友達になろう! 前編
ウーラを起こすと、「大丈夫? 痛いところはない? 気分は?」などと慌てて聞いてきた。
本当にわたしを心配しているの? 奴隷だから? 殺されてくないから? って、そんなことを思ってしまう自分が大嫌いだ。でも、わたしだって、ウーラに殺されかけたんだもん。でも、聞く勇気はなかった。
「う〜ん、あまり調子が良くないかも」とだけ答えると「もう少し寝る?」ウーラが心配する。
「ううん。わたしどのぐらい寝てたの?」
「あの薬飲んで倒れてから二日間だよ」
「確かめずに飲んだわたしが馬鹿だった。ウーラは大丈夫だった? てか、飲んだの初めて?」
「うん、初めて飲んだ。その後に、説明書を読んでびっくりしたよ」
そして会話が途切れると…。ウーラは何かを言いたそうにウズウズしていた。
「どうしたの? 何か言いたいなら、言ってみて?」
「あの…。で。でも、体調が悪いって…」
「うん? 内容にもよるかな? 言ってみてよ? 怒ったりしないからさ」
どうも主従関係は苦手だ。
「えっとね。ここは宿場村でしょ? だから学園に行く生徒も足止めされてて、ベネツィオ様が寝込んでいる間に、知り合った子がいるの。それで、ベネツィオ様が起きたら、会ってみたいって…。だ、駄目かな…。勝手に約束してごめんなさい」
その生徒よりも、まずはウーラとの関係をきっちりしないといけないと思った。
「ウーラ。あのとき殺し合って、今は奴隷と主という主従関係なんだけど…。できれば、友達になりたいの。ウーラの本当の気持ちを教えてくれる? これは命令じゃないから、多分、ウーラは何とでも言えると思うの。わたしは、その言葉を信じる」
ウーラの目をジット見て本音を言ってみた。できれば友達になりたい。でもわたしを恨んでいるならば、折り合いを付けながら体裁を整えて、一緒にいるしかないんだよね…。
「正直…どうして良いのかわからない。孤児だった私に魔法を教えて救ってくれたレーシアが本当に悪い人とは思えない。多分レーシアに恋すらしている。それにイーノーベの孫と思っていた。ここまでだったら、勘違いで済まされた。でも…私は、ベネツィオ様を殺す気は無かったけど、殺してしまっていたかもしれない。そんな私を二度も救ってくれたのはベネツィオ様。だから、今すぐ死ねと言われれば、怖いけど…死んでみせます。で、できるかわからないけど…。やっぱり無理かな? だからベネツィオ様が、友達になってくれるというのは、嬉しいですけど、私の気持ちが…。こんな馬鹿は奴隷のほうが良いと思います。絶対に、また迷惑をかけちゃうし…」
「長い…。ていうか、わたしのこと、好きか嫌いか答えて」
「ベネツィオ様は、他人にあまり関心が無い様に思えます。それに感情の起伏が激しく、何かを求め彷徨う感じ、でも、諦めてしまってる感じもするし…。正直、私にはベネツィオ様が、どんな人かわかりません。だけど、答えろと言うなら、見た目が可愛いから、好きかな?」
「もう、それでいいよ! わたしもウーラが好き。理由は、イーノーベお婆ちゃんを後先顧みずに探しに出たこと。それだけで好き。わたしが出来なかったことをやった女の子。すごい女の子だから」
わたしが手を差し伸べると、ウーラが手を繋いでくれた。
「これからは、ベネツィオと呼んでね」




