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88話 リーベルの町から旅立つ日。(前編)

優梨達が魔族退治の旅立つ日が来て、町を出る前に冒険者ギルドに来ていた。


「二人ともお待たせしたね!君達の冒険者としてのランクの更新が完了したよ!今日から正式にAランク冒険者だ!」


「やったね。アリスちゃん。」


「うっうん…」


「さっそくこの腕輪を着けてくれ!」


優梨とアリスはミノリから渡されたAランクの証明になる銅の腕輪を装着した。


「それじゃあ。性能を確かめるから、その腕輪を水晶に近づけてみて。」


«はっはい!»


以前やったように水晶に腕輪を近づけると腕輪から微量の電波が流れて、文字が表示された。


 『名前:ソノサキ・ユリ レベル36

  Aランク女冒険者 職業:なし』


『名前:アリス レベル27

  Aランク女冒険者 職業:戦士 』


「ちゃんと二人とも表示されたみたいだね。」


「本当にAランクってなってる…」


「なんか今になって実感湧いてきたね…?」


「それでユリちゃん。旅に出る前に職業を決めていって欲しいんだ。身分証明に必要だからさ。」


「そういえば、決めるの忘れてました…」


「それを決めるための一週間の指導が色々とあったせいで中止したからね。」

 

「どうしようかな…」


「もしかして特に思いつかない?」


「はい…?」


「じゃあ、私が君にピッタリな職業を選んであげたいだけど!いいかい!」


「ええ…いいですよ…?」


「やった!」


「そっそれで私にピッタリな職業って…?」


「ズバリッ!これだよ!」


ミノリは紙に字を書いて見せた!


「救世主!?」


「そう、救世主!」


「どっどうして…?」


「突然、町にやって来て、冒険者になったばかりなのに魔族を退治したすごい子だから!相応しいと思ってさ!」


「なっなんだ…というか、そんな職業あるんですか…?」


「なければ作ればいいんだ!名乗るのは自由なんだから!」


「あはは…わかりました…それでいいですよ…?」


「ありがとう!さっそく登録しておくね!」


(びっくりした…私が異世界の人間だって知ってるのかと思ったよ…?)


(ですね…?)


「登録完了と!」

 

「ねっねぇ…?ミノリさん…?」


「何かな?」


「本当にアタシまでAランクにしてもらってよかったのかな…?私はリンちゃんに勝てなかったのに…?」


「アリスちゃん…」


「君だってちゃんと実力を認められたから、Aランクに昇格出来たに決まってるじゃないか。だから胸を張っていいんだよ。」


「そうだよ。自身持って。」


「でっでも…」


「それにね、アリスちゃんも絶対にAランクにしてあげてって。リンから王都ギルド本部に推薦があったらしいわよ?」


「リンちゃんがアタシを…?」


「話しよるとそうみたいよ。あの子は私に勝てなかったけど戦ってみて、Aランク並の素質はあると認めたからってさ。」


「そんなこと言ってくれたんだ…」


「よかったね。アリスちゃん。」


「うっ嬉しい…」


アリスは涙を流しながら喜んだ。


「うちのパ…いいえ、隊長もすごく褒めてたよ。

 今日、王都を出て明日には帰ってくるらしいから、オレが帰ってきたらギルド総出で、盛大に祝ってやらなきゃな!って。」


「なんか悪いな…」


「だね…?色々とお世話になったのに何の挨拶もしないで町を出るんだもんね…?」


「気にしないで。隊長も二人の気持ちはわかってくれると思うから。」


«ミノリさん…»


「それにしても寂しくなるわね…あなた達の顔を当分、見られないと思うと…」


「アタシもだよ…」


「私もです…」


「無事に帰ってきてね。君達ならきっと魔王達を倒して、世界を平和にしてくれるって信じてるから。」


ミノリは二人の肩に手を置いて、涙目になった。


「魔族は必ず倒してみせるよ。」


「それに二人で無事に帰ってくるから。」


「期待してるよ。うちの期待のルーキー達。」


«はい!»


そしてギルドを出た二人はクマ子とミーナ達が見送りのために待っていてくれている町の門に向かった。


「ミノリさんってやっぱりいい人だったね。」


「感謝してる。ミノリさんはもう一人のお姉ちゃんみたいな存在だから。」


「うん。私もそう思ってる。」


「あっ!ランクのことばかり考えすぎて、自分のステータスをちゃんと確認するの忘れてた!」


「だったらまたギルドに戻ろうか?」


「でもな…今、引き戻るのはなんか恥ずかしい気がするし…」


「そっそう…?」


(安心してください!お二人のステータスは私のスキルで見せてあげられますよ!)


(そっか!メアちゃんはそれが出来るんだったね!)


「アリスちゃん!私をサポートしてくれてる天使の子がスキルでステータスを見せてくれるって!」


「天使さんってそんなことまで出来るんだ…?」


「お願いする?」


「うっうん…?」


(だってメアちゃん、お願いするね。)


(わかりました!能力を共有するためにアリスさんと手をつないでください!)


言われた通り二人は手を繋いだら、それぞれの視界に自分のステータスが表示された。


「園咲優梨のステイタス」


(なるほど…なるほど…)


「アリスのステイタス」


 現在:レベル27 職業:戦士


 体力:170 攻撃力:120 防御力:69 俊敏さ:100

 優れた勘:60 術力:55 魔力パワー:125


感情スキル「恋する少女の怒りのパワー」

《覚醒:魔力全開放モード。》


「すごい、すごい!アタシのステータスがちゃんと見れてる!」


「でしょう?」


(あれっ…?この覚醒:魔力全開放モードってなんだろう…?)


アリスが自分のスキルの変化に首を傾げていたその時である。


「お〜い!お前達〜!」


「アリス!」


「今の声は!」


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