町の行政
翌日、街に向けて歩いていると、町から返ってきた騎士たちと合流する。騎士は私達のために馬車を用意してくれていた。その馬車で町に向かう。町は石作の高い外壁で囲われていた。街に出入りする商人たちがずらりと並んでいたが、わたしは衛兵たちの扉から詰め所に連行された。
手縄を付けられた少女は、商人や衛兵から、何とも言えないさらし者だった。詰め所には、事情聴取を行う役人がいて、いくつかの質問をされる。
「あなたが殺したのは、大盗賊団・銀の影の幹部ですか?」
「防衛のため、人を守るために、殺したのですか?」
「国に忠誠を誓いますか?」
役人は質問をする度に何かを確認していた。何だろう? 魔道具で嘘を見破るのかな?
事情聴取を終えると、他の村人が到着するまでに日数がかかるため、町の宿屋で待っていて欲しいと言われた。宿の料金は騎士持ちだ。あとは呼びに来るまで宿を出ないことと釘を刺される。
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7日後、詰め所から迎えが来ると、3匹の魔物と共に、なぜか治療所に行く。鍛冶屋のブリッドさんは衰弱のため死亡。護衛役でありテイマーのオーゼンさんも、もう長くは持たないだろうと言われた。
「オーゼンさん。ベネツィオです。目を開けて下さい。一緒に、む、村に帰りましょう」
オーゼンさんの手を握り話しかけると、弱々しく、わたしの方を見る。あっ、ダンモフ! 治療を! とダンモフの新芽を見るが、まだ再生していなかった。
「わかってる。だが…。わ、私の魔獣を…。き、君の魔獣と、融合させたい…」
オーゼンさんの透明な魔物は、主人のベッドの上で寄り添うようにいた。
「融合? ま、魔物同士をですか? ど、どうやって??」
「わ、私に、まか、せて、くれ…。は、はやく…魔物を…ベッドの…上に」
わたしが、融合なんて魔物にさせて良いのか? するならば誰に? などと考えていると、うさ角がベッドの上に、ジャンプして「キュッ!!!」と鳴く。
「あ、うさ角っ!」と呼ぶよりも早く、オーゼンさんは 両手で二体の魔物に触り、魔法を唱えた。オーゼンさんの透明生物が消え、うさ角の体が発光した。まばゆい光が消えた後には、前と変わらないうさ角がいた。あれ? 羽がある?
「成功した…」オーゼンさんは、そのまま息を引き取った。
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詰め所で騎士から告げられる。
「事情聴取は以上を持って完了とする。ベネツィオ、君は無罪放免である。しかし町の市民権がないため、帰りの準備を終え次第、ただちに街を離れなければならない。一応、数日間の滞在許可書を渡しておく。
帰りに関しては、街の騎士団は一切関与しない。手間賃および路銀を支給するので、自分で帰路の段取りを行うこと。
また二人の遺体は町で埋葬する。理由は夏のこの時期遺体は痛みやすいことと、君では運搬が不可能だと判断したためだ。ここに町長からの発行された書類一式がある、村長に渡すように。以上だ」
それだけ告げられると、詰め所から追い出されてしまった。はいっ?




