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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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23/25

春名:どうしよう……


 

 丁度校舎の角を曲がったところで、ばしゃっと水がかかった。

 

 

 「あ、ごめん! 大丈夫?」

 「……吉成君?」

 「喜多さん?」


 

 そこに居たのは、野球部のユニフォーム来たままの、吉成君。

 長く伸ばしたホースで、その辺に水をまいていたみたい。

 慌ててホースを下に置くと、あたしの方に走ってくる。


 

 「うわー、結構濡れちゃったじゃん、ごめん」

 「ううん。まだ暑いし、乾くと思うから」


 

 吉成君は、前にお昼を一緒に食べないかって誘ってくれた人。

 春臣と食べるからってお断りして、それからほとんど話すこと無かった。

 クラスも違うから、あんまり顔を合わせることもないし。


 

 「花火大会行くんだ?」

 「うん」

 「藤田とでしょ? 仲いいよな」

 「うん」


 

 ハンカチ持ってきて良かった。

 右側の太腿辺りからびしょ濡れになっちゃったのを、ぎゅ、ぎゅって押さえるようにして拭いてみる。

 

 大丈夫、とは言ったけど、結構濡れちゃったな。

 春臣と会う前に乾かすのは、ちょっと難しいかも。

 

 ドライヤーとか無いし、……仕方ないよね。


 

 「それ、ほんとごめんな」

 「ううん、大丈夫」

 「でも風邪引くかもしれないし、良かったら部室来ない? タオルあるからさ」

 「大丈夫だよ」



 一年生だから最後まで残って後片付けしてたんだろうな。

 野球部は新入部員が少なかったみたいで、今でも部員を募集してる張り紙が購買の近くに貼ってある。

 

 

 「いや、まずいでしょ。せっかくの花火大会なのにさ」

 「んー……」

 「責任感じるしさ」

 「偶然だから、気にしないで」


 

 あたしもぼんやりしてたのが悪かったんだもん。

 何となく水音してたような気もするけど、気付かなかったのはやっぱり浮かれてたからかもしれない。

 初めての花火大会だし、春臣に買ってもらった浴衣だし。

 

 ──って、髪の毛も崩れちゃってそう……


 

 「あ、多分ドライヤーもあると思うよ」

 「ほんと?」

 「多分。先輩が使ってたのみたような気がするし」

 

 

 だから、ってもう一度誘ってくれる。

 ドライヤーがあるなら、浴衣も乾かせるし、髪も直せるよね。

 今から急げば……うん、間に合うと思う。


 

 「じゃあ、借りてもいい?」

 「それじゃ、行こうか」

 「うん」



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