フェレンツァの計画
「フェレンツァ様と私を結びつける契約は…その魂のみです。フェレンツァ様に命令を強要出来ませんし、フェレンツァ様の考えを盗み見ることも出来ません。フェレンツァ様に信頼されるように、頑張ることが、私の役目なのです」
信頼か…。レグザルフは、出逢ったときから…俺をどうしようと考えていたのだろうか? 俺はレグザルフをいつから信頼していたのだろうか?」
「フェレンツァ様。大変、心苦しいのですが…この部屋を出たときから、私は…第四王女クラリーネとして振る舞わらなければなりません。つまりは…フェレンツァ様も…守護者として、従者として…振る舞って頂きたく…」
そうだ…敬語か…。
「わかりました。元より、クラリーネよりも、格上などと思ってもいません」
「ふふっ。その調子でお願います」
小部屋から出ると、自分の装備を返してもらい身に付けた。久しぶりの…お母さんのアカデミックローブ。
そして、成り行きなのだから仕方がないと諦めつつ、成り行きにならないために修行した一年間、あれは何だったのだろうか? と考える。戦いの無い…そんな生活から…かなりかけ離れてしまったが…。レグザルフは…きっと、笑うだろう。そんな無関係な女のために…命を賭けるのかと…。
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「第四王女クラリーネ様の近衛兵にして元・隊長プラハスの跡取りとして、ペレ家に入ったわけですから、フェレンツァ・ペレ男爵という爵位でした。しかし、四聖剣の守護者つまりは従者となりましたので、伯爵という爵位が与えられます。つまりフェレンツァ卿には、自信の武力の他に、政治力、経済力、軍事力が求められます。勿論、我々も惜しみなく強力いたしますが、やはり最後はご自身の力量が問われます」
王宮に割り当てられているフェレンツァ専用の区画にある応接間で、執事ハミナル・ベスから説明を受けていた。
ここ数日、寝る時間を極限まで削り込んで、執事ハミナルに必要最低限の知識を叩き込まれていたのである。しかし、平民が一生に覚える知識のざっと60倍以上の内容である。フェレンツァの頭は爆発寸前であった。
「バックアップして頂けることを感謝します。そして、自分なりに考えた計画があります」とフェレンツァは、執事ハミナルの顔色を伺いながら恐る恐る発言した。
「ほう…。それで、どのような計画でしょうか?」
「はい。他の四聖剣。つまり聖の属性を持つ聖騎士団団長シャリティ卿、炎の属性を持つ筆頭王宮魔道士バンディラ卿、そして雷の属性を持つ現国王・クルフゼータ国王陛下…。この方々と同じ道で名声や名誉…つまり武力、政治力、経済力、軍事力を示すのは困難であると考えられます」
「仕方ありません…歩んできた年月が違い過ぎますから。うん? まさか、フェレンツァ卿には、それ差を埋める…名案があると?」
「はい。ハミナルさんもご存知の通り、魔物をテイムすることにより強化されるのです。魔物をテイムするなら、騎士より冒険者です。そして冒険者のランクは、ときに…貴族は勿論、王族のそれにすら匹敵する名声や名誉を、手に入れることが可能なのです」
「なるほど…。実にシンプルな提案ですが、問題が2つほどあります。まず、クラリーネ様の守護者であること。つまり護衛を疎かにして冒険に出かけれれません。また、それほど冒険者は甘くありませんよ? ランクを上げるのは現実的に、非常に厳しいのです。周囲の誰もがわかりやすい実績を積まなければ…裏で王家がランクを上げるように圧力をかけたと言われかねません」




