↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ならば世界を喰らうまで(旧作品名:新世界の創世者は、魔王ではなく?)  作者: ニャンコ
第三章 開世

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/70

第九話 北の大地(ニ)         其のニ『良く生きる為』

国造り。少しずつ進んでいます。

力丸の目指す国家とは、どんなものなのか!

なんてねー

 朝。


 水を、捨てる。家の外。土に、染みる。


⸻


 昼。


 臭いが、残る。風が、運ぶ。


⸻


 夜。


「……またか」

    誰かが、顔をしかめる。


⸻


 人は、増えた。良いことだ。

だが――残るものも、増えた。


 つぐは、黙って聞く。


    「流れない」


    「溜まる」


    「気になる」


 小さな声。

だが――増えている。


⸻


 守亮は、見ている。

水の行き先を。人の動きを。何も言わない。


⸻


 夜。静かだ。

 ――変わる。

      音もなく。人の手もなく。


 土が、割れる。細く、長く。線が、走る。


 繋がる。家と、家。道と、道。

そして――外へ。


⸻


 朝。

水が、流れている。


    「……あれ」


 昨日まで、溜まっていたものが。無い。

捨てる。流れる。残らない。


    「ここに捨てると流れていくぞ」


 別の場所でも。また、別の場所でも。


 流れる。 臭いが、薄れる。 

人は、顔を見合わせる。


    「……紫電様の」


 誰かが、言う。否定は、無い。



荻は、何も言わない。ただ――見ている。


    忠太は、地面を踏む。

「……やりやがる」

    小さく、笑う。


 守亮は、目を細める。理解している。

だが――口にはしない。

 水は、流れ続ける。止まらない。


 それは――“整えられた”流れだった。

 人は、慣れる。すぐに。


 汚れは、残らないもの。水は、流れるもの。


 誰も、疑わない。

それが――“当たり前”になる。



◆港にて


 荷が、積まれる。

    「違う」


 声が、止める。

    「それじゃ、損する」


 男が、眉をひそめる。

    「同じだろう」


 指が、動く。地に、線を引く。


    「ここが違う」


 数が、並ぶ。分ける。比べる。


 男は、黙る。見ている。


    「……ああ」

 頷く。


 納得する。


 周りも、覗く。同じように、見る。


    「もう一度」


 誰かが、言う。


    「ここだ」


 繰り返す。ゆっくりと。



◆別の場所。


    「その言い方じゃ、通らない」


 言葉を、整える。順を、変える。


 相手が、頷く。通じる。

見ていた者が――覚える。


    「教えてくれ」


 声が、増える。頷く。


    「……来い」


 歩く。連れていく。そこに――ある。


 見たことのない、建物。

真っ直ぐな壁。歪みのない形。


    「……なんだ、ここは」

 答えは、ない。


 戸が、開く。


 中。


 空気が、違う。静かで、暖かい。

音が、よく響く。

 通される。奥の部屋。


   畳。   低い机。


    「ここでやる」


 座る。向かい合う。


 指が、動く。数を置く。線を引く。


    「こうだ」


  見る。   分かる。


    「……もう一度」


 繰り返す。日が、落ちる。

それでも――動かない。


    「……よくやったな」

 差し出される。食べ物。


    「いいのか」


 誰も、止めない。


  食べる。   笑う。


 次の日。また、来る。

その次も。


 やがて。人が、増える。


    「ここで、いいのか」

 頷く。


 別の集落。別の部屋。別の机。


   教える。   教わる。


 日が、落ちる。


    「残るか」


 残る。


 食べる。


⸻


 朝。


 早く来る者がいる。


    「早いじゃないか」


    「……腹、減ってるだろ」


 出される。


 食べる。  座る。  始める。


 繰り返す。

それが――日常になる。

 人が、教える。覚えたことを。

すぐに。

 上手い者が、残る。長く、教える。


    「あいつは、上だ」


    「まだ、下だな」


 いつの間にか。分かれている。



    「序ノ口だ」


    「三段目か」



 呼び方が、生まれる。

また、増える。教える者が、増える。


 初めに立っていた者たちは――

下がる。

 守亮は、見ている。もう、手は出さない。


 つぐは、微笑む。人の声を、聞くだけ。


 荻は、静かに、そこにいる。


そして“草”は、混じる。教える。

 流す。情報。広がり。残す。

やがて――手は、離れる。

 それでも、続く。


    「……塾だな」


 誰かが、言う。

    「甲斐塾」

         名が、残る。


朝から、夕まで。来て、帰る。残って、学ぶ。


 誰も、強いない。

だが――人は、来る。


  知る。  使う。  渡す。

それが――巡る。



数を覚える。言葉を整える。やり方を知る。


教えることは、多くない。


 言葉。


 数。


 それと――仕事。


言葉は、通すため。違えないため。

 話す。   整える。   書き残す。

    約束は、消えない。


数は量るため。分けるため。損をしないため。


 足す。   引く。   比べる。

同じが、分かる。違いが、見える。


仕事は、増やすため。

 今あるものを――より良くするため。

 育てる。   捕る。   作る。


 前より、多く。 前より、上手く。

難しいことは、しない。

 使うことだけを、覚える。

 それで――足りた。

    覚えた者が、教える。

 すぐに。

 言葉が、広がる。

 数が、揃う。

 やり方が、残る。

それは――名前がなくても、同じだった。


    「言葉、数、仕事……か」


    「甲斐塾の三つだな」


そして、気付き始めた。

 得る。前より、多く。

    「……増えたな」

 誰かが、呟く。頷く。皆、同じだ。

だが――

    「……もらってばかりだな」


      沈黙。


    「紫電様に」


 否定は、無い。


 次の日。

持っていく。魚を。穀を。塩を。

              差し出す。

 紫電は、受け取る。

    「……預かる」

 それだけ。

誰も、損をしない。誰も、奪われない。

 だが――確かに、渡された。


⸻


 さらに、

     持ち込まれる。


  魚。 穀。 塩。


 量は、少しずつ。だが――増えていく。


 同じものでは、ない。違うものが、重なる。


    紫電は、受け取る。

「……預かる」

    それだけ。


 置かれる。 積まれる。 崩れない。


 番忠太が、見ている。

数ではなく、嵩(かさ)を。


    「……回すぞ」


運ばれる。足りない場所へ。遠い場所へ。


 道が、繋ぐ。 人が、運ぶ。


 減る。だが――無くならない。


 また、来る。また、置かれる。


 巡る。

誰も、命じていない。

 だが――止まらない。


 それは――“流れ”になっていた。


 山。 高い。 風が、変わる。

越えない。越えられない。


 だが――向こうにも、人はいる。


◆西の地。


 空気は、重い。東ほど、柔らかくはない。

 だが――凍てつかない。死なない。


 地を、叩く音。   鉄。


  掘る。  打つ。  運ぶ。


 木が、倒れる。

組まれる。 積まれる。


 煙が、上がる。

黒い塊が、燃える。赤く、光る。

       形が、変わる。鉄になる。


 男たちが、動く。

言葉は、違う。だが――通じる。


    「……もっとだ」


 指で、示す。数で、示す。

理解する。 頷く。

 終われば――渡される。

   重い。だが――確かだ。


     布。 塩。 穀。


 そして――金属。

 受け取る。数える。合っている。


    「……いい」

短い言葉。

 だが――満ちている。

また、来る。

 誰に言われたわけでもない。

ここには――“得られる”ものがある。



◆東の地。


 人が、学ぶ。言葉を。数を。やり方を。


◆西の地。


 人が、掘る。打つ。作る。



 東は、巡る。 西は、生む。


 繋がってはいない。

だが――切れてもいない。

 見えないまま。続いている。


 預けられる。渡される。 形は、違う。

だが――どちらも、残る。


 紫電は、受け取る。

東からも。 西からも。


    「……預かる」


 変わらない。


 それが――基になる。

  まだ、名は無い。

だが――支えられている。集められている。

     使われている。

 確かに――“続いている”。





       つづく



インフラ

教育

国造りの根幹かもしれないデスね。


そして、鉱山。

燃料となる石炭。

近代化の象徴、製鉄。

製紙業も始まります。


樺太島。

ここは、200年は文明が先んじている。

逆ガラパゴス?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。