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すみません。テイマリアン・サーガを読みたくて  作者: きっと小春
第三章 静かなる狂者の間引き
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教育係

短剣を一振りする度に、殺意が明確になる。殺すっ! 死ねっ! 死んでしまえっ!!


目の前にはガラ空きになった騎士の胸がある。そこだっ! そこを刺してやるっ!!


「止めぬかっ!」その声は? 誰だ? ピタッとベネツィオの動きが止まる。ベネツィオは、その声の方に視線を向けながら、短剣をしまい「オルベリック…様? 如何なさいましたか?」と聞いた。


「誰が、死合をしろと言ったのだ?」


「…」


***** ***** ***** ***** ***** 


目が覚めると、見たことがない高級そうで清潔な高い天井があった。


「ベネツィオお姉ちゃん…。よかった…」涙目のシーシーが、わたしの手を握りながら、笑顔で言った。どうやら、わたしは、興奮しすぎて倒れたらしい。


「村を出てから…あまり記憶がないのです」シーシーとその後ろに立っていたオルベリックに向けて言った。


「そうか…。まだ心の整理が追いつかないようだな。しばらくは、この屋敷や、町になれるまで、ゆっくりとするがよい」オルベリックは使用人? たちに指示を出すと、部屋から出ていってしまった。


それからエレストとシーシーに、村を出てからの様子と、倒れる寸前の戦いについて、話を聞いた。


「ベネツィオお姉ちゃん…。もう、あんな怖い顔で、短剣を振るわないで…」シーシーは本当に怖かったのだろう、握る手が震えていた。


「ごめんね。もっと、強くならないと…」とわたしは呟く。


「おいおい、それ以上強くなられたら…」困ったようにエレストは頭を振る。


「ち、違うわよ! き、気持ちの話しよ!」三人に少しだけ笑顔が戻った。


「さて、ベネツィオ。シーシー。君たちは、貴族としての常識もマナーも振る舞いも教養も何も知らない。ここは私のシリギデン家ではない。だから私が教えることもできないのだが…」


その話を聞き、背後から失礼しますと、二人の老人と若い女性が近づいてきた。


「オルベリック様から、ベネツィオ様とシーシーの教育係を任されました。マイラドとエフェアリアでございます」


執事であるマイラドは、リーゼハル家の子を育てた実績があり、オルベリックもその一人であった。またエフェアリアは、わたしというよりも、シーシーの教育係であり、マイラドの使用人でもあった。


「まずは、気分転換を兼ねて町をご案内いたします。それから簡単な挨拶とテーブルマナーを覚えて頂きます。理由は、オルベリック様から、ご家族への紹介がございます。それと日々のお食事も家族全員でと、オルベリック様から申し付けられていますので…。それ以外は、お時間がかかりますので、徐々にで構わないと、お許しを頂いております」


「うん、教育かかりも付くのか。大丈夫そうだね。私は、ここで失礼さてもらうよ」エレストは用事があるらしく退室してしまった。


「おっと、大変失礼致しました。お出かけの前に、ご用意したお召し物に、着替えて頂きます」


エフェアリアは、わたしとシーシーを連れて、隣の部屋に入る。そこには、見たこともない数の衣装があり、しかも作業着以外の様々な衣装が保管されていた。


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