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出来損ないと追放された魔工士、ゴミから作った魔工具で成り上がったら手フェチの王弟殿下の執着が重すぎた件  作者: ぺそぺん


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奇才異才は美味そうにコーメ握りを喰む者2

問7. 境界固定パラドックスについての実運用論議


――観測によって結果が固定される系における、理論と現実の対極的視点――



観測込み同期演算  理論上の制御可能性

(変動する状態を観測・同期し制御する)


使用しない  現実安全性の優先

(固定による事故・暴走リスクを回避する)





最高学府の、文字通り理論の最も高みにいる面接官達はざわつく気持ちを抑えられないかのように早口に言葉を紡ぎ続けた。


「稚拙な言葉だが、筆記得点は偶然ではないのかもしれない…」

「発想は興味深いが再現性がなさすぎるのでは?」

「そもそも、あれは解答として成立するのか…?」

「それに、危険ばかりを唱えていても現実は発展しない」

「あんな曖昧な感覚論は魔法工学ではない」



「アイゼンフェルトの美しい理論。あれこそ、この学院に相応しい」




議論が白熱するなか、コンコンとドアがノックされた。



「本日の公開実験用の魔気電池が到着しました。アンゲーベン商会のイディオット様が挨拶に来られたのですが……」



「通してくれ」



答えのない論議を中断するには丁度よい理由ができ、面接官の長は一呼吸置いたあとにそう応えた。


今日は学院が提携する商会の最新型魔気電池の公開出力実験が行われるため、学院内は学生で溢れていた。


「周波数同期による魔気電池並列運用の高効率化実験」


それは史上初の実証実験として各方面から注目を浴びていた。



「今日がグリンベルク王立学院と我が商会の記念すべき輝かしい日となることでしょう」



自信満々に手を差し出すイディオットに、面接官長は軽くその手を握り返し秘書官に公開実験場への案内を指示した。 



樽ほどの大きさの魔気電池が次々と実験場に運びこまれていく。



―グリンベルク王立学院とアンゲーベン商会が築く、新時代の到来―



高く掲げられた垂れ幕にはきらびやかな金糸銀糸の刺繍でそう綴られていた。





広い学院内にそんな喧騒の場があるとも知らぬブルーメは、コーメ握りを半分食べ終わり会議室に戻るためにキョロキョロと帰り道を探していた。



「おい、そこの銀アタマ」



溶けた琥珀のような瞳が、銀色を呼び止めた。




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