医務室とは、診察や医療のために設けられたへや
医務室には、入口に背を向けた男性が一人。
「ラ……ヴァルツァー、さん…」
青みがかった艶やかな黒髪。抜群にスタイルの良い体躯。
振り向いた彫刻のようなイケメンは形良い眉を片方だけ上げた。
「ライモンド」
「え?」
いつの間にかその美しい顔が至近距離にある。
惚れ惚れするくらい綺麗な鼻筋。
「ライモンド、と呼んでください」
あの濃くて甘い香りに包まれ、返事をすることも忘れた。
肩を抱かれ、抗う間もなくベッドに座らされる。
指先が、鎖骨をなぞる。
「脱いでください」
低い声に心臓が、うるさい。
長い指が触れているところが、熱い。
切れ長の翡翠に閉じ込められ、息ができない。
「治療、しますから上着を…」
「あ…そういう……」
自分の勘違いに恥ずかしくなって、ガバっと上着を脱いだ。細い腕の動きに合わせ華奢な身体が捩れ、白い胸元と鎖骨が露わになる。
ライモンドが一瞬、何かに囚われたように固まった。
けれどすぐにその美しい目元を細め、白い口元を見せた。
低い美声が少し掠れ、吐息が混じる。
「……無防備すぎですよ」
どこか手慣れた、まるで医師のような手つきでゆっくり手を這わせる。
首筋から肩…腕……背中………腰
そうして塗り薬を華奢な鎖骨まわりに丁寧に塗り広げた。
「良かった。折れてはないようですね」
耳元で囁くような安堵の声。
ゾクゾクと背筋が震える。
心臓がまたうるさく鳴いた。




