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勇者召喚で来てくれたのは、ピースメイカーさんでした!  作者: 夕暮れの家


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遂に世界会議が始まりました!

 真上にお日様が来ました。バルコニーで椅子に座り銀の板を弄っていた勇者様が立ちあがりバルコニーの柵に飛び乗ります。スクリーンが表示され勇者様が映ります。


「聞け!名もなきこの世界に生きる住民たちよ!時は満ちた!世界会議を開催する!」


「「「「「「「うおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」


 沢山のスクリーンが現れ世界中の様子が映し出されます。


「待ってましたああああああ!」


 道端で上空を見上げ叫ぶ男性が。


「酒の準備は万端だぜ!」


 どこかの飲食店でジョッキを片手に笑う男性が。


「お母さん世界会議だよ!」


 洗濯物を干す母を呼びに行く小さな子供が。皆が勇者様の言葉を聞き世界会議へと注目を集めます。


「叫べ!世界会議と!」


 勇者様が煽ります。


「「「「世界会議!世界会議!世界会議!」」」」


「もっとだ!」


「「「「「「「世界会議!世界会議!世界会議!」」」」」」」


 世界各地で様々な種族の生き物が世界会議と叫びます。


「では世界会議に出席する代表者を表示する!このものらが貴様らの代表だ!」


 次々にスクリーンが表示され各国の王や部族の長などが映ります。あっ!お父様が表示されました。王冠を乗せ赤いマントを羽織り金の杖を掲げています。式典用の衣装を纏い、軽く手を振っています。


「「「ファングレス!ファングレス!ファングレス!」」」


 バルコニーに集った民衆が応えます。世界各国で同じような光景が見られます。各国の王が国民の大歓声に見送られます。


「ほな、行ってくるでえ」


「「「エセベンサイカン!エセベンサイカン!エセベンサイカン!」」」


「余の責を果たしてくる」


「「「ライメイレン!ライメイレン!ライメイレン!」」」


「準備はいいか代表者たちよ!」


「うむ」


 お父様が鷹揚に頷きます。


「「「おう!」」」


 各部族の長たちが応えます。


「椅子に座れ、ベッドに横になってもいい。楽な姿勢を取れ」


 皆勇者様の指示を受け動き始めます。お父様は玉座に座るようです。


「準備出来たな。では始める。国民共よ!騒げ!奏でよ!代表者の出陣だ!」


「「「「「「「うおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」


 大歓声が上がりました。お父様のいる玉座に詰めていた音楽隊が演奏を始めます。その様子がスクリーンに表示されます。同様に様々な国で色々な楽器が演奏されている様子が次々と表示されていきます。


「バラバラだな。ファングレスの演奏隊よ、この世界で一番よく知られている曲にしろ!」


 勇者様の号令に頷いた我が国の音楽隊は『旅立ちの日に』という曲を奏でます。成人式や結婚式などで演奏される有名な曲です。管楽器の重低音が響き渡ります。


「各国の奏者よ!炉端の奏者よ!この曲に合わせて演奏せよ!」


 我が国の音楽隊のリズムに合わせて皆が楽器を奏で始めます。バラバラだった音が徐々に合わさり音の群れがまとまり一つの曲を紡いでいきます。


「ヤマトっぽいな」


 勇者様がぽつりと呟きます。


「いいね、ノッてきた。億千万の同胞たちよ!この曲に合わせてみろ!」


「「「「「「「待ってました!」」」」」」」


 空を埋め尽くす量のスクリーンです。様々な種族の人達が色々な楽器で私たちの世界の音楽を奏でます。異なった旋律が聞こえてきます。異なった旋律が絡み合うに奏でられます。二つの旋律が競い合い溶けあい新たなメロディが生まれます。楽器を持ったまま踊る人達もいます。すごいです!世界が音に包まれています!


「では出陣!」


 勇者様が魔法陣を空に描き呪文を唱えます。


<<ホールド>>


 各国の王や長たちの元から光の柱が立ちあがります。


「なんじゃここは?」


「なんやけったいな場所やな」


「どこだここは?」


 上空に現れた巨大スクリーンに代表者たちが一堂に会します。一面真っ白の何もない空間のようです。あれが疑似神界なのでしょうか?玉座が映りお父様の体がスクリーンに映ります。青いクリスタルの中に閉じ込められています。皆さん同じようです。巨大スクリーンに映っているのが魂ということなんでしょうか?勇者様が空に舞い上がり途中で光粒になって消えていきます。


「よくぞ来た!印を持つ各代表者たちよ!ここが世界会議の行われる我が創造した世界である。少々味気ない場所になっているが世界会議はいつでもどこでも行われる行えるという意味を込めてこんな場所にしておる。さあ座布団に座るといい」


 どこから現れたのか座布団が円になって置かれていきます。


「席次はない。自由に座るといい。演説するときに立ちあがるなどは自由だが基本選んだ座布団に座ったままとする」


 各代表者が思い思いの場所に座っていきます。全部で七十人程でしょうか?円を作り向かい合うように座ります。お父様は勇者様の対面の座布団に座っています。


「世界会議のルールは昨日伝えた通りだ。忘れたもの、確認したいものは世界会議のルールと唱えよ」


「「「世界会議のルール!」」」


 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 世界会議のルール


(前提)

 ・議題は全会一致で可決するものとする

 ・一度可決したものは全会一致しないと否決できない

 ・議題は参加者が持ち寄るものとする


 ピースメイカー山田の仕事は会議にかかった日数で以下の通り変化する


(一日以内)

 全ての願いを皆が望む形で全力で叶える


(七日以内)

 全ての願いを責任をもっていい感じに叶える


(一カ月以内)

 全ての願いをただ叶える


(三カ月以内)

 一部の願いを叶える


(五カ月以内)

 一つの願いを叶える


(一年以内)

 結果を見て適当に叶える

 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------


 昨日確認したのと内容は同じですね。


「よく聞け。これ以外に細かいルールが存在する。まずこの会議の様子はこの世界は勿論全世界に放映される。発言時にスクリーンにはその者の名や所属が表示されるが、念のため発言の前には自分の所属と名前を言うこと」


 参加者が頷きます。


「次に座布団についてだ。座布団は発言に対してこの世界の民の半数の賛同を得たとき、赤い座布団が追加される。そして、我がナイスだと思う意見を述べたものには青い座布団を別に進呈する。座布団の量でその者の活躍が視覚的にわかりやすくなるという仕掛けだ」


「なるほどのお、座布団が溜まると何かあったりするのかのぉ?」


 リンネさんが手を上げながら問いかけます。


「会議終了時に一定枚数以上稼いだものには我から個別に褒美を与えよう」


「「「おおおっ」」」


「逆に国民から非難の声が集まったり面白くない発言をしたら座布団が消失するので気をつけるように」


「わかったのじゃ」


 リンネさんの声を皮切りに賛同の声が集まります。


「では世界会議を始める!名もなきこの世界の住民よ!注目せよ!貴様らの命運が決まるぞ!」


 真っ白な空間に無数のスクリーンが表示されます。


「「「「「「「世界会議!世界会議!世界会議!」」」」」」」


 私たちの声が届くようです。


「言い忘れたが会議は日が昇ってから落ちるまでとする。今日は開始が遅かったため特別に月が真上に来るときまで実施する。この世界で表示されるのは基本、貴様らの世界の民の姿だけだ。我が同胞たちは表示されぬ、自分の世界の民の声をよく聞くといい」


「わかりました」


「おう」


「はい」


「ではまずは本日の会議の司会を決めよう。今日はまだ勝手が分からぬだろう、我が勤めようと思うが異論はあるか?」


「ないわ」


「ないぞ」


「良いんじゃないかしら」


「では決を取る。賛同するものは印がある手を空に掲げろ」


 印がある手を挙げるとその手から光が飛び出し上空で一点に集まり弾けました。綺麗です。


「全会一致するとこうなる。では我が司会を務め始めようではないか」


 遂に世界会議が始まります。どんな議題が飛び出し可決していくんでしょうか。


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