行ったり来たり
午前の訓練が終わり、魔法陣から出てお婆ちゃんに報告する。
「ねぇ! マレカラート、グラセルが課題をクリアしちゃったよ?」お婆ちゃんに蜂蟻のことを話す。
「あぁ。そんなのがいたのかい。それはノーカウントだねぇ」不合格にされた…。
マレカラート、グラセルは床でバテているから、代わりにドロップアイテムを換金してきた。
「「すげぇ、たった…数時間で、銀貨11枚と銅貨7枚!!」」と二人は驚き、疲れもふっとんだみたい。
「いや…蜂蟻が沢山いたからね。今日は特別だよ」
経済的に厳しいグラセル、シフォ、ギツァ、マーゼの4人に銀貨3枚ずつ配る。足りない分は、村からの補助にしてもらった。冬を越すために必要な物を買ってもらいたいとマレカラートからの提案だ。
「う〜ん。俺達の同期以外でも、冬を越すのが大変な家族がいるはずだ。すまん、父と相談してくる。村人には冬を元気に越して欲しいからな」と走って家を出ていた。
「マレカラートのやつ、随分と変わったよな。ああいうやつが、村を率先してくれると助かる。俺はマレカラートを助けられるぐらい強くなりたい」グラセルは走り去るマレカラートを見ながら言った。
うんうん! なんか…。こういうのって、いいよね。グラセルも格好いいじゃん。
「あれ? お婆ちゃん、マーゼは?」てっきりマーゼに付きっきりで精神修行でもしているのかと思ったたんだけど。
「あぁ…。マーゼなら、”夜の森”に置き去りにしてきたさ」
「「えっ!?」」とグラセルと私は驚く。
「だ、大丈夫なの?」心配になって聞くわたし。
「死んでも良いと言っていたんだ。問題ないだろう?」と冷たく言い放つお婆ちゃん。
「うっ…で、でも…。おばあちゃん! ”夜の森”の魔法陣は、これだよね? 行ってきます!」
複数ある魔法陣に一つに飛び乗ると、わたしはマーゼを探すために、”夜の森”へと転移した。
夜の森は何度か来ている。ブリタルアだったり、町の騎士だったり…。エレストだったり…。不意にエレストを思い出し、胸がキュンとなる。
「おっと、ベネツィオ。俺も手伝うぜ」とグラセルも転移してきた。
「来てみたけど、何もヒントがないね」
「あぁ、あいつの性格だから、そんなに遠くへは行かないだろうな」
こんなときのために、相手のスタータスを覗ければ良いのに…。そんな魔法があったらいいな。
「兎に角、歩いて探すしかないぜ。とっと行こう」なぜかグラセルがリーダーぽくなっている。
”夜の森”の大通りから、どのぐらい離れているのだろう? 右も左も樹木だらけで、目印なんて何もない。ていうか、魔法陣があった場所も、わからなくなりそうな…。嫌な予感がする。
一応、ダンモフにロープ代わりの物をモフモフで作ってもらって、それを魔法陣の近くの木にくくりつているんだけれども…。プチっ! なんて切れたら…絶対に遭難する自信がある。




