
<<ドア・アンド・ドア>>
そう勇者様が唱えると手から無数の光が飛んでいきます。モニターに光が飛んだ先が映ります。そこにはポツンと光り輝く青い四角い枠が映っていました。あれが新世界へ行けるドアなのでしょうか?
「今、ゲートを作りました。それをくぐれば新世界へ行けます。要件どおり新世界からこちらへは悪意があると通れません。誰か試しに潜って見てください」
「ギョーギョー(僕が一番乗りだーーー!)」
海の中に光るゲートへお魚さんが突っ込んでいきます!ゲートに包まれて姿が消えます。
「ギョー!ギョー?(新世界!新世界?)」
そのお魚さんの姿がまたモニターに映りますが、先ほどと余り違いがわかりません。
「新世界はご要望どおりこの世界と同じ世界を作っていますので、違いはありませんよ。家も同じものが建っているのですぐに生活できます。植物以外の生き物がいないだけです」
なるほど本当に同じ世界を作っていただけたんですね。
「ギョー!(この世界は僕の貸し切りだ!)」
お魚さんが喜んでいます。
「ギョ!(馬鹿言ってないの!)」
お母さん?魚になんか怒られていますね。お魚さんたちがどんどん移動していきます。
「次は『アーガレスト世界に住む動物たちで今の生活を望むものは新世界へ、安全な生活を望むものや人や魔族との共存を望むものは引き続きこちらの世界に住めるように移動させる』です。ゲートを設置したので後は好きに移動していただきたいのですが、ゲートまでの距離が遠い人もいるでしょう。望む人は移動したいと心で念じてください」
「ピーピー(移動したい!)」
「ウサウサ(移動希望!)」
「クマークマッタ(我も移動希望!)」
「俺も移動希望だ!」
「俺も行くぞ!」
「ではでは、皆さま行ってらっしゃいませ」
そういうと勇者様は手を振ります。
<<イッテラッシャイ>>
「ピッ?(新世界?)」
「ウサ?(新世界?)」
「クマ?(着いた?)」
「うお、ここが新世界なのか?」
「本当だ。何も変わらない。でも誰もいないな」
皆さん移動したようです。新世界私も行ってみたいです。落ち着いたら行ってみましょう。
「皆さま、ゲートマップと言えば世界のどこにゲートがあるかがわかります。以降はご自由にゲートを使って移動してくださいね」
<<ゲートマップ>>
本当です。地図が表示されて青い点が光っています。この点が恐らくゲートなのでしょう。我が国はこれは噴水広場にあるみたいです。後で見に行きましょう。
「次は『五十の部族がライメイレンの土地にて一つの国家を築く』ですね。まずは移住先の台地が呪われているので解呪が必要ですね。こちらはエビフト団の団長さんが解呪をやられると決まったはずです。飛ばしますのでサクッとやってください」
「わかってるわ。飛ばして頂戴」
レッドホーンの頭蓋を被って杖を持った黒ずくめの方が映ります。相変わらず美人さんが台無しな恰好ですね。
<<イッテラッシャイ>>
「ここね!エビフト様由来の地は!何か記念になるようなものないかしら」
キョロキョロしています。
「早くお仕事してください」
「うるさいわね。やるわよ。ストロバリオスよ、エビフト様の完全復活わかっているわよね」
「勿論です。可決したことは粛々とやらせていただきます」
「ならいいわ。では私もやりましょう」
肩掛けの鞄の中から何やらキラキラした宝石でしょうかを並べていきます。そして、並べた石の周りを奇妙な動きで踊りながら回っています。
「スンバウンババンバドンバ、スンバウンババンバドンバ、どっこいせー」
女性がするには少し恥ずかしいポーズを取ると、辺りの地面から黒い靄が立ち上がります。
「ピッピピーピ、ポッポポーポ、すべるにくす!」
アクロバティックなポーズを決めると、風に吹かれ煙が消えるようにたちまち黒い靄が晴れていきます。
「パパヒャーナ、ポポチャーナ、あいどらざるく!」
杖を天高く掲げると、空から光の粒が降ってきます。
「お見事です」
「ハァハァハァ、当然にょ……当然よ」
勇者様が声をかけると肩で息をしながら団長さんが応えます。
「今、解呪をしていただきましたので、これで住めるようになりました。五十の部族を移動させたいのですがよろしいですか?」
「大丈夫だ、王よ!」
「大丈夫です」
「お願います」
勇者様が手を振ります。
<<イッテラッシャイ>>
「おお!ここが!」
「我らの新天地か!」
「素晴らしい!豊かな森だ!」
「土もいいぞ!」
部族の皆さんが喜んでいます。
「国作りは以降スラポンに任せます。皆さんスラポンの指示を聞きながら国作りに励んでください」
「了解スラ!任せるのだ、父よ!では皆僕と一緒に国を作っていこう!」
「「「おおおおお!」」」
スラポンさんがいるのであれば大丈夫ですね。皆さんやる気に満ち満ちています。
「ちょっと!ストロバリオス!私のこと忘れているでしょ!元の場所に返しなさいよ!」
忘れていました。勇者様も忘れていたようです。
「全く!全く!」
元の場所で地団太を踏む団長さんを眺めていて申し訳ない気持ちになりました。しかし、団長さんは聖地から取ってきたと石を団員の皆さんに自慢していました。大丈夫そうですね。




