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空色空想ネスト  作者: グレーミー
Chapter2「黒鳥」
23/52

平凡な私は空を見る

なにかと変わらない、いつもの毎日。

そんな日を繰り返して金曜日。休日に向けていつも通り学校へ行く。


こんな飽き飽きする普通の毎日が、次の日の休日にはその毎日から外れた日常が始まるなんて、思いもしなかった。




___ラスター学園内


「___で、あるからして、このようにグラディオの成長はここまで巨大に且つ、広域に知られるようになった訳だが……」


日がよく当たる窓際の一番後ろの席。どこかよくあるその席は温かい温度と今日最後の授業ということもあってか、とてつもない眠気が誘ってくる。

誘惑に負け、半分失いかける意識のまま、窓の外を眺める。

空……青いなーー…


「……おい、笠南ー!聞いてるのか?」

「は、はぃっ?!」


突然名前を呼ばれて、半分飛んでいた意識が戻る反動でその場に立ち上がってしまい、クラスのみんなの視線が一点に集中する。


1クラスに40人弱、それがほとんど一斉に振り向いたら、なかなかの迫力。なんと言っても恥ずかしい。


「えーと……何でしょうか、先生?」

「寝てただろ、笠南」

「……す、すみません!」


私はみんなからクスクスと笑われて、先生は呆れ顔。隣の友達からは「ルリだいじょぶ?」と苦笑されてしまった。


うぅ……恥ずかしい……。

しかも、ノートを途中までしか取ってなかったのに先生は「続けるぞー」と言って黒板を真っ白にしてしまった。

どうしよ……。辺りをチラチラ見ていたのに気がついたのか、さっきの友達からノートが手渡された。開くとページ隅っこの方に(はやく書きな)と、メッセージが書いてあった。


アイコンタクトで(ありがとう!)と伝えて早速写し始めた。


ノートは綺麗にまとめられていて、先生の板書したものより見やすかった。

写しながら大体の授業の内容が記憶から浮かび上がってきた。

今日の現代社会科の授業は、グラディオについてだった。


___グラディオ。

一言で言えば、街が作られた時からある研究所。

でもただの研究所じゃなくて、政府から独立していて、許可を取らずに研究ができる特権を持っている。

これだけでもすごいけど、そのスケールにも驚かされる。

コーバスシティーの北側の殆どとコーバス川の一部にダムの土地を持っていて、街にある他のビルとは少し雰囲気の違う、沢山のそびえ立つ無数の建物に私も初めて見た時はビックリした。

ちなみに、学校があるのもコーバスシティーだからここからでも施設が建ち並んでるのが見ることができる。施設の裏は山々が並び、森林が生い茂る一部にダムがある。


最初はただの大きい研究所って見られていたけど、最新技術を開発して提供したり、最新型の電子機器や家電を作ったりして街の発展を支えた。

いつしか巨大企業みたいに私たちの私生活にも深く浸透していくうちに教科書にも載るようになった。


グラディオは就職先としても人気が高いけど、この学園からは数人しか就けない、難関就職場所になっている。

最先端から少し離れた場所にいる私にはちょっと無縁かな……。

それがグラディオ。



しばらくして、ようやくノートを全て写し終わり、無事に授業を終えることができた。

授業が終わったら、校内清掃をしてクラスに戻った後、先生からの連絡事項を聞いてる頃には下校時間になる。

私は部活には入ってないから、特に放課後学校に残ることなく一足先に駅に向かう。


自宅は隣街にあるから行き帰り電車を利用する。

各駅停車で進みながら、15分程で到着するのが『ビルゴシティー』。住宅街が広がる閑静な街。


駅からまた10分位歩いた所に、私の家がある。

一軒家で二階建ての家は、今の私にはちょっと大きすぎるかな……。


「ただいまー」

普通の家庭ならあるかもしれない返事は返ってこない、当然だよね。


両親は、まだ街が発展する前の頃に病気で亡くなってしまった。

医療技術がまだまだで、グラディオもできる前。私も小さかったから、ほとんど顔も記憶も覚えていない。

今は街の外に住んでる親族の人たちに仕送りをしてもらったり、アルバイトをしたりして生活している。

久しぶりに思い返していると寂しくなってきちゃうな…

でもクヨクヨしてしていても仕方ない。「(宿題とか夕食とか……あと………)」

あれこれと無理やりやる事を考えて、できるだけ気にしないようにする。


夕食を終えて、お風呂に入って寝る準備をしたあと、そのまま二階に上がって自分の部屋のベットに寝っころがる。


「(ふぅー…つかれた……)」

一週間の疲れのせいか、横になっているうちにウトウトし始め、そのうちに寝てしまった。


明日は休日。何をしようか。

そんな事を考えながら眠りに落ちていった。


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