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空色空想ネスト  作者: グレーミー
Chapter4「剥離」
47/52

プロジェクト・レブンズ3

澄み渡る青空に一点の黒点。

広がる混濁は、濃く、深く。

「最悪」は、動き出しました。


少女は突飛な出来事と出会いの連続と、日常からの剥離に気付く頃。

限られた選択肢は刻々と手元から消えていきます。


──目に見えぬ暗雲から、思想と思惑の雨が降り始めます。




※機密書類につき、要厳重保管。


・プロジェクト レブンズ

~研究途中経過資料~


当管轄内での成功個体全7体のコードネーム及び『役割』の分担が完了。

個別呼称は随時変更可能である。


___________________________

レブンズ01 [統率型] 「シンフ」

レブンズ05 [夜行型] 「ノク」

レブンズ28 [共鳴型] 「ソーナ」

レブンズ36 [反復型] 「ロロン」

レブンズ44 [独立型] 「ケルツ」

レブンズ49 [無形式] 「リオ」


レブンズ00 [万能型]

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

*レブンズNo.00であるラプソディの捕獲が難航中。

最悪の場合、管轄下にある6体のいずれかにラプソディの役割を継続させ、放棄する方針。

しかし、この個体の研究価値は他6体を優に上回る。

この案件を最重要案件とし、利用可能な権利を最大限、又はそれ以上に行使し、案件の早急な解決に向ける。




《作成者》

〈政府研究開発独立機構 GRDIO〉

【プロジェクト レブン担当研究員】

[キリヤマ ユキヤ]







____コーバスシティー

グラディオ特殊研究棟?-?-?



「今日は何を…するんですか…?」



カプセルから出され、真っ先にベットに寝かせられて拘束具を付けられる。



「あの……ぇ…?」

「それで何をっ…!?」

「やだ!!目ぇ引っ張らないでぇッ!!!」

「いぃッ!!!いやっぁぁ!!やめ………」



グチャ……



「ああああぁぁぁぁッッ!!!」

「ぁいぎぃぃぃ……たぃ目ぇァッッ!!!!」


「五月蝿いですよー?これも研究の一環なんですからガマンしてくれないと〜」



情けない声を上げる身体。

この時点で失敗してるも同然だ。

それでも一番最初よりはマシになった方で、あの時の方がもっと杜撰(ずさん)な姿を晒していた記憶がある。



「ぎィイィ………ぁぁ…………」

「まだまだダメですかねぇ〜」

「ィ…………たぃ……ッ…ぢが……」



最初はもっと酷かった。

ちょっと首を切られたりするだけで血が出て………



「後は〜……」

「こことかぁ?」

「もぅ…やめ…て……」

「残念ですがぁ、止める訳には…いかないんです……よぉ!」

「いゃ…!おへそに何を………ぅぐぁぁぁぁッッ!!」



あまりにも虚弱で、血が出ればグッタリしてすぐに動かなくなって。変な声を出したり、目が変な方向いたり。ただただ滑稽だった。



「これかなぁ…っとぉ〜?」

「……………ひぃっ…ぅぅぅああぁぁぁッ!!!」



ニュルニュル……!!ドボォッ……


切り裂かれた腹から内蔵が勢いよく不快な音と共に引き抜かれる。



「いあぁぁぁぁぁぁあぁあああああっ!!!」



無理やりに手を動かす博士の手は汚い赤に染まって、目は狂気と殺意に満ちていた。いつも見てきた姿。その姿をいつも、いつも濁りきった視界に歪んで映し出される。



「ぁぁ……うぐ…ぃぎぅぅ………ッぁ…………」



ただ叫ぶだけ。今のこの身体にはこれ以外に出来る事はない。

目は片方引っこ抜かれて、今も眼球が入っていた穴からダラダラと血が流れ出ている。

お腹はヘソに手を突っ込まれて両手で割かれ、お腹の中をグチャクチャに掻き回された後、何処か適当に内蔵を掴んで引っ張られている。


──グッ……



「あがぁっ……はッ………っはぁ……っはぁ………うぅうッ!」



伸ばし切るとこまで伸ばされた腸は全部体外に出し切り、博士は最後だとばかりに思いっきり力を込めて引っ張った。


ブチッブチッ……ベチャ…


お腹は中に入っていたものを全部出してペッタンコになって、ボロボロに割かれた真っ赤なお腹になった。



「ヒュー…ヒュー……ぁっ、げほっ」



肺にも傷が付いたのか空気がうまく吸えない。口からは逆流した血反吐が垂れる。

でも、死なないし、死ねないこの身体。

博士が作ってくれたこの身体。

博士のために耐える。

いつか博士はこの痛みを消してくれるみたい。

痛くないなら、死ねなくてもいいかな。



「もう少しですかねぇー」



博士は動けなくなった身体を見てそう言った後、首を掴んで持ち上げた。空っぽになってる身体は軽くなって今も液が流れ出ている。

片手で掴まれた身体は再びカプセルに放り込まれて扉が閉まる。


そのまま身体には麻酔がかけられて、カプセル内によくわからない液体が満たされていき、ボロボロの身体は眠りについた。

そしてまた、起きたら直ってるその身体は、この人のために使われる。

これで10回目。次で11回目。この人は身体の完成を待ってる。

別に私を待っているわけじゃないと、知っている。


でも私は我慢するよ。

この人が痛みを消してくれるその時まで……。

私は待つ。

外に出してもらえるその日まで、そして出してもらえたら、絶対に……必ず──。


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