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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第三章 静かなる狂者の間引き
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vs 受付嬢

<ようこそ! 冒険ギルドへ!!>っと、フレンドリーな看板で、西口大通りに建屋はあった。


ドアは開きっぱなしのウェルカムなドアを通り過ぎると、流石冒険者、出入りしている人物を自然とチェックしていた。先程まで…外に聞こえるぐらいの馬鹿騒ぎしていた店内は、一瞬にして静まる。


あまりにも巫山戯たゴスロリワンピースでの登場だ。かまってくれと言わんばかりのネタキャラに誰もがいじり倒したくて仕方のない衝動に駆られるが、この少女は駄目だ…。手を出したら死ぬ。そう黒き死神ベネツィオが冒険者ギルドに舞い降りたのだ。


わたしはなぜか静まり返ってしまった店内を進む。すると冒険者たちがわたしを避けるかのように道を開けてくれたのだ。わたしはニコリと会釈をして、受付窓口へ急いだ。


「い、いらひゃいまへ、ど、どのようなぎょようけんでひょうか?」青く引きつった顔だった。


はっ? 冒険者ギルドって、受付嬢まで、真昼から酒を飲むんで酔っ払っているのですか?


「あの…町の近くにあるダンジョンに入りたいのです。ダンジョンが町やギルドの管轄と聞きまして、ご相談に来ました」


意外と、まとも? 話が通じる相手? 受付嬢は、頭を切り替えて説明する。


「はい。不用意な事故の防止、魔物の侵入阻止など、理由はありますが、許可なく入ることはできません」


な、なんだ? いきなりまともになった??


「その許可を頂くためには、どのような手段があるのでしょうか?」


”来た”店内にいた誰もが気になる質問だった。恐らく受付嬢は、冒険ギルドへの加入と、ランクによる入場制限を説明するだろう…。黒き死神と呼ばれる強者は戦闘力だけでなく、町のNo.2の養女としての権力も持ち合わせているのだ。もし…権力を行使して、ダンジョンへの入場許可を得ようとするならば、恐ろしく危険な相手となるのだ。


「基本ダンジョンへは冒険者のみが入場可能となります。ベネツィオ様は騎士団員ではございませんので、冒険ギルドへの加入が必要となります。またダンジョンには、ランクが設けられています。冒険者のランクによっては入場できないダンジョンもございます」


なるほど。これも冒険者を守るためか…。うん? あれ? わたし…名前、名乗ったっけ?


「あの? なぜ? わたしの名前を?」


「ベネツィオ様は、町をお救いになった英雄でございますから。誰もが存じ上げていると? それが何か?」


「いえ…。えっと…。冒険者のランクは、必ず最低限からのスタートでしょうか?」


受付嬢の顔が一瞬強張る。勝負のときだとばかりに回答した。


「はい。必ず初心者であるランク1からのスタートとなります。これには理由がございまして、冒険者は戦闘力以外にも冒険力が必要となります。例えば、洞窟に閉じ込められたとき、戦闘力だけでは生きて行かれません。冒険力、つまり食べられる昆虫、その食べ方等をしっかり学んでいくことが必要です。また初心者が持ち帰る薬草などは、町の低所得者が通う病院などの医療に役立っております」


確かにね…。”十字路の鍾乳洞”に閉じ込められたときのトラウマが走馬灯のように蘇る…。


「ベネツィオ様、我々のパーティーに参加すれば、ランク4のダンジョンにも入場可のですよ?」

とむさ苦しいおっさんパーティーからの勧誘があった。


「お誘いはありがたいのですが、受付嬢の言うことも最もです。わたしの父は町を守る騎士であり、そんなわたしが、ルールを捻じ曲げるよな姑息な手段を使うわけにはいきません。それに町の役に立つと言うならば、しっかりとランク1のお仕事を受け、初心者冒険者の見本となれるように頑張らなければいけません」

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