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なんとか食いつなぐ話 2

「美味い」


目の前に並ぶ料理を一口食べ思わず言葉が漏れた。


女将さんが大盤振る舞いで作ってくれた料理はどれも美味しかった。

特にこの店、銀の突き匙亭の名物料理だというツノブーブの腸詰めとヒレ肉の煮込みは絶品だった。

酸味のあるトマや炒めたオニーンと一緒に煮込んであるたっぷりのマーメのまろやかな食感とツノブーブの肉の旨味が絶妙に合い、もう一口もう一口と食べたくなってしまうクセになる味わいだ。

コーメと一緒にモーモのチーズをこれでもかってほどのせて魔火オーブンで焼いても美味しそうだ。


すっかり腹も膨れ、食事のお礼に中休みの時間に他の魔工具も簡単にメンテすると言うと女将さんはなんとも上機嫌になってブルーメにあれやこれや話を聞いてきた。



「それでアンタはいま無職で食べるものに困ってるのかい?なら、しばらくうちの食堂を手伝いな。まかないとほんの少しだけど日銭も出せるよ。移民?目も鼻も口も同じ数ついてるのにアタシらと何が違うさね。バカバカしい」


渡りに船とはこのこと、心の広い女将さんに一生懸命働くから是非にとお願いしブルーメは頭を下げた。


本当にありがたい。これで何とか食いつなげる。



次の日から、さっそく銀の突き匙亭で働き始めた。


仕事は主に皿洗いと料理のお運びだが、そこそこ人気がある店なのに俺以外に店員がいない。


聞くと、前まで手伝ってくれていた人が腰を悪くして辞めたという。

女将さんは俺が来て楽になったと喜んでいるが、俺がいなくなったらまた一人で切り盛りするつもりなのだろうか。



夜の営業時間になると仕事が終わった客で店が賑わい始めた。慣れない料理運びに足をもたつかせていると聞いたことのある低い美声に呼び止められた。

  


「こんな所で何をしてるんですか」



反射的に顔をあげた先には、一度見たら忘れられないだろう神々しいイケメンが立っていた。


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