初恋と失恋
部屋から出てきた瞬間に抱きつく。「あっ…。エレスト様なら、隣の部屋だ…」戦士のヨルゼルさんはすまなそうな顔で頭を掻きながら、隣の部屋を指差す。
「ご、ごめんさないっ!!」と廊下中に響き、各部屋から何事だと顔を出した。
開いたエレストの部屋に飛び込むと、はぁ、はぁと息を整える。「あのな…貴族の、しかも男性の部屋に飛び込んで来るなんて…」とエレストに最後まで言わせないように抱きつく。「すき、好きなのっ! どうしようもないくらいにっ!! お願いだから…一分だけ。このままで…」
ステータスに、乙女の心が刻まれた瞬間だった。エレストの硬い筋肉が腕越しに感じる。あぁ、革の胸当て脱いでくるんだったな。
「ベネツィオ…お、俺もだ。お前が好きだ…。けど…」エレストもベネツィオの細い体をしっかりと抱きしめた。
「うん。わかってるよ…。エレストのお母さんにも言われたもん」
エレストを見上げるベネツィオの唇にエレストの唇が触れた。そのまま数分が経ち。「エレスト。みんなが聞き耳を立てているから、そろそろ出ていくね」と落ちる涙を輝かせながら部屋を飛び出し、村長の家を飛び出した。
月明かりの下、そのまま見覚えるのある懐かしい道を歩き、イーノーベの家に辿り着く。
家の中はとても静かで、お婆ちゃんに見透かされているようだった。エレストのことを考えると、まったく眠くなくなる。これでもかというくらいに枕に涙を吸わせた。黎明の妖精たちが騒ぎ出す頃に、ようやく寝息を立て始めたベネツィオに、秋の気配を感じる寒さから身を守るために、イーノーベは、優しく毛布をかけるのだった。
涙の跡をくっきり残した寝顔は、なぜだかニッコリと笑っていた。イーノーベは、ベネツィオの胸に手を当て呪文を唱えると、ベネツィオの全てを見透かす魔法を発動させた。
■ステータス
・頭:洞察力がある
・体:親の特徴を受け継ぐ
⇒獲得能力:女性の体、光の眷属、剣の深淵
・魔:★★★★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
⇒獲得魔法:魔法の箱、悪の認識、契約魔物3匹、盗賊の手首
・心:努力を惜しまない
⇒獲得心理:命の達観、乙女の心
・秘:悪魔の契約(現在無効)
■討伐レポート
・海猿:173匹 ・大盗賊団・銀の影の幹部:1名 ・蜂蟻:13匹
■テイマーした魔物
・うさ角 ベース:うさぎ、特徴:光焔角/足技/半妖精/羽、性格:慎重、生存率:レア
・ダンモフ ベース:ダンゴムシ、特徴:モフモフ/新芽、性格:面倒くさがり、存在率:ユニーク
・メタフォ ベース:九尾、特徴:メカ、性格:気分屋、生存率:ユニーク
■特殊アイテム
・王族の短剣 ・盗賊の小手(暗殺者用)
■所持義金
・金貨2枚、銀貨13枚、銅貨6枚
「随分と、不思議な育ちかたをしてるのぉ…。さて、さて、どうしたものかな…」
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翌朝、ベネツィオは、世界で一番下手くそな作り笑顔で、エレストを見送ったのだった。
第一章 終了です。
第二章は、テイマーとしての修行の再開と、村人たちとの交流がですかね?




