初夜
夕食の片付けが一段落する。「お父さん、ベネツィオちゃんに、店の説明をしてくるよ」とお父さんに声をかけたお母さんに、家の外に連れ出される。ニールの店は、すぐ隣なのだが、家の中からは繋がっていないのです。
お母さんは店の玄関の鍵を開けて、わたしを中にいれると、後ろ手にドアをしめます。
「今はまだ暑いからね。肉や魚は地下の倉庫に入れてあるの。まぁ、三日持てば良いほうね」などと店の説明をしてくれた。
「店番は、その椅子を使ってね」とお母さんは新品の椅子を指差した。それは背の低いわたしように買ってくれたのだろう。「ありがとう」とお礼を言った。
「さぁ、座ってみて」わたしに座るように促す。
「それで…ね。女同士、ベネツィオちゃんときちんと離さなければならないことがあるの…」
その話とは、子作りについてだった。生々しくも赤裸々に人形を使って説明してくれた。
「あわわわわわ…」わたしは口をパクパクと開けることしか出来なかった。
「やっぱり、ベネツィオちゃんは何も知らないのね。それに、体も赤ちゃんが産める準備もできていないし…」
「ご、ごめんなさい…」本当に、胸ばかり大きいポンコツでごめんなさい…。
「謝らなくていいのよ。それは成長は人それぞれだからね。それに子作りは、結婚して一年しないと、行ってはいけないルールになっているのよ」
「な、何で?」
「それはね、まずは体より心が大事だから。快楽ばかり求めても、人は幸せになれないのよ」
「わかりました。わたしも心が大事だと思います」
「うちのニールは幸せ者ね」
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家に戻ると、ニールとわたしの部屋に行く。
「ベネツィオ、大丈夫? 結構時間かかってたけど、お母さんに、無茶言われてない?」
ニールは本当に優しい。
「うん。大丈夫だよ」
一緒のベッドで寝る。だって夫婦だから、でも、体は一年後、心が大事。ニールのお母さんの言う通りにしないと!!
「緊張して、眠れないよ」とニールが呟く。
「だ、だよね…」
「本当に、結婚しちゃったね。夢みたいだ」
「うん、すごく不思議な気分」
こうして結婚一日目の初夜が、キスもなく終わってしまいました。




