ニールとデート
今日は村の朝一でバッタリと出会ったニールと一緒に”夜の森”に来ています。一応、<お国の指示がない限り結婚は出来ない>ということは、ニールは勿論、村中が知っていることですが、結婚を待たせてしまって悪いな〜っと思ったりするのです。
ちなみにわたしは、結婚を拒否して村を出ていくことを選びません。お婆ちゃんは、嫌なら一緒に旅をしてやっても良いぞ? と言ってくれましたが、わたしはこの村が好きですから。
「ごめんね。ニール。まだ結婚できないみたい」
「あ、あぁ…。べ、別にベネツィオのせいじゃないから、気にしないで」ニールは優しい。
「でも、最悪、ほら、言ってはいけない、お国の機密に抵触したため、処分されちゃうかもって、お婆ちゃんが言ってた」
「えっ!? しょ、処分?」
「うん。でも多分大丈夫だって言ってたけど…」
「はぁ…よかった…」
「ねぇ、ニールは、わたしが元男の子だって知ってるよね? 嫌じゃない?」
「イーノーベから聞いた話だと、体も心も…本当に女の子になってしまったんでしょ?」
「うん」
「それに…言っちゃって良いのかな? 元々、ベネツィオって、女っぽい顔してたから…」
「えっ!? なにそれ、そ、そんなこと思ってたの?」
「お、怒らないで、謝るからっ!」
「お、怒ってませんよっ!」
「お、怒ってるし…」
「ふふっ。でもね。結婚しても、わたしってトラブルメーカーなので、いっぱい迷惑かけると思うよ? 既に、お婆ちゃんから、幾つか、どーすんの?って言われてることあるし」
「えっ…。それは困るけど…。ベネツィオらしいかな?」
自然とニールと手を繋ぐ、これはエレストとの失恋を乗り越えたからだろうか?
全てを包み込んでくれたエレストと違い、一緒に歩むことになるであろうニールに、恋することができるのか? ちょっと心配だけれど、自然と手を繋ぐことができたのだ。きっと上手くいくと思いたい。
不意にニールに抱きしめられると、そのままキスをされた。
わたしは驚く、ニールが、こんなことするなんて…。そして気がつく、愛されるよりも、愛したいのかもと…。
でも、きっとエレストなら、相手を困らせないように、ぎゅっと抱きしめるんだろうなと思い、わたしもニールを抱きしめるのだった。
「愛しているよ、ベネツィオ」
その重たい言葉が、ずっしりと心に伸し掛かったのだった。




