お父様かっこ悪いです
世界会議二日目、まだ日が沈むまでは時間があります。会議は続きます。
「じゃあ、次の議題ある人」
勇者様が問うと手を挙げる人がいました。
「エセベンサイカンのホナ・ホナ・ホナーや。食糧問題をどうにかしたいんや。今は勇者様のゲートのおかげでどうにかなってるんやけど、これは一時的なものや。わいは異世界との交易で食糧を輸入するのがいいと思ってるんや!どうや!」
異世界との交易ですか!?ビックリです。可能なんでしょうか?
「ヤマダや、可能かの?」
「ん?扉を設置すれば余裕だけど、ちょっと待って神様に確認するから」
勇者様は上を見上げると何やらぶつぶつ喋っています。
「OK。確認取れた。繋ぐ世界は神様の方で選定するけど異世界との交易をするのは問題ないって」
「「「おおお!」」」
「腕が鳴るで~バンバン売ってバンバン稼いだるわ!」
「流石うちらの大将!」
「稼ぐぞーーー!」
「ヒャッホーーー異世界のお客様だーーー!」
エセベンサイカンの国民の皆さんが小躍りしています。お祭りですね。なんだがこっちも嬉しくなります。
「ついでや!異世界旅行もできるようにしてくれへんかな~?」
「「「異世界旅行!異世界旅行!異世界旅行!」」」
異世界旅行ですか!行きたいです!
「いいね!神様に確認取るよ……OKだって。ただし行ける世界は神様の方で選定するとのことだよ」
「やったで~!」
「「「異世界旅行!異世界旅行!異世界旅行!」」」
「「「夢!夢!夢!」」」
やりました!異世界旅行だそうです!
「うちの世界にきやんせ」
「おらの世界はいいとこだべ~」
「拙者の世界も是非来て欲しいでござるよ」
モニターの向こうの皆さんが温かく迎えてくれます。期待が高まります。
「じゃあ、決を取るで。異世界交易と異世界旅行に賛同するものは挙手や!」
一斉に手が上がり、光が弾けます。その美しい景色は祝福されているようです。
「宿題はこれで全て解決かな?まだ議題ってある?」
手を挙げた人がいました。確かあれはクーデターを起こされた愚王と呼ばれていた人だと思います。
「俺様はアールデン・ラン・ロガナッシュ!ロガナッシュ王国国王だ!皆、俺様に素晴らしいアイデアがある!この先の未来永劫、この世界が繁栄する素晴らしいアイデアだ!」
「ふむ、なんじゃ?」
リンネ様が問うと愚王は自信満々に言います。
「このヤマダというやつを奴隷にすればいいのだ!皆の者賛同するものは挙手を!」
お父様が周りをキョロキョロしています。ダメですよ、お父様!手を挙げては!
「出た!ヤマダを奴隷にしたい奴!」
「ホントどこにでも湧いてくるわよね」
「勇者を奴隷にしたい輩死すべし」
「いいぞ!やれやれ!ヤマダを奴隷にしろー!」
「面白いぞ!やれるものならやってみろー!」
「ヒャッハー!盛り上がってきたぜ!」
異世界の皆様が盛り上がっています。
「あなたは何も聞いていなかったのですが?奴隷制は廃止されたのです」
聖女様が怒りを露わにします。
「奴隷制はこの世界の者に関してだろ。他の世界の住民を奴隷にして何が悪い!」
「馬鹿じゃが、いい視点じゃな。奴隷解放の他に異世界の住民を含め奴隷にすることを禁止にする必要があるの」
「そうですね。いい視座でした。皆さん、異世界を含め全ての住民を奴隷にすることは禁止というルールに賛同するものは挙手を」
愚王を除き、全ての者が手を挙げました。愚王はしかめっ面をして腕を組んでいます。呆れた声でリンネさんが問います。
「ふむ、お主、具体的にどうやってこやつを奴隷にするつもりなんじゃ?」
リンネさんそうですよね。
「従属の首輪があるじゃないか!」
「あんなものは効かんじゃろ。実際わしにすら効かんぞ。あれは」
「何っ!?」
やはり従属の首輪は効かないんですね。危ないところでした。宰相もほっとした顔をしています。
異世界の皆様から声援が届きます!
「がんばれ!そこをどうにかしろ!」
「アイデアを捻りだせ!」
「「「「「愚王!愚王!愚王!」」」」」
「ならば!すべての世界の中で一番の繁栄を願おうじゃないか!こいつは言ったのだ!全ての願いを叶えるのだとならば願ってしまえばいい!」
愚王が吠えます。それは可能なのでしょうか?
「だから悪魔だと言ったのです。このような意見が出てくるのは自明でした。この世界は私たちの世界です。ならば私たちがやるべきでしょう」
「せや、他人様に大きな借りを作るのは怖いでぇ〜」
「わしも賛成できんのぅ。仮に成功しても周りの世界に恨まれるだけじゃろう」
各王や部族長たちが聖女様たちの意見に賛同しました。
「いいじゃないですか!素晴らしいストロバリオスに願う姿勢素晴らしい!怠惰こそが人間の本性なのですよ。美しい!あ〜その醜さこそが人間ですよ!」
愚王さんは微妙な顔をしています。一番効いたかもしれませんね。
「俺は怠惰ではない!王だ!」
やり返しました。
「アハハ!ならば傲慢だ!怠惰を生まれ落ちた地位で覆い隠すなら傲慢以外の何者でもない!」
愚王さんは顔が真っ赤になっています。
「それくらいにしておいてはやってくれんか?」
お父様!
「まだ若いのだ。勇者殿を奴隷にしたいや栄華を極めたいなど若い王ならば通る道である」
周りの王が優しい顔で頷きます。お父様は私の記憶が確かならつい最近奴隷にしようと言った気がするのですが、すごいしたり顔です。知っているだけに恥ずかしい。
「素晴らしい王だ」
「「「ファングレス!ファングレス!ファングレス!」」」
お父様への称賛の声が響けば響くほど複雑な気持ちがします。お父様はニヤつく顔を抑えられていません。宰相はお父様が発言する度、胃を抑えています。ご心配おかけします。
「まだ若い。王とて人である。成長する」
お父様が悟った顔でいうと、愚王さんは上を向き唇をかみ涙を堪えました。
「俺はまだ王でいていいのだろうか?」
「愚王?言わせておけばいい。王は王である。王の孤独は王にしかわからんよ」
愚王さんは耐えきれず嗚咽が漏れています。お父様が良いことを言っています。誇らしいのですが、自分への言い訳に聞こえてしまうのは斜めに捉えすぎでしょうか?
「王とは孤独である!だからこそ臣下や民を大事にせねばならん!若い王よ!今こそ立つときだ!」
「はいっ!」
愚王さんことアールデン王が決意の籠った声で返事します。グッド宰相が涙ぐんでいます。
「「「ロガナッシュ!ロガナッシュ!ロガナッシュ!」」」
「「「ファングレス!ファングレス!ファングレス!」」」
「良いやり取りでした。皆に座布団一枚あげましょう。加えてファングレス王は民からの賛同が半数超えたから座布団もう一枚ね」
「すまぬな」
そうお父様は普通を装っていますが、座布団に座る仕草がウッキウキです。恥ずかしい。グッド宰相は涙を流しながら拍手をしていました。
「では、もう一度決を取りましょう。異世界を含め全ての住民を奴隷にすることは禁止というルールに賛同するものは挙手を」
「うむ、先ほどは気づかなかったが、住民というところが引っ掛かるの。全ての生物じゃダメかの?」
「それでは問題が起きませんか?」
「お主が想定しているのは家畜が奴隷じゃないか?じゃな」
「そうです。全ての生物を奴隷にしていけないとすると既存の家畜も全てダメということにはなりませんか?」
「ブー?(僕は奴隷だった?)」
「コケ?(あら私奴隷なの?)」
「ピーピー(えっ!奴隷じゃないよ)」
家畜の皆さんに動揺が走ります。
「家畜は余り奴隷だと思っておらんようじゃが、家畜が奴隷だと感じることがあれば対話によって改善していくべきではないかの?」
「そうですね。私はまだ人間中心の考えだったようです。異世界を含めた全ての生物の奴隷化を禁止にしましょう」
「素晴らしい。それこそが神の意志を体現するものです」
皆さんの意見がまとまったようです。
「では、決を取ります。異世界を含めた全ての生物の奴隷化を禁止に賛同するものは挙手を」
全員が手を挙げ可決されました。
「全員に座布団一枚あげよう。」
皆さんのお尻の下に座布団が現れます。
「やっぱ会議には愚王がいないとな」
「それな!」
「愚王がいると視野が広がるんだよな」
「今回のMVPは愚王だな」
なるほど、愚王には愚王の良さがあるということなのでしょう。
「他に議題ある人いるかな?」
「もう出揃ったじゃろ?一回国民の声を聴きたいんじゃがいいかの?」
「いいよー。じゃあ国民の皆さん望む平和を述べてください」
ガーガーガー
またです。複数の声が重なり合っていて私には何を言っているのかわかりません。
「皆さん、納得しているようですね」
「喜びの声が多いの。何か不満はあるかの?」
ガーガーガー
「動物の声の中に人間がいない場所がいい。人間に住処を奪われたというのがありましたね」
「そうじゃな、聴こえたの」
私にも聞こえた気がします。森に住むポンポルーナの声だったと思います。
「人類は発展します。自然はもっとなくなるでしょう」
「どうにかならないのですか?」
植物の王ドルイドさんが心配そうな顔をしています。
「簡単じゃ、発展をやめればいいんじゃ」
「それは人類には無理です」
「そこが人類の難しいとこやわ」
「人類とは常に上を向く生き物なのです」
難しいのでしょうか?
「わしは常々人類を観察して思っておったんじゃが、いつまで発展し続ける気じゃ?」
「それは……」
ルーベンス王は言葉に詰まります。
「無限に発展し続けられるなど幻想に過ぎないじゃろ?」
「せやわ〜何処かで頭打つやろな〜」
「頭打つだけならいいんじゃが、他の生物に迷惑をかけ続けるじゃろ。人間だけが発展すればいい時代は終わったんじゃ」
確かに人間だけが幸せを追い求める時代は終わった気がします。
「ゴールが必要ということですか?」
「そうじゃ。闇雲に周りと競い合い走り続けるから多くを犠牲にする。落ち着いてもいいんじゃないかの?」
「勇者様はどう思われますか?」
「そういう考えもあるね。どこまでも追いかけるか、安住の地を求めるか。生き方の違いじゃないかな?」
「生き方ですか」
「そう、生き方。信念といってもいい。人それぞれだよ。だから難しい」
「そうじゃな。社会として世界としてどうあるべきか」
「せやね。わいは発展して行きたいわ。どんどん商いを大きくするんや。きっと皆が笑顔になるで」
「わしは安住の地に落ち着くべきじゃと思うの」
「これはすぐには答えが出るものではないかもしれません。各々の生き方にあった世界をそれぞれ作るわけにもいきませんし」
「そうじゃな。そんなことをしたら世界が増えすぎるの」
「せやわ」
白熱した議論を繰り広げていると聖女様が難しい顔でいいます。
「皆様は今の世界で頑張るという思考が足りなすぎます。神から賜った世界で幸せになる道を探るべきです。」
「せやわ〜」
「これはこれからの課題ですね。全てを今この世界会議で決めなくともよいのでしょう」
優しい顔で勇者様が微笑みます。
「それが世界のためならば、それでいいんじゃないかな。答えは今全て出さなければならないかというとそうじゃない。保留も立派な回答だと思うよ」
「そうですね。」
皆が頷きました。
「人類に住処を奪われたものには、今後住処を奪われないように人類側も対話を重視していくということでよろしいでしょうか?」
ルーベンス王がまとめると皆が賛同していきます。
「世界の平和は全種別において対話でなされていく。これを可決したいです。どうでしょうか?皆さん」
ルーベンス王の問いかけに皆が手を挙げていきます。光が放たれ集まり弾けます。全会一致です。
「他に議題ある人いますかー?」
勇者様が間延びした声で言います。飽きてきたのでしょうか?
「では、議題がないのであれば、最後に世界会議を終了してもよいかの決を取って締めたいと思います」
勇者様が皆の顔を見ていきます。そして、世界に語り掛けます。静かな時間が流れました。
「では、決を取ります。世界会議をこれで終了するに賛成するもの決を!」
全員の手が挙がっていきます。
「待って!エビフト様の復活の決が取れていないじゃないの!」
すっかり忘れていました。皆さんも忘れていたようです。驚いた顔をしていました。
「邪悪!なんて人間は邪悪なの!流されるとこだった。危ない私でなければ気づけなかったわ!」
すみません。
「エビフト様の完全復活!ほら!皆手を挙げなさい!」
全員が手を挙げていきます。エビフト様の復活はもう既に決まっていることです。誰も反対しません。すぐに可決されました。
「アハ!アハハハハ!やったわ!エビフト様の復活よ!しかも愚民どもめ、震えろ!今可決されたのはエビフト様の完全復活だ!」
!?
やられました。ただの復活ではなくしれっと完全復活にされていました。
「これはマズイんじゃないですか?」
「皆で先ほどの決定を取り消した方がいいんじゃないでしょうか?」
世界会議のルールでは一度可決したものを取り消すには再度全員の可決が必要になります。
「無理じゃろうな。もうこやつが先ほどの可決を取り消すのに手を挙げはせんじゃろう」
「そうよ!そうよ!そうなのよ!もう決まったことよ!アハハハハ!やはり悪は勝つのよ!」
「「「エビフト!エビフト!エビフト!」」」
どうしたらいいのでしょうか?
「わしは気づいておったのじゃ。可決したのは新世界を統治する神が力不足では何かと面倒が起きそうじゃから完全復活でいいと思ったのじゃ。大丈夫じゃろ」
「そうですね。勇者様に頼ることにはなりますが、なんとかなるのではないでしょうか?」
「ハハハハハハ!浅い!浅いわ!ストロバリオスは所詮エビフト様の十二の化身の一柱。何もできるはずないというのに!ああ、なんと素晴らしい日でしょう」
「「「エビフト!エビフト!エビフト!」」」
これは勇者様を信じるしかないでしょう。きっと勇者様ならなんとかしてくださいます。
「じゃあ、皆議題は出し切ったかな?」
今度こそ終わりのようです。皆が静かに頷き合います。
「では今回のMVPを決めます!」
「MVPじゃと?」
「一番世界会議を盛り上げた人に座布団を沢山プレゼントします!」
そんなイベントがあったんですね。座布団が一番貯まった人に何かご褒美があるとそういえば言っていました。
「では!国民に投票して貰いましょう!」
そう勇者様が言うと私の目の前に画面が現れます。参加者の名前と顔がずらっと並んでいます。
「名前や顔を押して一番世界会議を盛り上げた人に投票してください!一人一回までである!心して投票するように!」
誰にしましょう?悩みます。宰相は……お父様にするんですね。後で何か言われたら困る?確かにそうですね。私はリンネさんに投票しました。
皆が誰にするかやいのやいの盛り上がっています。早々に押すものもいれば悩み続けているものもいます。
「後10秒!さっさと投票してください!」
スクリーンに大きく10の文字が表示されます。9、8と減っていきます。
「0!投票終了!それでは結果発表!」
スクリーンに各人の名前がずらっと並びます。その名前の上に色がついた太い線が立ち上がっていきます。お父様の上にも線が上がっていきます。きっと投票された量によって線が伸びるのでしょう。結果は……。
「今回の世界会議のMVPは……」
たっぷり間を開けると勇者様が宣言します。
「リンネ!」
「わしか?」
「「「リンネ!リンネ!リンネ!」」」
「やっぱりリンネ嬢だろ」
「わかってるね。この世界の皆も」
「妥当な線だな」
「ワンちゃん愚王でも良かったんだけどな~」
異世界の人たちも盛り上がっています。リンネ様が驚いた顔をしています。線は断トツでリンネ様が一番でした。
「MVPに選ばれたリンネには座布団プラス五枚!」
リンネ様の足元に勇者様が五枚の座布団を敷いていきます。
「うむ、ふかふかじゃな」
リンネ様はご満悦といった顔で笑いました。
「リンネはこれで座布団十枚を超えたため、褒美をゲットできます!」
「「「褒美!褒美!褒美!」」」
「リンネよ!そなたは何を望む!王たる我が全てを叶えよう!」
「「「賢王!賢王!賢王!」」」
「「「愚王!愚王!愚王!」」」
「うむ、それならばわしもピースメイカーになりたいのじゃ!」
「ヒャッハー!ピースメイ!」
「「「「「ピースメイ!ピースメイ!ピースメイ!」」」」」
「大歓迎だーーー!」
「リンネちゃーーーん!」
「俺の世界に来てくれーーー!」
大盛り上がりです!
「よかろう!そなたの願い聞き届けた!我の権限でそなたを新たなピースメイカーにしよう!」
「はは~でいいのかの?なれるということでいいんじゃな」
「大丈夫、大丈夫。仕事終わったら本部に連れていくよ。研修とかあるから本部の人に後は習って」
「はーい、呼ばれてないけどじゃじゃじゃじゃーん!ピースメイカー運営本部です。リンネさんの加入を正式に許可します!そこのピースメイカーのことは一旦忘れて本部で研修を受けて立派なピースメイカーになってください!期待しています!」
「うむ!」
「「「「「ピースメイ!ピースメイ!ピースメイ!」」」」」
リンネ様はピースメイカーになるんですねということはこの世界からいなくなってしまうのでしょうか?
「リンネ様いなくなるの?」
「嫌!リンネ様ずっといて!」
「リンネちゃん出ていかないで!」
皆の悲痛な声が響き渡ります。
「うむ、皆の者の気持ちは素直に嬉しいが、わしにはやらねばならぬことがある!強くならねばならないのじゃ!創造神をぶっとばせるほどに!大丈夫じゃ、たまには帰ってくるのじゃ。そして、誓おう!わしがこの世界に何かあればピースメイカーとして世界を救うと!」
「「「「「ピースメイ!ピースメイ!ピースメイ!」」」」」
「「「「「リンネ!リンネ!リンネ!」」」」」
「将来の保険ができましたね」
宰相がほっとした顔をしています。確かにこれで今後何かあっても大丈夫な気がします。
「それでは世界会議を終了する!世界会議の終了に賛同するものは挙手を!」
皆さんが手を挙げると体が下から段々と光の粒に消え、舞い上がっていきます。ゆらゆらと揺らめき空に舞っていく。参加者は動揺しているが体が動かせないみたいです。
「大丈夫なんだろうな!」
「ファッファッファッ!王たちよ!平和のために犠牲になれ!」
お父様が心配した声を上げると勇者様が応えます。大丈夫ですよね?
「ギャアアアーーー!」
お父様の悲鳴が轟きます。泣きわめくお父様を含め全員の体が光の粒になりました。疑似神界を光の粒は集い踊るように円を描きます。光は螺旋を描き収縮していきます。そして、弾け飛びました。光の線が無数に放たれます。
「可決した!これにて世界会議は終了とする!喜べアーガレスト世界のものたちよ!世界は平和へと歩みを進めた!喜べ億千万の同胞たちよ!今ここに平和への産声をあげた世界がある!」
「「「「「世界会議!世界会議!世界会議!」」」」」
「「「「「アーガレスト!アーガレスト!アーガレスト!」」」」」
アーガレスト世界の皆さんと異世界の皆さんが祝福の言葉を口にします。
「おめでとう!」
「凄いわ!良い会議だったわ!」
「おめでとうアーベスト!」
「アーガレストな!おめでとう!」
「おめでとうでござるよ!」
「ありがとうございます!」
笑顔で祝福を受けていると玉座の間からお父様の「ギャアアアーーー!」という悲鳴が聞こえてきました。慌てて見に行くとお父様は咳払いを一つして、
「無事帰還した!宴を開くぞ!」
と言いました。お父様の無事な姿が見えてほっとしました。しかし、少しカッコ悪いなと思いましたが、本人が一番気にしてそうなので言うのはやめました。
こうして、私たちの世界会議は終わりました。長かったような短かったようなそんな二日間でした。




