転職とは 3
試験は計算問題と論述問題だった。
計算は、魔気制御・魔気回路についての問題や、魔気関数の基礎知識を問うものなどだったが、魔気の変換効率や抵抗値の問題なんかはなかなかにクセモノの引っ掛けで、つい先日まで現場にいた自分でも一瞬頭をひねってしまった。わざと問題文に書かなかっただろう部分を考慮しながら計算しなければならないのだ。作問者はなかなか巧妙に罠を張ってるとブルーメは解きながら思う。
論述問題は、一般的に広く普及している魔工具の一つを選び設計式を記述し、その素材や歴史、様式的特徴の説明を含めつつ自分の設計理由を解答するもので、自宅に置いてある魔冷庫について書いた。
魔石の消費量を一般のものの半分におさえ冷凍機能もつけてある。一般的な魔冷庫からかなり改良しているのでそのことについても記述しておいた。
最後の問いは、現在の魔工技術の問題点と解決法について論述せよというもので、魔石依存の問題や伝統魔工具の後継者不足の問題など、ブルーメが、それはもう、ずっと前からこうすればいいんじゃないかと思っていたことを他者と共有する機会がきたと、試験中に不謹慎かもしれないがワクワクしながら解答してしまった。
自分の解答を見直し、ふうっと息をついたところで試験終了の合図があった。
楽しかった。
自分の意志で受けに来たわけじゃなかった試験だけれども、妙な達成感にブルーメは身震いした。
結果は一週間後に、この会議室に貼り出されるらしい。
喧嘩を売ってきたアイツらに会うのは嫌だけど、計算問題の解答も出るそうだから答え合わせに来てみるか。




