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89話 リーベルの町から旅立つ日。(後編)

「ユリちゃん、アリス。怪我や病には十分、気をつけるのよ?」


「はい。気をつけます。」


「喧嘩しても、仲直りするのよ?」


「フッフ。そんなことわかってるよ。お姉ちゃんは本当に心配性だなぁ。」


「だっだって。」


「二人とも、これ…」


ソフィーは御守りを渡した。


「素敵!」


「これってもしかして手作りですか?」


「うっうん…効力は期待しないでね…?」


「ありがとうございます!嬉しいです!」


「大事にするね。ソフィーちゃん。」


「喜んでくれて、私も嬉しい…」


「オラからはこれだ。」


クマ子はお弁当を渡した。


「もしかしてクマ子ちゃんが作ってくれたの?」


「そうだべ。ミーナママに教えてもらってな。」


「作るのが本当に上手で。私より上手くなっちゃったかもしれないわ。」


「流石にそれはオーバーだべ。」


「ありがとう。クマ子ちゃん。」


「ありがとうね。」


「感謝なんかいいべ…」


「照れてる?」


「うっうるせぇ…」


「相変わらずツンデレさんだね?」


「アリス〜?」


「あはは。ごめん、ごめん。」


「オッホン。お前達が不在の間はこの町の平和はオラが守ってみせるから、安心してお前達は旅に出ろ。」


「クマ子ちゃんが守ってくれるなら安心だな。」


「そうだね。強いもんね。」


「絶対に生きて帰ってこいよ、いいな?」


「うん。約束するよ。」


「必ず二人で無事に帰ってくるから。」


「お前らなら世界を救える。頑張ってくるべ。」


«うん。»


「それじゃあ、お姉ちゃん。クマ子ちゃん。ソフィーちゃん。行ってくるね。」


「行ってきます。」


「行ってらっしゃい。」


「行って来い。」


「待って!」


ミーナが二人を抱きしめた。


「お姉ちゃん…」

「ミーナさん…」


「これを忘れてるわよ。」


そして二人の頬にキスをした。


「今のって…?」

「おまじないのキス…?」


「そうよ。二人が無事に帰ってくるように祈ったわ。」


「お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」


アリスは泣きながらミーナの胸に抱きついた。


「あらあら。今から世界を救うたびに出る子がそんな泣き虫でどうするのかしら。」


「わかってる…でも…」


「頑張ってね。離れてても応援してるから。」


「うん…」


「アリスちゃん…」


「大丈夫。もう平気。行こう。」


笑顔で手を振る3人に見送られながら、優梨とアリスは旅に出た。


「アリスのやつ、本当に泣き虫すぎるべ。」


「そうね…うぐっ…うぐっ…」


「ミーナちゃん。」


「おいおい…あれっ…おかしいなっ…オラまで涙が…」 


「クマ子ちゃん。」


「違うべ…泣いてるわけじゃねぇんだ…これはその…」


「いいんだよ。」


ソフィーは泣く二人を優しく抱き寄せた。


「二人とも私の胸で泣いて。」


「ありがとう…」


『だから…泣いてるわけじゃ…うっう…うわぁぁん!!』


クマ子は大声で泣いていた頃、旅に出た優梨達はというと…


「そっか…クマ子ちゃん…私達を笑顔で見送るために…泣くのを我慢してくれてたんだ…」


「うん…メアちゃんが教えてくれたんだ…」


「アタシ達…色んな人達に応援されて、 旅に出てるんだね…」


「私、異世界召喚されて、最初に来た町がリベールで本当によかった。」


「ユリちゃん。」


「ミーナさん達のためにも、魔王と魔族達を必ず倒してみせる。」


「そんな簡単なことじゃないけどね。」


「だっだよね…」


「でもユリちゃんとならきっと出来るって信じてる。」


「アリスちゃん…」


「これからよろしくね。ユリちゃん。」


「こちらこそだよ。アリスちゃん。」


(私もお二人のサポートになるように頑張りますね!)


(ありがとう。メアちゃん。頼りにしてるよ。)


(はい!)


「ユリちゃん。」


アリスは目を閉じて顔を近づけるとそのままキスをした。


「今のはおまじないキス?」


「聞かなくてもわかってるくせに…」


「えへへ…確か最初の目的地って、サウスって街だったよね…?」


「そう。リーベルからそんなに離れてない距離にある街なんだ。その街の近くの森の奥に魔族の城らしきものがあったって聞いたことがあるの。だけどそれ以上の情報がないから、情報を集めるためにもまずはサウスの街に行った方がいいかなと思って。」


「なるほど。じゃあそのサウスって街を目指して…」


『そこの二人、止まりなさい!!』


«えっ?»


森に入ろうとした二人の前に現れたのはマントを被った集団だった。


「お二人はソノサキユリ、アリスの両名で間違いないですね…?」


「そっそうだけど…?」


「あなた達は一体…?」


「皆さん!」


一斉にマントを脱いで正体を見せると、それはメグ少佐と部下のメイド達で、優梨達に武器を向けた!


「なっ何が起こってるの!?」


「ユリちゃん、よく見て!先頭の女の頭に角、メイド服を着てる女の子達は全員に耳がある!普通の人間じゃないよ!」


「本当だ…?」


「そりゃそうです。この子達は人の姿をした魔物。そして私はメグ少佐、下級魔族です。」


「まさか旅に出た途端、魔族が現れるなんて…?」


「リーベルの町を襲撃するつもりか!」


「違います。用があるのはあなた達です。」


「えっ…?私達…?」


「質問しますが、あなた達、魔族退治の旅に出られたのでは?」


「どっどうしてそれを…?」


「もしかして手始めにサウスの近くにある、魔族の城を攻めようと考えているんじゃ?」


「だったら何だ!」


「ではあなた達にはここで消えてもらいます、覚悟してください。」


「そっそんな…?」


「皆さん、攻撃開始です!!」


«そりゃー!!»


「ユリちゃん、来るよ!!」


「えっ!」


果たして二人の運命やいかに!

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