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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第三章 静かなる狂者の間引き
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車中から広がる野望と希望

町を巡る車中では、わたしとマイラドが政治や軍事の話を、シーシーとエフェアリアが芸術、食べ物、流行などの話をしていた。


「領主イッシュベル侯爵の管理する土地は広大です。そうですね…。ベネツィオ様が住んでいた村がありますよね。大体”凍てつく山脈”より南側としますか。その土地を全て、ベネツィオ様は、見たり歩いたことはありますか?」


例えば、”三日月の砂浜”でさえ歩いたら何日もかかるのだ。全て歩くなど戦闘力も必要だ。わたしならば可能だろう。しかし実際は、魔法陣で移動していた。


「いいえ。ありませんし、とても歩けるとも思いません」


「その土地を約7倍にした広さを町の管理として、ヒルブレッド男爵が治めております。そして同様の広さを持つ町が全部で8つほど、イッシュベル領地内にはあるのです。領地内に争いはありませんが、領主イッシュベル侯爵への貢献度は、とても重要になります。例えば貢献度で税率も変わってきます」


「広すぎて、想像もできませんね」


「はい。この町の人口は、領地内で4番目に多いのですが、何せ、土地が広大すぎます。町から離れた村との交通も交流もほとんど出来ていない状態です。町も発展段階で、他の村へ資金を援助する余裕もありません。また町の管理を任されたヒルブレッド男爵も、オルベリック様も、広大な土地の中、どのようにして民を魔物や盗賊から守れるのか、とても悩んでおられます」


「オルベリックは、わたしを使って何がしたいのでしょうか? 領主への貢献ですか? それとも町の開拓ですか?」


「詳しい話は聞いておりません。ですが、ご想像の通りだと思います。または王国騎士団への加入などの手伝いでしょうか? この国のルールですが、騎士爵や商人貴族は、世襲貴族ではなく一代貴族です。オルベリック様のご子息も、まずは町の管理を任されたヒルブレッド男爵に功績を認められなくてはなりません。そのお手伝いもするかもしれませんな。このように一代貴族は底辺貴族であり、もっと上位の爵位を欲しているのです。そのためには…。まぁ、これは予想なので」


「なるほど。大変ですね。でも上位の爵位なんて、ヒルブレッド男爵に与えられる権限はあるのでしょうか? それとも? 領主イッシュベル侯爵や、王国騎士団に認められるほどの、功績が必要なのかな? 全く、どんなことをすれば良いのか…」


「ふふっ。流石はベネツィオ様。ヒントは…。イッシュベル領地は、国内でも南に位置します。イッシュベル領地は、すばり半島です。半島故に隣接する領地も多くありませんし、隣国もありません。だから商業も発展していないのです。また特色のある鉱物もないため工業も苦手です。ならば半島の特徴を利用して、外国との貿易をすればと、ベネツィオ様なら考えつくと思いますが、既に貿易と得意とする領地が存在します。その領地は立地的にも、王国の王都の隣の領地でとても優遇されているのです。何も無いイッシュベル領地をどのように魅力的な土地にするか…それ次第ですな。まぁ、何世代もかけて行う事業になると思いますが…」


オルベリックの目的が、町を発展させたいのか、自分が成り上がりたいのか、わからない。だけど、どんな理由があろうとも…。わたしが犠牲になって良い訳ではない。だが、不平不満は口に出さない…。今度は、わたしが、貴族を使ってやるんだからっ!


前に座るシーシーとエフェアリアは楽しそうだ。


「あそこには、クレープというお菓子がありまして…」


後で、シーシーに教えてもらおう。


町の重要な建物や防衛戦で必要な知識を教えてもらい観光は終わった。


「マイラドさん、ありがとう。とても良い気分転換になりました」


わたしはにっこりと笑う。お婆ちゃん? わたし、しっかりと笑えているかな?


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