84話 優梨vsリン(中編)
優梨とリンが激戦を繰り広げていた頃、救護室でアリスが意識を取り戻した。
「あれっ…」
「目が覚めたのね。」
「お姉ちゃん…」
「アリスちゃん。」
「ソフィーちゃんも…ここって一体…どこなの…?」
「救護室よ。」
「そっか…アタシ…リンちゃんに勝てなかったんだよね…」
「最後まで諦めずに戦って偉かったわね。」
「そうだよ。かっこよかった。」
「あなたを妹に持てて誇りに思ったわ。」
「うぐっ…うぐっ…」
ベッドに横たわるアリスは大粒の涙を流した。
「今はゆっくり休んで。」
「次の戦いはもう始まってるの…?」
「ええ。ついさっき始まったわ。」
壁に設置された小型モニターを指差した。
《ソノサキユリ選手!リン選手の攻撃を躱すためか、再び空を飛んだ〜!》
「ユリちゃん…」
「空を飛んでれば攻撃が当たらないと思ってるんだろうけど、残念、私は空を飛ぶ相手に有効な術も唱えられるんだから!」
リンは空中の優梨に手をかざした!
(なっ何をしてくるつもりなのかな…?)
(優梨さん、上を見てください!)
(上…?えっ!あれって、まさか!)
するとバトルフィールドの上空に突然、積乱雲が現れた!
《ステージ上空を覆うように積乱雲が現れました!リン選手、一体、何を始めるというのでしょうか!》
「ビリビリに感電させてあげる!『サンダー・ボルト』!」
ピシャンッ!と大きな雷鳴を轟かせて、雷が優梨を目掛けて落ちた!
「んな!馬鹿な!」
「ユリ、逃げろ!!」
「駄目だ、直撃するよ!!」
(優梨さん!エンジェル・シールドと唱えてください!)
「わかった!エンジェル・シールド!」
優梨は間一髪、メアの冷静なアドバイスのおかげでリンの雷攻撃を光の盾で防ぐことが出来た!
《ソノサキユリ選手!リン選手の雷攻撃をうまく防ぎましたが!あれをまともにくらったら感電どころか、丸焦げになるに違いありません!あっでも観客の皆さん安心してくださいね。観客席は攻撃を弾く特殊なバリアで守られてますから。》
「一度、防いだからって、終わりだと思わないでね!」
「ぐっ!!」
すると威力を増して雷攻撃がやってきて、盾に次第に亀裂が入ってきた!
「いつまでそうして耐えられるかな、観物じゃん!」
(このままだと盾がもたない…どっどうしたら…)
(私にいい考えがあります!聞いてくださいますか!)
(本当!聞かせて!)
優梨は亀裂だらけの盾で雷攻撃をなんとか防ぎつつ、メアの作戦を聞いた!
(一か八かの賭けにはなりますが、やりますか…?)
(メアちゃんが考えてくれた案だもん。信じるよ。)
(優梨さん。)
(じゃあ、やるよ!)
すると優梨は光の盾を自ら解いた!
《ソノサキユリ選手、自ら光の盾を解いた!このままでは雷が直撃することになるぞ!》
「おやおや?観念でもしたのかな?」
それをモニターから見ていたアリスは怒りを顕にしていた。
「そっそんなはずない!ユリちゃんは最後まで諦めたりするもんか!」
「落ち着いてアリス!」
「そっそうよ!まだ完全に魔力が戻ったわけじゃないんだから!動いたら駄目よ!」
「ごっごめん…つい…」
「信じましょう。ユリちゃんはアリスと同じ心が強い子。簡単に諦めるはずがない。」
「お姉ちゃん…」
「仕方ないな?私、優しい性格だから、雷をヒットさせて、丸焦げにしちゃうのも可哀想ちゃ可哀想だし?今すぐに『調子に乗りすぎました。さっきの生意気な態度を許してください。』って素直に謝って降参するなら、雷を落とさないであげてもいいよ?どうする?」
「誰が…」
「ねぇー?」
「誰が降参なんかするもんか!!」
《リン選手の提案を断った!》
「あっそう、ならとっとと丸焦げになりな!逃げ場がないようにいっぱい雷を落としてやるよ!」
いくつもの雷が迫ってきた!
「終わりだよ!」
(一か八かこれにかける!)
「『エンジェル・スピード!』うぉぉぉー!!」
優梨は逃げ場がないほど雷が落ちる中を目にも止まらぬ速さで飛行して、そのまま地上にいるリンに向かって行った!
《ソノサキユリ選手!等々、勝負に出たようだ!》
「馬鹿じゃないの!こっちまで来れると思ってんの!」
「行ってみせる!!」
「頑張って!!」
「奇跡を起こしてくれ!!」
「ユリー!!頑張るべー!!」
「ユリちゃんー!!」
(あともう少しです!!頑張ってください!!)
「やっちまえー!!」
「届け!!」
「やっやるじゃん?でも、ウィンド・シールド!」
リンは動揺しながらも、迫る優梨を風の盾で吹き飛ばした!
《惜しい!反撃とまではいきませんでした!》
「チクショ!あともうちょいだったのに!」
「あの状況でもすぐに対応できるなんて、流石はAランク冒険者…」
「ハァハァ…」
「せっかくのチャンスを無駄にしちゃったわね?」
「まだまだ…これからだよ…」
「その割にはきつそうな顔してるけど?体力と魔力を半端なく使ったんじゃない?」
「それはあなたもでしょう…?」
「正解、私もかなり魔力を消費した。残ってて精々、半分ぐらいかしらね?」
「半分もあるんだ…参ったな…」
「当たり前でしょう?伊達にAランクじゃないのよ、ウィンド・ショット!」
容赦なく、リンは強風を出した!
「きゃぁー!!」




