第28話:鋼鉄の来襲、未知のオーバーテクノロジー
突如現れた鋼鉄の巨人。それは魔法の常識を覆す、未来の殺戮兵器でした。
村の平穏は、あまりにも唐突に、そして暴力的に破られた。
「……マスター、警告。方位2-0-0、高エネルギー反応。急速接近中」
脳内に響くサンテスの鋭い警告と同時に、村の北側にある防壁が、轟音と共に爆散した。
土煙の中から現れたのは、魔物ではない。それは、高さ3メートルに及ぶ、鈍い銀光を放つ「鋼鉄の巨人」だった。
「……何だ、あれは。ゴーレム……か?」
ガルドが盾を構え、声を震わせる。その巨体は、アイゼンが語っていた「ロボット」とも、魔法で動く泥人形とも決定的に異なっていた。
継ぎ目のない滑らかな装甲、関節部から漏れる青白い排熱光。そして右腕には、巨大な旋回式の六砲身銃が装備されている。
「散れっ! 総員、回避ッ!」
アリシアの絶叫が響く。直後、ゴーレムの右腕が高速回転を始め、猛烈な火線を撒き散らした。
『ギィィィィィィィン!!』
放たれたのは魔法の矢ではない。超音速で飛来する物理弾体。
「あ、があああっ!」
逃げ遅れた団員が、防具ごと肉体を削り取られ、宙を舞う。最強を誇る《鉄の梟》の重装甲ですら、そのオーバーテクノロジーの前には紙細工に等しかった。
「この、野郎がぁぁっ!」
ガルドが咆哮し、双剣を抜き放つ。巨体に似合わぬ速度でゴーレムの足元へ滑り込み、関節の隙間を狙って鉈のような双剣を叩きつける。
だが、火花が散るだけで、鋼鉄の皮膚には傷一つ付かない。
「硬い……!? 物理結界じゃねえ、これは純粋な材質の強度だ!」
「どきな、旦那! ――『崩界・断岩斬』!」
上空から、アリシアが大剣を全力で叩きつけた。城門を凹ませる剛腕と、魔素を纏わせた必殺の一撃。
金属が悲鳴を上げ、ゴーレムの肩装甲にようやく深い亀裂が入る。だが、その直後。
ゴーレムの胸部ハッチがスライドし、目も眩むような赤い閃光が放たれた。
「しまっ……!?」
『高出力レーザー照射。マスター、防御展開を!』
フィンが叫ぶより早く、サンテスの介入による『双極駆動』が発動。フィンの指先から展開された幾何学的な防御シールドが、アリシアを直撃するはずだった熱線を偏向させる。
空気は一瞬で1000°C以上に熱せられ、焦げた匂いが鼻を突く。
「……助かったよ、フィン。だが、こいつは……」
アリシアの額から冷や汗が流れる。大剣の刃は熱線による余波で赤く熱し、歪んでいた。
目の前のゴーレムは、痛みも恐怖も感じることなく、機械的な駆動音と共に再び照準を合わせてくる。
『プログラム実行:目標・サンテス族個体、および随伴する指定魔物。排除を開始する』
ゴーレムから発せられたのは、抑揚のない合成音声だった。
その背後。森の闇から、さらに二体、同じ姿をした鋼鉄の巨人が姿を現す。
「三体……。伝説の魔物を狩ったのは、こいつらか」
リッカが震える手でナイフを握り直す。
圧倒的な火力。未知の兵器。中世の魔法文明の中に放り込まれた、未来の殺戮兵器。
フィンは、背後で震えるハクと生まれたばかりの赤竜を庇いながら、自身の瞳をサンテスの計算回路と同調させた。
(……サンテス、勝算は?)
『現状の戦力比、1:38。……マスター、これより「リミッター」の部分解除を提案します。貴方の神経系への負荷を条件に、戦術核レベルの魔素干渉を許可しますか?』
フィンの瞳が、青白く、そしてどこまでも冷徹な光を宿した。
「やって。……これ以上、僕の家族を傷つけさせない」
激動のバトルが、今、死線を越える。
一気にハードな展開になりました!近代武装ゴーレム、強すぎます……。
フィンは、そしてハクとドラゴンの子は、この窮地を脱することができるのか!?
命をかけたリミッター解除。次回の更新をお見逃しなく!
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