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試験結果 2 俺が出来損ないと呼ばれた理由

筆記試験の合格者は10名。


最低点は500点で800点以上を合格としているようだ。


俺の次の2位の人は、925点。

60点も、差がある……俺の点数、何かの間違いじゃないんだろうか。


貼り出された紙の前でしばらくぼうっとしてしまった俺は、合格者に案内を促す声でハッと我に返った。



「筆記試験の合格者はこちらで履歴書を記入して研究業績を提出してください」



若い男性が合格者の履歴書と研究業績を預かっている。

研究業績は論文が主のようだが、論文とともに立派な魔工具を提出している者もいた。遠目に見てもいい素材を使っていて高そうだ。



俺は履歴書を貰い、サラサラと記入する。

書ける経歴がほとんどないのですぐに書き終わってしまった。

受付をしていた若い男性に履歴書と、銀の突き匙亭から持ってきた、あの皿を提出した。


いかにも使い込まれた中古の皿を見て若い男性はどうやら魔工具とわからなかったようで、これは? と怪訝な声で問うてきた。



「料理の保温皿です」



後ろでプッと失笑する声がした。

先ほど立派な魔工具を提出した男性だった。



同じ魔工具を作る人間なのに他人の製作物を笑うなんて。確かに新品のピカピカではないけれども。性格が悪くても頭は良いのか……関わりたくないな。



ブルーメは、トラブルになる前にさっさと帰ろうと学舎の外へと足を向けた。


保温皿を受け取った男性が、これはとんでもなく緻密で無駄の全くない設計式だと皿の裏に目を奪われていることには気づきもせずに。


学舎の出入り口まで来たときに、先ほどの受付係の若い男性に大きな声で呼び止められた。


「ブルーメさん、第1位合格のブルーメ・クンツェさん。記入漏れがありますので受付までお願いいたします」


ブルーメの名前が呼ばれた途端、合格者もそうでなかった者も、その場にいた者全てが一斉に声のする方を見た。

2位と60点も差をつけて筆記試験1位になったのはどんなヤツなんだ。今まで見たことも聞いたこともない名前だが他国の貴族か研究者なんだろうか。

一目見たい。

そんな緊張感が場に走った。



だからブルーメが受付に現れると、その風体に一同驚愕した。


明らかに貴族ではない。伸び切った髪を適当に一纏めにして、小柄な身体には少し大きい上着を羽織り、作業着のようなズボンを履いた少女のような男が現れたからだ。



場にいた者のなかで、べったりヒョロ男はブルーメが筆記試験の時に笑った相手だと気付いて顔面蒼白になったあと、今度は顔をレッドスライムよろしく紅潮させてブルーメに詰め寄った。


「そんな馬鹿な……この私を差し置いてお前のような下賤な奴にあんな点数が取れるわけがないだろう!お前、不正をしたな?!」


そもそも10位以内にも入っていないのに何を言うのだろうか。

だが、それを皮切りに不合格だった貴族を中心にブルーメの不正を訴えるざわめきが場に広がっていった。


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