91話 メグ少佐は優梨を回復してあげる。
(あれ…ここは…?)
メグ少佐は次第に意識を取り戻した。
(そうだ、あの崖から落ちたんだ…だけど、なぜ…無傷、何だろう…?
いくら私が魔族でもあんな高い所から落ちたら…大怪我していても不思議じゃないのに…?)
「よかった…目を覚ましてくれて…」
「えっ…?」
メグ少佐が振り向くと、体中が傷だらけで額から血を流した優梨が居た。
「その姿…あなたまさか、私を庇って…?」
「よかった…」
安心したのか、その一言を呟いて気を失った。
「しっかりしなさい!」
「ガハァッ…ゴハァッ…」
「そっそんな、ありえない…魔族である私を助けるなんて…」
"私達、本当に戦うしかないのかな…?"
(この子…本当に私達と戦う気がなかったの
…?)
「ハァハァ…」
(この状態…今すぐに回復してあげなかったら、この子はあと数分も持たずに命尽きる…それでいいじゃない、この子は私達の城を攻めるつもりの敵…ほっといたって…)
"よかった…目を覚ましてくれて…"
「ガハァッ…」
(やっぱりそんなの駄目だ…どんな理由があるにせよ…この子は魔族である私を命がけで守ってくれた…恩は返さなくちゃ!)
メグ少佐は決意すると、優梨にディープキスをした。
(わぁぁ…この子の精気、すごく美味しい…こんなに美味しいのは初めて…って違う!これは治療行為なんだから!)
しばらくキスをし続けると、傷は完全に癒えた。
「スゥゥ…スゥゥ…」
「もう大丈夫ね…」
メグ少佐は優梨をかき集めた原っぱにそっと寝かせてあげると、部下のメイド達にテレパシーを送った。
《皆さん、聞こえますか?》
《メグ様だ!》
《メグ様!》
《ご無事だったんですね!》
《ええ…まぁ何とか…今、どこにいますか…?》
《メグ様を捜索するために崖の下に降りて来てます!》
(ということは、あのアリスという少女もすでに近くに来ていると考えていい…)
《ではもしもの時のために決めていた集合場所で落ち合いましょう。そちらに皆さん、向かってください。》
《わかりました!》
「ソノサキユリ…今回だけあなたを殺さずに見逃してあげます…でも城に攻めてくるつもりなら、容赦はしない、次は殺しますから…」
メグ少佐は小さな声で呟いたら、その場をすぐに離れた。
(…さん…優梨さん…)
(誰か…呼んでる…?)
(聞こえますか!返事してください!)
(その声は…メアちゃん…?)
(よかった…やっとテレパシーが通じました…)
(私…生きてるんだ…)
(優梨さん…信じられないと思いますが、メグ少佐が回復してくれたんですよ…?)
(そっか…やっぱり悪い魔族じゃなかったんだね…)
(でも…その回復の仕方が…)
(回復の仕方が…?)
(なっ何でもありません!)
(ほえっ…?)
「ユリちゃーん!!居たら返事してぇー!!」
(アリスちゃんの声だ!)
「ここだよー!」
優梨は起き上がり大声で返事すると、アリスが見つけて、泣きながら抱きついた。
「ユリちゃーん!!」
「むぐっ。」
「ごっごめん?痛かった?」
「ぷはぁ。痛くはないよ…?」
(胸に押しつぶされそうにはなったけど…)
「うぐっ…うぐっ…あんな高い所から転げ落ちたんだもん…アタシ…ユリちゃんが生きてるか…怖かった…怖かったよ…」
「アリスちゃん…」
「本当に生きててよかった…」
「今、メアちゃんから聞いたけど…私、傷だらけで瀕死だったみたい…」
「そっそうなの…?」
「それをメグ少佐が回復してくれたみたい…」
「本当に悪い魔族じゃなかったんだね…」
「だったみたい。」
その頃、天界のメアはというと…
「あの事は私だけの秘密にした方がいいかな…それとも…)
メアは顔を赤くしながら悩んでいた。




