↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
218/286

黒い剣士

次の街まで6日ほどだ。愛想の良いペチカが街道ですれ違った商人に聞いたのだ。


「今日は、この辺りで野宿するぞ」


「うん、そうだね。近くに川もあるし、森もある。今日は、僕が狩りの番だね。魚と肉どっちがいい?」


「そうだなぁ、川があるし、魚がいいな」


という訳で、ペチカが野宿の準備、天幕の設営や焚き火の用意する。僕は川に魚を捕りに行くことになった。ふふふっ。意外と魚を捕るのは得意なんだ。


まずは【熱探知】、【危険察知】、【音探知】、【嗅覚】などの索敵の能力を発動する。ちなみに【回避補正】、【脚力補正】、【毒無効】、【水無効】などの補正や耐性は常時発動しているので意識する必要はない。


そして川まで、【悪路走破】、【突進】、【疾走】であっという間に辿り着くと、少し手前で停止し【隠密】を発動する。


こっそりと川の中の様子を伺い、美味そうな魚を見つける。そして、魚が見つかったら【雷槍】をズドーンッと打ち込み、電撃で気絶した魚を捕る。それだけだ。


「うん。よし、今日も大漁だ」


と、川に入り魚を捕っていると…川の中にある岩場に…人が倒れていた。あっ…もしかしたら【雷槍】に当たっちゃった??


僕はとりあえず、野営地点まで、この人をおぶって帰ることにした。いざとなったら、新芽もあるし…。


「相変わらず早いね…。うん? その人、どうしたの?」とペチカが訝しげな表情で聞いてきたが、僕は【雷槍】のことは黙っておくことにして、川の岩場に倒れていたことだけを伝えた。


「ふ〜ん…。とりあえず、体が冷えと不味い。鎧を脱がせないと。うん? あれれ? この鎧…。止め金とか無いけど? 魔法の鎧?」


ペチカに言われて、僕も鎧を調べるが、確かに脱がせ方がわからない。とりあえず、焚き火の近くで寝かせることにした。


魚が焼ける頃、その匂いに釣られるように男が目を覚ました。


「す、すまない…水を…」


僕は男の上半身を起こし水を飲ませた。男はゆっくりと水を飲み。一言言った。


「は、腹が減って行き倒れていたらしい…」


それから男が、遠慮もしないで次々と焼き魚を平らげていく光景は、実に圧巻であった。そして男は食べるだけ食べて、また寝てしまった。


「余程、限界だったのか?」と、どうにか残った焼き魚を食べながら言った。


「うん。明日、この人が起きたら、どうしたのか聞いてみようか」


いつも通り【熱探知】、【危険察知】、【音探知】、【嗅覚】などの索敵の能力を発動しながら寝ることにした。でも…もしも、この人が…悪い人だったら…。


僕は怖くなって、動かない間は姿が消せる”隠者の帽子”の能力を発動させる。そして、ペチカの手をそっと握った。触れている相手も姿を隠すことができるのだ。


そんな事情を知らないペチカは、恥ずかしげに、少しだけ頬を赤らめていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。