春臣:もう、すぐに会いたくなります。
「春臣さん、浴衣ここに干しておくから、忘れないでね」
「はい、ありがとうございます」
母が浴衣を干してくれました。
お礼を言って、僕も部屋に戻ります。
まだまだ日差しがあるので、もう一時間もすれば乾くでしょう。
明日、春名さんの浴衣姿が見られると思うと、とても楽しみです。
──先程の別れ際を思い出してしまいました。
それでは、と別れようとしたところで、春名さんが寂しそうな顔をしたんです。
僕も明日また会えるとはいえ、寂しいなと思っていたので、同じ気持ちかと思うと嬉しかったです。
なので、思わずキスをしてしまいました。
春名さんのほっぺたと耳に触れた手に熱が伝わってきて、顔を赤くしているのがわかって、可愛いなと思いました。
いつもなら、そこで唇を離します。
ですが、昨日はつい名残惜しくて、もう一度唇を寄せました。
ゆっくり顔を離そうとした所で不意に目が合い、……春名さんがあまりにも可愛らしかったので、もう一度、そうっとキスをしました。
顔を真っ赤にして、ぱちぱちと瞬きをしているのが愛らしかったです。
なので頭を撫でて、好きですよ、と伝えると、春名さんも何か言おうとしたんです。
でも、ほんの少しだけ口を開いたものの、すぐに閉じて、ぷくっとほっぺたが膨らみました。
そっから腕を振り上げた拍子に体制を崩してしまったので、慌てて支えると、小さな声でお礼を言ってくれました。
ふわりと軽くて、細い肩の感触は、今でもすぐに思い出す事ができます。
「──春名さんは、今頃何をしているでしょうか」
先程離れたばかりだというのに、もう、春名さんに会いたくなります。
明日の花火大会は、七時半からなので、待ち合わせは夕方の五時になりました。
春名さんの希望で、待ち合わせ場所は学校です。
いつも待ち合わせをしている学校なのですが、そこに私服で待ち合わせというのも夏休みらしくて楽しいですね。
まだまだ日が長いので、夕方の五時でも十分に明るいですし、楽しみです。




