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15話まで読まれてから、見られることをオススメします。
1.世界概観
2.黄泉比良坂
3.黄泉比良坂の階層構造
4.力の体系
5.国家体制・大和
6.華族制度
7.京華族
8.武士
9.陰陽師
10.武士と陰陽師の位階対応
11.御三家
12.大和の地理と勢力圏
13.正式名称:瀬戸内万妖暴走事変(通称:淡路沈没)
14.四死妖+晴明
15.霊剣
16.スキルとは
17.術式体系
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【1.世界概観】
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本作の舞台は、現代相当の文明水準を有しながら、現実とは異なる歴史を歩んだ日本――「大和」である。
最大の相違点は、死者の国・黄泉国へ連なる巨大災厄領域「黄泉比良坂」が実在する点にある。
黄泉比良坂からは、瘴気・呪詛・妖気が絶えず溢出し、妖魔や魔物が地上へ侵攻し続けている。
このため大和は、単なる近代国家ではない。
神権・軍権・結界統治が一体化した、「対災厄国家」として発展してきた。
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【2.黄泉比良坂】
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黄泉比良坂とは、地上と黄泉国を結ぶ巨大な“死の回廊”である。
大和に存在するすべてのダンジョン、および霊的災害の根源に位置する。
各地に点在するダンジョンは、独立した異界ではない。
すべて黄泉比良坂下層から地上へ伸びた「支脈」にあたる。
すなわち黄泉比良坂とは、
・妖魔災害の源泉
・国家防衛上の最重要対象
・武士と陰陽師の主戦場
――そのすべてを兼ねる存在である。
また、大和各地の神社仏閣は、黄泉比良坂から伸びる霊脈支流の要所に築かれている。
そして、その源流に位置するのが出雲大社である。
出雲大社には伊邪那岐が封神されており、黄泉国より侵攻する伊邪那美を抑え込む、最大級の封印拠点となっている。
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【3.黄泉比良坂の階層構造】
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黄泉比良坂は、深度に応じて大きく七階層に区分される。
■上層:現世境
地上と黄泉が接触し始めた境界領域。
現実法則が比較的強く残っており、初級武士や下級陰陽師の活動も可能とされる。
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■中層:幽世路
神隠しの道と呼ばれる領域。
空間感覚・時間感覚が歪み、索敵・帰還・連携の難度が急激に上昇する。
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■下層:根国
地下深くに広がる常夜の国。
各地のダンジョン支脈は、主としてこの階層から地上へ伸長している。
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■深層:黄泉戸
黄泉国へ至る門に相当する領域。
巨大な坂、石門、封印構造物が点在し、国家級遠征の対象となる。
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■深淵:穢界
穢れそのものが空間化した領域。
高位武士・高位陰陽師であっても、長期活動は極めて危険とされる。
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■奈落:禍津奈落
伊邪那美の怨念と呪いが満ちる大奈落。
国家存亡級災厄領域に分類される。
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■最深部:黄泉国
伊邪那美が支配する死の国。
現世の常識が通用せず、あらゆる黄泉災害の根源に位置する。
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【4.力の体系】
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本世界における超常的な力は、大別して三系統に分類される。
■霊力
人の魂に由来する力。
武士・陰陽師が扱う基本出力であり、霊剣、式神、結界術の基盤となる。
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■神力
神の力。
世界法則そのものへ干渉する性質を持ち、主として天皇や神格存在が扱う。
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■妖力
伊邪那美の神力が変質して生じた異質な力。
妖魔・魔物が扱い、瘴気・呪詛・穢れと深く結びつく。
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【5.国家体制・大和】
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大和は、天皇と征夷大将軍による「二重統治国家」である。
■天皇
・神権・祭祀・国家正統性の頂点
・大結界の維持
・国家祭祀の執行
・神威による封印、大祓の発令
天皇は単なる君主ではない。
国家そのものを霊的に成立させる存在である。
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■征夷大将軍
・武家の棟梁
・国家軍事最高責任者
・黄泉比良坂防衛の総指揮
・武士統制と国家総動員の実行
征夷大将軍は、国土と民を武力によって守る存在である。
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■二重統治の原理
天皇は、「何のために国を存続させるか」を司る。
征夷大将軍は、「いかに戦うか」を司る。
この両輪によって、大和の国家構造は維持されている。
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【6.華族制度】
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大和には、国家への功績および血統に基づく華族制度が存在する。
■五爵制
・公爵
・侯爵
・伯爵
・子爵
・男爵
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■公家華族
古来より朝廷に仕える貴族層。
神事・儀礼・政治・結界維持を担い、血統と格式を重んじる傾向が強い。
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■勲功華族(武家華族)
妖魔討伐や国家防衛の功績によって華族入りした武門。
黄泉比良坂攻略や国防を担い、実力主義の色が濃い。
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【7.京華族】
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京華族とは、主として京都圏に根を張る華族のうち、都の格式・血統・選民意識を強く持つ者たちを指す通称である。
正式な制度上の身分名ではなく、気質や立場を示す、半ば俗称に近い呼称である。
■特徴
・京都という都の中心性を強く意識する
・血統・格式・儀礼を重んじる
・地方や前線の武家を粗野と見なしやすい
・武よりも術・祭祀・政治を上位に置く傾向がある
・公家華族系統に多いが、京都に根を張る一部武家華族にも見られる
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■周囲からの評価
出雲や地方武家からは、
「現場を知らず、血を流さず、都の論理のみを押しつける存在」
として反発されやすい。
一方、京華族側は、自らを国家の正統性・祭祀・結界秩序を守る側と位置づけ、前線武家を「必要ではあるが、穢れに近すぎる存在」と見なす傾向を持つ。
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【8.武士】
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武士とは、黄泉災害に対抗するための国家武装身分である。
単なる兵士ではない。
対妖魔戦の専門家として、国家防衛の中核を担う。
また、別格官職として「征夷大将軍」が存在する。
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■武士位と華族位の差異
武士位は、戦闘能力および軍内序列を示す。
華族位は、国家への功績と家格を示す。
すなわち、強いだけでは華族にはなれない。
国家への実績が必要となる。
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【9.陰陽師】
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陰陽師とは、霊的観測・結界維持・式神使役を専門とする術者階級である。
武士とは別系統の国家守護身分であり、主として朝廷および陰陽寮に属する。
武士が「妖魔を斬る者」であるなら、陰陽師は「災厄を制御する者」である。
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■武士との関係
武士は妖魔を斬る者。
陰陽師は災厄を制御・封印する者。
両者は協力関係にある一方、思想的には対立しやすい構造を持つ。
また、高位武士ほど黄泉侵食が進みやすく、陰陽師による定期検査や監視対象となる場合がある。
なお、「陰陽頭」は陰陽師位の頂点であり、武家における元帥に相当する術官最高位である。
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【10.武士と陰陽師の位階対応】
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武士と陰陽師は別系統の国家守護機構であるが、軍事行動および国家運用上の都合から、互いの位階には一定の対応関係が設けられている。
■位階対応一覧
武士見習 = 陰陽生
一等武士 = 少属
上等武士 = 大属
伍長 = 少允
軍曹 = 少允
曹長 = 大允
少尉 = 大允
中尉 = 少博士
大尉 = 少博士
少佐 = 大博士
中佐 = 大博士
大佐 = 少陰頭
少将 = 中陰頭
中将 = 大陰頭
大将 = 大陰頭
元帥 = 陰陽頭
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ただし、これはあくまで制度上の対応であり、実際の権限や影響力が完全に一致するわけではない。
武士は軍事指揮権と実戦能力を重視される一方、陰陽師は結界・封印・霊的観測といった術式管理権限を強く持つ。
そのため、前線では武士が主導権を握る場合が多いが、国家祭祀や大規模封印案件では、陰陽頭を頂点とする陰陽寮側が優越することも少なくない。
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【11.御三家】
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御三家とは、伊邪那岐が『対伊邪那美』を見据えて残した三つの家を指す。
・天照家
・月夜見家
・素戔嗚家
これらは単なる名門ではない。
大和そのものを存続させるため、それぞれ異なる役割を担うよう定められた、神代由来の守護家系である。
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■天照家
「表」をまとめる家。
朝廷・陰陽寮との結びつきが最も強く、国家祭祀、結界秩序、統治正統性を司る。
御三家の中でも最も「中央」に近い家系とされる。
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■月夜見家
「裏」からすべてを支える家。
陰陽術および禁術に最も精通し、封印・魂魄干渉・秘匿管理を担ってきた。
表へ出ることは少ないが、大和の暗部と均衡維持を支えてきた一族である。
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■素戔嗚家
「神殺し」を担う家。
純粋戦闘に特化した武門であり、対神格・対災厄戦における最終戦力として位置づけられる。
御三家の中では、最も武家色が強い。
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■現在の御三家
しかし現在、御三家は本来の形を失っている。
天照家は孤島へ引き籠もり、中央から距離を置いた。
月夜見家は伊邪那美側へ傾倒し、事実上離反。
そして現在も武家として活動を継続しているのは、素戔嗚家のみである。
かつて大和を支えた三本柱は、すでに崩れかけている。
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【12.大和の地理と勢力圏】
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大和の地理は、単なる地方区分ではない。
黄泉比良坂との距離。
霊脈の流れ。
国家中枢との結びつき。
過去災厄の傷跡。
そして、四死妖の勢力分布。
それらによって、各地域の性格は決定づけられている。
各地はそれぞれ異なる災厄傾向と防衛任務を担っており、政治・軍事・祭祀・結界の役割も一様ではない。
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■京都圏
朝廷・祭祀・結界の中心。
雅で洗練された都であると同時に、国家規模の霊的防衛司令部でもある。
大結界の中枢が置かれ、公家華族・陰陽寮・京華族の影響力が最も強い。
政治・儀礼・術式秩序の中心地であり、大和の正統性そのものを体現する土地である。
一方で、近畿一帯は四死妖・鞍馬天狗の影響圏と隣接しており、都に最も近い神話級災厄への警戒が常態化している。
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■畿内周辺圏
山城・大和・摂津・河内・和泉・近江など、京都圏を支える中央防衛・結界補助圏。
表向きは安定した中枢近接地帯である。
しかし実際には、結界維持、兵站、祭祀補助、貴族・武家間の調整機能を担う極めて重要な地域である。
京都圏が国家の頭脳であるなら、畿内周辺圏はそれを支える胴体にあたる。
また、山岳・古社・霊場が多く、鞍馬天狗による神話汚染や山岳異変が発生しやすい土地としても知られる。
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■出雲・山陰前線圏
武家、最前線、対黄泉防衛の中心。
黄泉比良坂に最も近く、常在戦場の空気を持つ、最も死に近い土地である。
高位武士、勲功華族、前線家系の影響力が強く、中央の論理よりも実戦と生存が優先される。
大和における対災厄戦争の最前線であり、国家防衛の要そのものと言える。
加えて、中国山地側からは鞍馬天狗勢力の浸潤も及びうるため、黄泉災害と山岳災厄、その双方へ備える二重前線としての性格を持つ。
周辺一帯は常時警戒態勢下にあり、前線基地、封印拠点、観測所、慰霊地などが点在する。
国家存亡そのものに直結する、災厄と防衛の中心軸である。
なお、四死妖のいずれもこの地を直接の本拠地とはしていない。
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■瀬戸内・四国霊場圏
霊場・修行地・中継防衛圏。
静けさと危うさが同居し、古来より修験、陰陽術、武門修練の地として重視されてきた。
瀬戸内海は物流と兵站の要衝である一方、水妖災害の脅威にも常に晒されている。
また四国は、有力家系子弟の修行地としても知られ、精神修養と実戦訓練の双方に適した土地とされる。
しかし海域一帯は、四死妖・禰々子河童の主勢力圏に含まれており、沿岸・河川・内海のいずれにおいても、水妖災害への警戒が不可欠である。
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■東海・中部霊脈圏
東西を結ぶ交通・霊脈の結節地帯。
山岳、街道、霊峰、河川が複雑に交差し、兵站・巡礼・術式中継の要地となっている。
中央と東国を繋ぐ中間地帯であり、平時には流通と調整、戦時には防衛線と増援路として機能する。
霊脈の乱れが広域へ波及しやすいため、陰陽寮の監視対象としても重要視される。
同時に、山岳地帯と街道網を足場とする四死妖・酒呑童子の勢力圏にも接しており、強者を狩る鬼種災害への備えが重い地域でもある。
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■東国武門圏
関東を中心とする、広大な武家基盤地域。
広大な平野と人口規模を背景に、大和最大級の兵站力・動員力を誇る。
京都圏から距離があるため、実務・軍事・開拓を重視する気風が強く、地方武家の自立性も高い。
中央貴族的な格式よりも、戦果と統率力が重んじられる土地柄である。
国家を支える兵力供給地であり、中央が揺らいだ際には第二の統治中枢となり得る潜在力を持つ。
一方で、強者が集う武門地帯であるがゆえに、四死妖・酒呑童子にとっては格好の“狩場”でもある。
そのため、鬼種災害への警戒は極めて重い。
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■奥羽・北方鎮護圏
東北地方を中心とする、寒冷・山岳・辺境性の強い防衛圏。
広大な山野と厳しい気候の中で、独自の霊的風土と武門文化を育んできた。
鬼種、山妖、雪妖、古き土地神の残滓などが色濃く残っており、中央式の統治や結界理論が通じにくい地域でもある。
古層霊脈の乱れや北方由来の異形災害に備える、鎮護と封圧の最前線としての役割を担う。
また、この地域は四死妖・玉藻前の主勢力圏にも含まれる。
血統、信仰、土地制度へ内側から侵食を行う呪的災厄への警戒が、特に強い地域である。
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■北海・極北封鎮圏
蝦夷地および周辺海域を含む、最果ての封鎮地帯。
人の支配が比較的薄く、自然霊、古神、未分類災厄の影響が色濃く残る。
国家による完全統治は及んでおらず、探査・封印・監視を主目的とする半禁域的地域として扱われている。
大和最北の地であり、未知と古層神話の境界線とも言うべき土地である。
玉藻前の勢力はこの極北にも深く浸透している。
人の制度や共同体が薄い土地ほど、妖母による変化と侵食が進みやすいとされる。
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■九州・西海防衛圏
大陸・外海・南方異界に対する玄関口。
古来より、交易・外敵・異文化・異形災害の流入口として機能してきた。
軍事・外交・封鎖の三機能を併せ持つ地域であり、西の国門とも呼ばれる。
火山、海域、古戦場、外来信仰の流入が重なることで、霊的にも不安定な土地が多い。
対外防衛と海上災害対策の最前線であり、国家防衛上の重要拠点でもある。
また、広大な沿岸・河川・湾岸部を抱えるため、四死妖・禰々子河童の影響が極めて強い。
この地域において、水妖災害対策はそのまま国家防衛と直結している。
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■南海・琉球境界圏
南西諸島を含む海上境界地帯。
本土とは異なる信仰体系、海洋霊脈、島嶼結界文化が色濃く残る地域である。
水妖災害、海上神隠し、漂着異界、南方由来の呪的存在などへの警戒が常態化している。
国家中枢からは遠いが、海上結界網の維持において極めて重要な土地である。
また、四死妖・禰々子河童の勢力が最も濃く現れる海域の一つでもある。
場合によっては、島そのものが災厄の前哨地と化すこともある。
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■沿岸・水辺災害圏
河川、湖沼、沿岸、内海、港湾部を含む、水妖災害の脅威圏。
生活圏であると同時に、常に災厄と隣接する危険地帯でもある。
特に四死妖・禰々子河童の出現以後、水辺は単なる自然環境ではなく、国家的警戒対象として扱われるようになった。
水運と災厄が表裏一体となった、大和特有の緊張地帯である。
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■旧淡路島海域
かつて淡路島が存在していた海域。
現在は国家禁域指定海域であり、過去最大級の水妖災害の傷跡そのものとなっている。
海図・霊図の双方において空白域として扱われており、通常航路・軍用航路ともに厳しく制限されている。
禰々子河童災害による国土喪失を象徴する海域である。
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■13. 正式名称:瀬戸内万妖暴走事変(通称:淡路沈没)
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大和の地理と防衛構造を語る上で欠かせない歴史的災厄。
それは四死妖・禰々子河童が起こした万妖暴走の攻防戦の結果により生じた淡路島沈没である。
この事件は、単なる地方喪失ではない。
南海・西海・瀬戸内を跨ぐ水域災害が、国家中枢近接圏にまで到達しうることを示した、近代大和史上最大級の国土喪失事件である。
禰々子河童は、水辺そのものを支配領域へ変質させる性質を持つ。
その侵攻は、河川、沿岸、海峡、内海を通じて連鎖的に拡大し、最終的に淡路島全域を大規模水妖災害へ巻き込んだ。
結果として、島は地盤ごと海中へ没し、現在に至るまで回復不能の禁域海域として残されている。
淡路島が担っていた地理的・軍事的・霊的中継機能の喪失は極めて大きかった。
これにより、京都圏・畿内周辺圏・瀬戸内圏の防衛思想そのものが変質したとされる。
現在、旧淡路島海域は国家禁域指定海域に分類されている。
海図・霊図の双方において空白域として扱われ、通常航路・軍用航路ともに厳重な制限下にある。
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■14. 死四妖 + 晴明
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四死妖とは、四大妖怪の中でも、伊邪那美より神気を与えられた最上位妖怪群を指す。
それらは単なる強力な妖魔ではない。
地理、制度、血統、信仰、霊脈にまで侵食を及ぼす、国家級を超える災厄存在である。
朝廷、幕府、陰陽寮、勲功華族が連携して対処すべき最上位脅威と位置づけられており、それぞれが列島内に異なる主勢力圏を持つ。
四死妖は、自らの性質に適した土地を足場として、大和そのものを侵食している。
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【第一災:鞍馬天狗】
異名:山王、堕神
四死妖最強とされる存在。
天皇や征夷大将軍であっても、正面からの直接戦闘を避けるべき対象とされる。
単なる強大な妖魔ではなく、大和の神話、血統、国家成立そのものに深く関わる存在と目されている。
最強であると同時に、最も扱いを誤ってはならない災厄である。
▼特徴
・四死妖中でも総合最強格
・戦闘能力のみならず存在自体が危険
・御三家および国家中枢と深く関係する
・主勢力圏は近畿・中国地方
山岳、古社、霊場、神話中枢に近い地域ほど影響力が強く、都に最も近い神話級災厄として恐れられている。
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【第二災:玉藻前】
異名:九尾、白面金毛、妖母
九尾の妖狐にして、術理において人の到達領域を超えた存在。
変化、幻術、呪詛、結界、憑依を自在に操るのみならず、それらを人間社会の制度や血筋へ組み込む知性を持つ。
真の脅威は戦場の破壊ではない。
人の家、人の血、人の制度を、内側から腐食させる点にこそある。
▼特徴
・戦場よりも社会内部を侵す災厄
・人の欲望や弱さを利用する
・陰陽師、公家華族にとって特に危険
・主勢力圏は北海道・東北地方
寒冷地、辺境、古層信仰圏に根を張りつつ、その影響は遠く中央の華族社会や制度中枢にまで浸透しうる。
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【第三災:酒呑童子】
異名:鬼王、喰戦鬼、鬼極
鬼種妖魔の頂点に立つ存在。
大和において「最強の鬼」として恐れられている。
その脅威は、単なる膂力や妖力の高さに留まらない。
戦いそのものを捕食行為として成立させ、倒した強者の力や技量を己の糧へ変える性質を持つ。
武家社会においては、討つべき敵であると同時に、武の極致が妖魔へ転じた悪夢として恐れられている。
▼特徴
・強者を優先して狙う
・倒した相手の強さを取り込む
・霊剣《大嶽丸》を佩く
・主勢力圏は関東・中部地方
武門の集積地、山岳地帯、街道圏と相性が良く、強者の多い土地ほど脅威は増大する。
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【第四災:禰々子河童】
異名:水底童女、沈国姫、淡路喰らい
少女の姿を取る水妖災厄。
無邪気で愛らしい外見を持つと語られる一方、その本質は「悪意なき破滅」にある。
水辺そのものを災厄へ変質させる支配性を持ち、河川、湖沼、沿岸、海上において絶大な脅威となる。
かつて京都進攻を試みた際、その余波によって淡路島が海中へ没したと伝えられている。
このため、国土そのものを沈め得る災害級存在として恐れられている。
▼特徴
・水辺では特に危険
・水域そのものを支配領域へ変える
・水妖災害の象徴的存在
・主勢力圏は沖縄・九州・四国を中心とする南海・西海域
島嶼、沿岸、内海、河川網の発達した地域ほど影響力が強く、海そのものを前線へ変える災厄である。
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【四死妖の位置づけ】
四死妖は、それぞれ異なる方向から大和を侵食する。
・鞍馬天狗:神話と血統の災厄
・酒呑童子:武と暴力の災厄
・玉藻前:術と制度侵食の災厄
・禰々子河童:水辺と地形破壊の災厄
また、その主勢力圏も明確に異なる。
酒呑童子は関東・中部の武門圏。
玉藻前は北海道・東北の辺境および古層信仰圏。
鞍馬天狗は近畿・中国の神話中枢圏。
禰々子河童は沖縄・九州・四国を含む海域圏。
すなわち四死妖とは、単に強敵が四体存在するという意味ではない。
大和という国家を、異なる地理、異なる制度、異なる原理から破壊し得る、四種の超災厄なのである。
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【晴明】
晴明は、四死妖・玉藻前と、御三家・月夜見家当主との間に生まれた魔人である。
妖魔ではなく人間に属する存在であるが、その出自ゆえに、霊力・妖力・神力の三系統を併せ持つ極めて特異な存在となった。
通常であれば両立し得ない術体系を横断的に扱うことが可能であり、単独戦闘能力のみならず、術式構築、禁術開発、精神干渉、結界操作など様々な術の分野に極めて高い適性を示す。
四死妖陣営においては、特に軍師・策謀家としての性質が強い。
とりわけ、玉藻前由来の制度侵食性と、月夜見家由来の裏の術理を併せ持つことから、地域勢力圏を越えて大和全土へ干渉しうる危険人物と見なされている。
晴明は妖魔ではなく人間であるため、寿命そのものからは逃れられない。
霊力・妖力・神力を循環させることで肉体の若さを維持しているが、それでも根本的な老いと衰えを覆すには至っていない。
現在もなお高位の力を保持している一方、その肉体の限界は着実に進行していると考えられている。
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■15. 霊剣
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霊剣とは、人間であれば霊力、妖魔であれば妖力を基盤として刃を形成する、特殊な剣刀類の総称である。
通常の刀剣のような実体刃は持たず、柄と鯉口のみで構成される形式が多い。
使用時に霊力、あるいは妖力を流し込むことで初めて刃が形成される。
ただし、その媒体となる器そのものは、霊核を素材として錬成されている。
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【特徴】
・対人・対妖魔の双方に有効
・人が霊力で形成する刃は青白く発光する
・妖魔が妖力で形成する刃は赤黒く変色する
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【霊核と霊剣】
霊剣の制作には、霊核と、それを加工可能な神匠級鍛冶師の存在が不可欠である。
霊核とは、神仏、妖魔、あるいは極めて強大な霊力を持つ人間が死の際に遺す特殊核であり、霊剣はそれを基盤として錬成される。
そのため霊剣は極めて希少であり、名を持つ霊剣の多くは、神話、戦歴、血統、そして死の記憶と深く結びついている。
また、強大な霊力や神力を持つ者の遺体は、死後に霊核資源として利用される危険性を孕む。
素戔嗚家本家に伝わる瞳術・火之迦具土が、発動時に遺体を骨も術痕も残さず焼滅させるのは、このような死後利用を完全に断つためでもある。
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【人間側の霊剣】
・不動明王
・愛染明王
・布都御魂
素戔嗚家が保有する《不動明王》と《愛染明王》は、仏より授かった霊核をもとに錬成された霊剣である。
また、征夷大将軍が使用する《布都御魂》は、神より授かった霊核をもとに錬成された霊剣である。
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【妖魔側の霊剣】
・茨木童子
・大嶽丸
酒呑童子が使用する二振の霊剣も同様に、強大な存在の遺骸を核として生み出されたものである。
《大嶽丸》は、兄弟分であった大嶽丸を死合の末に斃し、その遺骸から生み出した霊剣である。
《茨木童子》は、配下であった茨木童子が素戔嗚源嵐との死合の末に斃れた後、その遺骸から生み出した霊剣である。
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■16. スキルとは
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現世において「スキル」とは、霊力・神力・妖力とは別系統に属する特殊機能である。
それ自体は出力源ではなく、特定の現象や作用を定型化して発現させる機能に近い性質を持つ。
このため、一般的な術式や武技とは異なり、霊力・妖力・神力を直接消費せずに発動するものも存在する。
術式が、学習・構築・制御を必要とする技術体系であるのに対し、スキルは、すでに完成された機能が器物あるいは個人に宿ったものである。
ゆえに術式は、使い手の理解と練度によって成長するが、スキルは完成品としての性質が強く、獲得時点で一定の機能を発揮する。
現世では、スキルは個人に定着するよりも、霊剣・神具・呪具などの器物に宿る形で存在することが多い。
器に刻まれた機能として扱われるため、武装や祭具の性能差を生む重要要素となる。
一方で、稀に個人へ定着する例も存在するが、その数は極めて少ない。
個人定着型スキルは強力である反面、利便性が高すぎるという問題を抱える。
それに依存した者が鍛錬を怠り、武技・術理・精神修養を疎かにする例も少なくない。
このため、武門や高位陰陽師の間では、スキル偏重を危ういものと見る価値観も根強い。
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■17. 術式体系
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術とは、霊力・神力・妖力を媒介として発現する超常現象の総称である。
その性質は、攻撃・防御・召喚・封印・魂魄干渉など多岐にわたり、武士・陰陽師・神統家系のいずれにおいても、戦闘・儀式・統治の基盤を成している。
このうち禁術とは、世界の理に反する術式、あるいは大量破壊・殺戮・魂魄干渉を伴う危険術式を指す。
禁術は術理上の有用性が高い反面、使用者・対象・周辺環境のすべてに甚大な代償を強いる場合が多く、国家秩序そのものを揺るがしかねない。
そのため、陰陽寮、あるいは特定の一族によって厳重に封印・管理されている。
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【通常術式】
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■口寄せの術
使用者:武士、陰陽師
系統:召喚術/契約術
危険度:低〜中
血による契約を媒介として、対象を遠方から呼び寄せる術式。
召喚術の一種であり、武士は主として武器・霊剣の呼び出しに、陰陽師は契約下にある妖魔・式神の召喚に用いる。
契約の強度、対象との距離、召喚対象の性質によって、消費霊力および成功率は変動する。
基礎的かつ汎用性の高い術式である一方、危険な対象と契約している場合、術者自身が災厄の起点となる危険を孕む。
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■人形分身の術
使用者:武士、陰陽師、一部高位術者
系統:分身術/偽装術/陽動術
危険度:中
対象を霊力で包み込み、その外見を術者と同一に偽装する分身術。
通常の霊力分身と異なり、一撃で霧散しない点に特徴がある。
分身の性能は、素材となる対象に依存する。
対象が術者より弱ければそのまま弱く、逆に強ければ、術者と同等程度まで出力が制限される。
解除条件は、術者自身による解除、対象の霊力枯渇、あるいは対象の死亡。
外見を完全に偽装できるため、攪乱・奇襲・陽動に優れるが、要人襲撃や社会的混乱の誘発に悪用された場合、その被害は極めて大きい。
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■憑依分身の術
使用者:高位陰陽師
系統:分身術/憑依術/遠隔操作術
危険度:高
対象へ憑依することで分身を成立させる術式。
人形分身の術と異なり、術者自身の意識を対象へ直接送り込む点に本質がある。
憑依先の肉体を通して行動するため、遠隔操作でありながら、高精度の戦闘・会話が可能となる。
また、憑依対象の実力が低くとも、術者側の力量によって一定程度まで性能を底上げできる。
対象は、生者・死者を問わない。
ただし、器となる肉体の強度や適性によっては、長時間の使用に耐えられず崩壊する場合がある。
人格侵害・死体利用・潜入工作を同時に成立させる、極めて危険な術式である。
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■封印術:鬼縛爻鎖
使用者:高位陰陽師、封印術適性者
系統:封印術/拘束術/対鬼術式
危険度:高
鬼種の拘束・封印を目的として編み出された封印術。
術者の霊力を鎖の形で具現化し、対象へ幾重にも絡みつかせることで、肉体・妖力・行動を同時に封じる。
特に鬼に対して高い効果を発揮するよう調整されており、単なる拘束に留まらず、妖力の噴出や肉体強化そのものを抑制する封印効果を持つ。
対象が強大であるほど、必要となる霊力と術式精度は増大する。
封印維持中は、術者側も継続的に霊力を消費し続けるため、長時間の維持には向かない。
また、対象の妖力が術者の制御限界を上回った場合、鎖は軋み、最終的には破断する。
高位の鬼を一時的に拘束しうる切り札級の術式である一方、術者への負担も極めて大きい。
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■瞳術:火之迦具土
使用者:素戔嗚家本家筋
系統:瞳術/神力複合術式/自焼処置
危険度:高
備考:遺体悪用防止を目的とする封滅術
素戔嗚家本家筋の左目に施される瞳術。
遺体悪用を防ぐための自害術式であり、正確には「自焼処置」として機能する。
御三家の中で唯一、本家筋を現在まで維持している素戔嗚家には、血そのものに素戔嗚由来の神力が宿る。
そのため、遺体や血肉を悪用された場合、国家級の災厄へ発展する危険がある。
これを防ぐため、素戔嗚家本家の子には、生後間もない時期に天照家当主によって本術が施される。
天照家と素戔嗚家、両家の神力を組み合わせた複合術式であり、発動時には術者自身を、骨も術痕も残さず焼滅させる。
これは単なる自害手段ではない。
御三家における神力管理と、相互監視の名残でもある。
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【禁術】
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■禁術:血統操縛
使用者:玉藻前、晴明
系統:禁術/血統支配術/精神干渉術
危険度:特級
玉藻前が考案し、晴明が完成させた禁術。
術者自身の血がわずかでも流れている相手であれば、血統図を手繰ることで、子々孫々に至るまで干渉・操作が可能となる。
血縁が遠いほど消費する力は大きい。
千年以上隔たった血統にまで干渉可能であるのは、晴明の術者としての力量によるところが大きい。
最大の特徴は、対象本人が支配されている事実に気づきにくい点にある。
自我や判断を自然に誘導するため、外部からも異常を見抜きにくい。
ただし、月夜見家の血に近い者ほど抵抗しやすい。
月夜見家の血が濃い分家筋である輝夜は、神奈への憧憬や嫉妬、蒼天への好意といった感情の揺らぎを突かれて操られていたが、完全に自我を失っていたわけではなく、わずかな抵抗も見せていた。
しかし、術そのものを振りほどくには至らなかった。
また、京華族は血統を重んじ、京都内で婚姻を重ねてきたため、血縁関係が複雑に絡み合っている。
そのため、晴明が本気で行使した場合、京華族のほとんどに干渉可能とされる。
ただし、同時に完全操作できる対象は、基本的に一体のみである。
巽累への乗っ取りが可能であったのも、彼女の血筋に、わずかでも晴明の血が流れていたためである。
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■禁術:留魂縫縛
使用者:月夜見家系術者、高位陰陽師
系統:禁術/魂魄干渉術/留魂術/拘束術
危険度:特級
賽の河原へ向かおうとする魂魄に対し、霊力によって生み出した霊糸を絡め、現世へ強制的に縫い留める禁術。
本来、魂魄は死後、世界の理に従って賽の河原へ流れ着く。
本術はその流れに逆らい、術者の都合で魂を現世へ留め続けるものであるため、禁術に指定されている。
術式構造自体は比較的単純であり、理論上の習得難度はそこまで高くない。
しかし、実際の成否は、対象となる魂魄の強度と、術者が供給できる霊力総量に大きく左右される。
留める魂魄が強大であるほど、必要霊力は飛躍的に増大する。
特に高位術者や、修羅道・黄泉・神域に関わった魂魄を留める場合、通常の留魂術では維持そのものが困難となる。
また、長時間の維持は術者側にも大きな負荷を与える。
霊糸が断たれた場合、対象の魂魄は即座に賽の河原、あるいは黄泉側へ引かれる危険がある。
死の摂理そのものへ干渉する、重大な禁術である。
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■禁術:逆天魂封
使用者:高位陰陽師、魂魄干渉系術者
系統:禁術/魂魄封印術/憑依術/器物封入術
危険度:特級
昇天しようとする魂魄を、特定の器へ封じ込める禁術。
通常、魂魄は肉体を離れた後、賽の河原へ向かう。
本術はその流れを断ち切り、魂を別の依り代へ強制的に封入することで、現世への残留を可能にする。
封印先は肉体に限らず、人形・呪具・器物などの無機物にも及ぶ。
そのため、死者の魂を人ならざる器へ宿らせることも可能であり、通常の留魂術以上に異質性が高い。
術の成否は、封じる魂魄の強度、封印先となる器の適性、術者の魂魄制御精度に大きく左右される。
適性の低い器へ無理に封じた場合、魂魄の劣化・暴走・器の崩壊を招くことがある。
また、封じられた魂魄が自我を保っている場合、器の内部から術式へ干渉し、封印を破ろうとする危険もある。
本来あるべき死後の流れを捻じ曲げ、魂を“物”へ閉じ込めるという性質上、倫理的にも術理的にも極めて重い禁術である。
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■禁術:終極・万象滅却
使用者:素戔嗚由来の神力適格者
系統:禁術/神代術式/殲滅術
危険度:神代級
素戔嗚が伊邪那美を斃すために編み出した禁術。
ただし、実際に行使されることはなかった。
あらゆる万象を滅却することを目的とした、破滅そのものと形容すべき術式である。
術・物質・存在といった区別なく、触れたものすべてを終わらせる。
発動には、素戔嗚由来の神力が必要であり、単に霊力が高いだけでは使用できない。
ゆえに、術式を知っているだけでは意味を成さず、適格者でなければ発動そのものが不可能である。
ひとたび完全発動すれば、通常の術式や防御手段で防ぐことは極めて困難とされる。
大和に存在する禁術の中でも、最上位級の殲滅術に位置づけられる。
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■禁術:八門遁甲・輪廻逆行辿生
使用者:陰陽頭と同等以上の術者八体による儀式行使
系統:禁術/輪廻干渉術/転生術/儀式術
危険度:神代級
輪廻を逆行し、自らが歩んだ生を遡って過去へ転生する禁術。
通常の転生や蘇生とは異なり、今まで生きた道そのものを逆向きに辿ることで成立する。
本来、八門遁甲は開門から始まり、死門に至ることで死へ向かう術理を持つ。
しかし本術では、その流れを逆転させ、死門から入り解門へ至ることで復活を果たす。
発動には、逆行対象と同等以上の力量を持つ術者を八体用意し、それぞれによって八門を成立させる必要がある。
極めて大規模かつ高難度の禁術であり、成功条件は非常に厳しい。
理論上は過去への再挑戦を可能にするが、時間・因果・魂魄の秩序を乱すため、禁術の中でも最悪級の危険性を持つ。
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■禁術:心魂縛潜影
使用者:晴明、月夜見家系高位術者
系統:禁術/魂魄干渉術/精神支配術/記憶操作術
危険度:特級
己の魂魄を分割し、その一部を対象者の魂魄へ潜り込ませる禁術。
対象の内面へ“影”のように入り込み、行動・記憶・感情へ干渉する。
本術を受けた者は、術者の仕掛けた誘導に逆らいにくくなり、強い制約下に置かれる。
行動制限のみならず、記憶の封鎖・改変、さらには好意を憎悪へ反転させることすら可能である。
解除手段そのものは存在する。
しかし、魂魄の内部に直接潜り込む性質上、術者本人でなければ発見も解除も極めて困難である。
解除された場合、潜ませていた魂魄片は対象から離れ、術者のもとへ戻る。
精神支配・記憶操作・感情誘導を同時に成立させる、極めて悪質な禁術である。
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■禁術:牛頭天王
使用者:素戔嗚家適格者
系統:禁術/妖力変換術/肉体強化術
危険度:特級
備考:対外的破壊力に加え、使用者自身の妖魔化リスクを伴う
素戔嗚家に伝わる禁術の一つ。
周囲の瘴気を吸収し、自身の霊力を妖力へ変換することで、妖魔に近い性質を一時的に獲得する。
発動中は、身体能力・攻撃力・耐久力などの戦闘能力が飛躍的に上昇する。
一方で精神面にも強い影響が及び、凶暴性や破壊衝動が増大する。
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■神術:九天落曜砕星
使用者:御三家の神力を併せ持つ者、あるいはそれに準ずる存在
系統:神術/天体干渉術/広域殲滅術/終末顕現術
危険度:神代級
天照の天。
月夜見の縁。
素戔嗚の破壊。
御三家それぞれの神力を統合することで成立する、天体そのものへ干渉する神術。
天照の神力によって天の位相と座標を定め、
月夜見の神力によって天体と地上を縁として接続し、
素戔嗚の神力によって、その結びつきを破滅的現象として断行する。
その本質は、単なる隕石召喚ではない。
天上にある星を地上へ落とすのではなく、天と地を結び、両者の隔たりそのものを破壊へ転化する術である。
本編において晴明が行使したのは、直径六十〜百メートル級の隕石群を複数、平安京へ降り注がせる縮小運用にすぎない。
それですら国家級災厄に相当し、都市・結界・軍勢をまとめて壊滅させうる。
しかし、本来の「九天落曜砕星」は、その程度では終わらない。
真の発動においては、月と地上を“縁”として接続し、天体衝突そのものを現実へ引きずり下ろす。
すなわち、星を砕き、地を滅ぼしかねない終末級神術である。
あまりに規模が大きく、発動者自身にも甚大な負荷を与えるため、完全発動は神代においてすら禁忌に近い。
現代において、これを完全な形で行使できる存在は、事実上存在しないと考えられている。
読んでいただきありがとうございました。
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