勇者様は悪魔だった!?
「フワァハッハッハー、ヤマダは我らが呼んだ悪魔よ!今気付いたか愚民共よ!」
「面白いの来たっ!」
勇者様が跳び起きます!頭にレッドホーンの骸骨を被り黒のマントに黒の上下で全身黒ずくめの女性でしょうか?声は女性だったので女性ですね。が映ります。
「ヤマダよ!よく我の求めに応じ権限した!邪神エビフトの十二の化身の一柱ストロバリオスの成り変りよ!邪神エビフトに変わりこの世を混沌と化すがよい!」
「なんだと我が邪神エビフトの化身ストロバリオスの成り変りだと!?……そうだったのか!?」
勇者様!?
「そうだ!ヤマダよ!本来ならば我らの元へ召喚させるはずが、ファングレスめに奪われヤマダなどという人格を植え付けられたが、貴様はストロバリオスなのだ!」
「邪神エビフト!?聖典に載っています!彼の邪神は破滅と混沌を司り、この世に恐怖と絶望をもたらし、創造神アーガレスト様に四肢を切断され封印されたと聞きます!まさか!?」
聖女様!?
「我はストロバリオスだったのか!?ちょっと待って、この世界の神にエビフトが存在するのか聞いてみる……何?いる?封印してある?聞け!この世界に生きる住民たちよ!邪神エビフトは存在するぞ!」
「やったわ!」
黒ずくめのお姉さんが跳びはねて喜びを表現します!
「フフフ、ハァハッハー!そうでしょうそうでしょう!エビフト様はいらっしゃるのです!聞け愚民共よ!我らエビフト団は各地に眠る八つの封印を解除した!残るはたったの四つだ!邪神エビフト様の復活は近い!絶望せよ!」
「「「「「「「な、なんだってえええええ!」」」」」」」
勇者様の同胞の皆さんノリがいいです。勇者様も悪ノリですよね?
「エビフト団の団長よ!残りの四つの場所は分かっているのか?」
「ストロバリオスよ!わかっている!だが我らには容易に手が出せない場所にある!手を貸せ!そのために呼んだのだ!」
「因みにその場所はどこだ?あっ、言わなくていい頭で念じるだけでよい。……ふむふむ、ちょっと待て調べてやる。……ふむふむ、合っている。合っているぞエビフト団よ!」
「そうでしょう!やったわ!長年の苦労が今!皆のもの喝采を叫べ!」
「「「うおおおおおおおおおおおおお!」」」
黒ずくめの集団が杖を掲げながら叫んでいます!かなりいます三百人位でしょうか?
「ちょっと待ってね、エビフトについて調べるから……ふむふむ、おっこれ封印されている間に人々の負の感情を糧に強くなってるじゃん。あっこれダメやつだどうすんだこれ」
「わしでも勝てんのかのう?」
「今のリンネじゃ無理かなあ」
「そうなの!?やったわ!我らが神エビフト様が一番よ!エビフト様によって混沌と恐怖が蔓延する暗黒の世界が訪れるのよ!」
あれ??勇者様冗談ですよね?
「神はなんとおっしゃっているのですか!?」
聖女様が問いかけます。聖女様も悪ノリしてたんじゃないんですか?
「ちょっと待って聞いてみる……ふんふん、何何?聞け!愚民共よ!神はおっしゃった『それは今に生きるものたちの課題。破滅を選ぶも全てそなた達の選択だ』と!」
「神は助けてはいただけないのですね。いえ違いますね。これも我らに課せられた試練だと!そう神はおっしゃっているのですね!」
「フフフ、ハァハッハー!聖女よ、もう遅い!我らが神がご降臨される日は近い!ストロバリオスよ!残りの封印を解くのだ!」
「世界会議次第だねー」
「なんだと!?」
「いや、世界会議で可決したらいいよ」
「なんで!?」
「いや我ピースメイカーヤマダだし」
「ぐっなんてことだ!そこまでファングレスの洗脳が強力とは!ならばワレを世界会議の参加者とせよ!」
「いいよー世界平和の会議だしね。世界が破滅と混沌に満遍なく染まる、それもまた世界平和ってもんでしょ、右手をかざしな特別な印をプレゼントしよう!」
「止めなさいヤマダよ!私は参加を認めません!」
「参加するメンバーは我が選ぶから聖女様のご意見は聞けませんねー」
<<マーク・オブ・エネミー>>
黒服の女性の右手に禍々しい闇が纏わりつきます。
「ぐうう、ワレの右手がああああ!」
闇が晴れるとそこには太ったエビの紋章が刻まれています。エビフトだからでしょうか?
「これは混沌の龍の紋章!これこそワレに相応しい!」
え!?いいんでしょうか?というか参加が決定してしまいました。全会一致の会議なのに大丈夫でしょうか?
「なんてことを!?ヤマダ貴方は本当に悪魔なのですね!」
「「「「「「「悪魔!悪魔!悪魔!」」」」」」」
「封印を解除するにしても再封印するにしても我がいる状態でやるのがいいでしょ」
「成るほどのお、ヤマダお主なら勝てるのかのう?」
「我じゃ無理かな、俺なら勝てるんじゃないかな?」
「「「「「「「俺!俺!俺!」」」」」」」
「いいぞ!封印解除しろ!」
「ヤマダの俺モードが観たいぞ、解除しろ!」
「悪魔の甘言です!皆のもの騙されてはなりませんよ!」
「どうじゃろう?後顧の憂いを晴らすためにもヤマダに退治してもらうのが良いのじゃないかのう?」
「「「「「「「リンネ!リンネ!リンネ!」」」」」」」
「勝てなかったらどうするのです!その戦いで死者が出たら?責任を取れるのですか?」
「「「「「「「聖女!聖女!聖女!」」」」」」」
「死者はヤマダに生き返らせて貰えばいいじゃろう」
「命の冒涜です!」
「若いくせに頭が固いのう」
「まっとうなことを言っているだけです!」
「はいはい、そこまでね、この議題を続けたいなら別回線でやってね」
「他に何か質問とかありますかー」
勇者様がまたゴロゴロし始めました。
「王よ、今よいか」
「貴様は砂漠を統べる人族の王か、よい申してみよ」
「我が治めるエジプリャンは少ないオアシスに皆が寄り添って生きている。いつ枯れるかもわからない、オアシスにだ。作物を育てられる土も少なく常に貧困と隣り合わせ。民は疲弊している。どうにかしたい。どうにかしてもらえないか?」
「いいよーでも具体的にどうして欲しいのかな?どうすればいいと思う?それを考えるのは自分たちでやらなきゃ」
「砂漠をなくして貰いたい出来るだろうか?」
「いいね!我が答えよう!できる!」
勇者様が仰向けになって右を付きだし力強く握ります。
「砂漠をなくし作物が実る豊かな大地へ変えることは可能だ!しかしやらない!なぜならば砂漠でしか生きられない生き物たちがその地で生きているからだ!我は人間だけの味方ではない!この世界全ての生きとし生けるものの味方だ!ゆえに拒否しよう!」
大きな口をしたミミズのような生き物が、サングラスをかけているように見えるモグラさんが、鋭い針を尻尾の先にもつ赤い殻に包まれた虫のような生き物がスクリーンを見つめています。砂漠に生きる人間以外の生き物もこの話しを聞いているようです。
「そうか、ではオアシスを枯れないように、というのはどうだろうか?」
「そうだな、可能と言えるだろう。枯れなくするを真っ正直に行うなら地脈をいじくるという話しになるが、その場合大なり小なり他の地域に影響が出てしまう。そのため雨を降らす魔道具、もしくは湖の水を満杯にする魔道具を作って渡すというのはどうだ?幸いこの世界の砂漠で生きる生き物で水に弱いものはいないみたいだからな、そして彼らも水を欲している。雨を降らす魔道具がお勧めだ」
「雨を人為的に降らすと!?可能なのか!?」
「可能だ。雨の場合は農作物に影響が出るから降らすタイミングが難しいがそこは調整してみせろ」
「おお、そうか!我らにも希望が見えた!ありがとう我が王よ!」
「感謝はまだ早いな、世界会議で可決させてみせよ」
「わかった!」
「人口増加で土地がなくなる問題がまだあるだろ、会議までに解決策を考えておくといい」
「そうだな、家臣たちと話し合ってみる」
「うむ、意外と酒場で飲んだくれている親父が良い意見持っていたり、そこいらの子供がはっとする意見を述べたりするから行き詰ったら国民に声をかけるといい、まあ頑張れ」
勇者様がゴロゴロを再開します。あっこちらを見つめています。どうしたのでしょうか?




