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85話 優梨vsリン(後編)

「ハァハァ…くっ…」 


「こんな程度の術でもダメージがあるなんて、もう諦めた方がいいんじゃない?」


「まだ私は…」


すると優梨の背中の天使の羽が消えた!


(そっそんな…天使の羽が…?)


(百合妄想で得た魔力だけだと天使の術は出せても、長くは持たないんです!)


「おや、奇跡もここまでってか?」


「くっ!ファイアー・ショット!」


リンに炎の弾丸をぶつけた!しかし!


「しょうもな、そんな術、Aランクの私に効くわけないんじゃん?」


「術がヒットしたはずなのにダメージがないなんて…?」


「オラッ!」


「グハァッ!!」


優梨は腹を思いっきり殴られて血を吐いた!


《これは思ったよりダメージが大きいようだ!中々、起き上がれずにいます!》


「ユリー!!」


「ガハッ…ゴハッ…」


「これでもまだ勝てると思ってるわけ?」


「ハァハァ…私は負けるわけにいかない…」


《渾身の力を振り絞り、起き上がった!》


「粘るんじゃねぇよ!」


「ガハァッ!!」


優梨はさらに強い蹴りを入れられた!


「もういい加減ギブアップしなよ?」


「絶対に…しない…」


「だったら、これで終わりにしてあげる。」


リンは手を片手を上げて、空に再び積乱雲を作り出した!


《ついにこの激闘に終止符が打たれるのか!》


「今のあんたなら確実に当てられる。」


(どうやら…ここまでかな…)


(諦めないでください!!百合妄想で魔力を回復させればいいんです!!)


(きっと駄目だよ…)


(えっ…?)


(何度、魔力を回復させても倒せない…私とあの子の実力差は明らかだよ…)


(優梨さん…)


(ごめんね…必死にサポートしてくれてたのに…?)


(謝らないでください…優梨さんは頑張りましたよ…)


(ありがとう…でもアリスちゃんになんて謝ったらいいのかな…)


「立ち上がれ、ユリー!!」

「立ち上がってー!!」


《このままリン選手の勝利になるのかー!》


(アリスちゃん…ごめんね…)


『ユリちゃん、諦めないで!!』


「えっ…?」


すると振り向いた先にアリスが居た!


「アタシは信じてる!!優梨ちゃんは!私の好きな人は!最後まで諦めない人だってぇ!!」


「アリスちゃん!!」


優梨の胸が高鳴った!


「いくら応援した所でもう遅いわ!くらいなさい、サンダー・ボルト!」


優梨に目掛けて雷が落ちた!


「ユリちゃん!!」


「ありがとう…アリスちゃん…」


「なっ!?」


雷が直撃したはずの優梨だったか、平気で立ち上がっていた!


『そうだった…私、大事なことを忘れるところだった…』


「私の雷攻撃は魔族だって倒してきたのに…?あんた一体、何者なの…?」


『大好きなアリスちゃんのためなら、私は限界を超えられるんだー!!』


「眩しい!!」


その瞬間、優梨は神々しいオーラを纏った!


(この力ってまさか!女神様から聞いた覚醒モード!)


「なっ何が起こったの!?」


『あまり痛くしないから。』


「えっ?」


優梨はリンの腕を掴んだ!


「なっ何をするつもり!?」


『そりゃー!!』


「きゃぁ!!」


そして一本背負で強く床に叩きつけた!


「ふぅ…」


「はろぉら…ほるへぇ…」


「姉さん!?」


するとレフリー係の隊員のお姉さんが倒れるリンに駆け寄った!


「リン選手!気絶しているために戦闘不能と判断!

 よって、この勝負!ソノサキユリ選手の勝利です!」


《かっ会場の皆さん!見てましたか!急転直下とはこの事です!模擬戦二戦目、勝者はソノサキユリ選手です!》


«ワァァ!!»


«やったー!!»


会場が大いに沸いて、クマ子とミノリは抱き合って喜んだ!


「そっそんな…姉さんが倒されるなんて…?」


「ありがとう…ユリちゃん…」


「よかったね。ミーナちゃん。」


「ユリちゃーん!!」


アリスは優梨に抱きついた。


「アリスちゃん。」


「きっと仇を討ってくれるって信じてたよ。」


「応援に来てくれて、ありがとう。アリスちゃんの声ちゃんと届いたよ。」


「ユリちゃん。大好き。」


「私だって。」


二人が喜びを分かち合っていると、救護係の隊員達が担架でリンを運び始めた。


「しっかりして!」


「怪我はないみたいなんですけど、完全に気絶しちゃってるので救護室に運びますね?」


「はっはい…お願いします…」


リンは救護室に運ばれて行った。


《ソノサキユリ選手?次の戦いの前に休息を取りますか?》


「いえ、結構です。まだまだ戦えます。」


《わかりました!では続きまして、模擬戦最終目に参りたいと思います!ロン選手!バトルフィールドにどうぞ!》


「えっ!はっはい…」


「それじゃあ。次の戦いも見守ってるから。」


「うん。頑張るよ。」


優梨とロンはバトルフィールドの中心に集まった。


《それではお二人が揃ったので、模擬戦を開始したいと思います!READY…》


「ちょっと待ってください!!」


「えっ?」


《どうかしたんですか?ロン選手?》


「降参です…」


《今なんて…?》


「だから降参したいんですぅー!!」


「えっ…?えっーーー!?」


会場にいる全員が一斉に驚いた!


《まだ戦ってもいないんですよ!?本当に降参していいんですか!?》


「だっだって…」


《だって…?》


「姉さんが勝てなかった相手に私が勝てるわけないもん!!戦うなんて怖いよぉ!!」


ロンは普段の大人びた態度からは想像もできないぐらい、幼い子供のように泣きじゃくった!


「あらら…」


《あはは…ロン選手の降参宣言により、ソノサキユリ選手の不戦勝となったので…只今をもって、模擬戦の勝者は優梨&アリスチームに決まりました…》


まさかのロンの一言で、模擬戦は優梨達の勝利で幕を閉じたのだった。




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